【Page4】KAWASAKI Z2/750RS 外装パーツのリペイント

掲載日:2010年03月17日 特集記事KAWASAKI Z1/Z2 延命治療 Part2    

記事提供/2009年2月1日発行 モトメンテナンス No.81
Text/K.TAGUCHI 田口勝己  Photo/A.KURITA 栗田 晃  取材協力/グリーンワールド Phone 0249-41-1601

同年式Z2の「青玉虫」カラーに衣替え決定!!
青玉でも茶玉でも、この年式は地味ですよね・・・・

苦労の末にガス漏れ修復を終えたタイガータンクは、A型前期のタイガーカラーから年式相応の玉虫カラーに衣替え。地味なカラーリングとはいえ、やっぱりフレッシュペイントは輝いていてキレイですね!!

取材協力/ドリーム商會 Phone 0485-80-2777



絶版旧車のリペイント業務を数多くこなしてきたドリーム商會のお客さんには、当然ながらZファンもいる。今回はお客さんの竹下さんから20年以上前に純正部品で購入した青玉虫カラーのシートカウルを借用し、色見本とさせていただいた。完成した外装パーツを太陽光下で見たり蛍光灯下で見たが、バツグンの仕上がりに大満足。特に、スカシで見たときの特有な発色は、ターコイズブルー=トルコ石のようだとも。

 

編集部Z2の外装パーツはヤレ感を通り越した「ボロ」に近いもの。そのまま走るにはみすぼらしい雰囲気だった。そこでスペアの中古外装パーツを一式揃え、リペイント依頼することにした。今回も絶版車のリペイントを得意にしているドリーム商會に相談。75年式相応の「青玉虫カラー」で依頼した。

 

純正カラーの再現には見本が欲しいものだ。一方で、最近ではヤレて色抜けしつつある雰囲気に仕上げてほしいといった相談もあるらしい。今回は、代表の小島さんがお客さんから20年以上前の純正青玉虫カラーの新品外装パーツを借りて下さったので、そのパーツを参考に独特なカラーを再現していただくことになった。ベースカラーのみをペイントし、デカールで仕上げる方法もあるが、今回はすべてペイントで仕上げていただいた。H2系のように、明らかに「デカールです」といった感じならば、カナダのリプロダクションデカール社製デカールを利用しても良いが、やっぱりZはペイントで仕上げたいですよね。

 

小島さんによれば、青玉虫カラーはZ1/Z2シリーズの中でも難しい部類に入るそうだ。純正シートカウルを参考に色作りを行ったそうだが、見る角度によっては色味が変化する青玉虫はターコイズブルーのようでもあるそうだ。

 

タンクライナー「POR15」は、想像以上に薄く処理できる!!
完全に天日乾燥させたら、燃料コック部分にガムテープで栓をする。天日乾燥させたつもりでも、奥の奥に水分が残っているとこの後の処理に失敗してしまうかのうせいがあるため、心配な際にはタンク内を熱風ヒーターやドライヤーで強制乾燥させると良いだろう。とにかく水分は大敵と考えよう。   POR-15タンクライナーは、しっかりフタが押し込まれているので、フタを開けるときに缶をフッ飛ばし、ライナーを流してしまわないように要注意。写真で使っているような工具を利用するとスムーズに開けられます。マイナスドライバーだと缶蓋が変形してしまい良くありません。   フタが開いたからといって、ここで慌ててライナーを流し込んではいけない。フタを開けたら攪拌棒や細いヘラを使って徹底的にライナー液を混ぜる。缶の底には想像以上に目止め剤が沈殿しているのだ。とにかく徹底的に攪拌。今回は5分近く攪拌したが、その効果があって流動性はかなり良くなった。
いよいよタンク内部へのライナー流しだが、この際にライナーをこぼしてしまってはガッカリなので、ペットボトルをカットしたジョウゴでライナーを一滴残さずタンク内に流し込んだ。流し込みを終えたらタンクキャップにゴム栓をして、前後、左右、ひっくり返しなどなど、タンク内部にライナーが流れていることを想像しながら、タンクをゆっくりゆっくり動かす。水のようにスムーズな流動性ではありませんからね。   ここからは徹底的にこだわりを持って、ライナーを細部に行き届かせるような処方をする。今回はゴムハンマーで溶接部分をコンコン叩き、溶接鈑金の合わせ面溝の奥までライナーが届くように願いつつ、作業を進めた。溝部分はエア噛みしやすい部分でもあるので、このコンコン作戦は効果的だと思います。   大丈夫かな!?と心配ですよね。そんなときには可能な限り内部を覗き見してみましょう。こんなときにあると便利なのがペンシル型の高輝度ライト。奥の奥までは見えませんが、ある程度は見えると思います。
それでも不安な方は、自動車のメンテナンスによく使われる棒ミラーを使って内部を覗き見してみよう。するとビックリ!! 想像以上に内部確認できます!! ライナーがミラーに付着するのを無視して進めたが、キャップ前方の溶接溝付近も丸見えです。ライナーがしっかり行き渡っている様子を確認できた。   タンクキャップに栓をして、仕上げとしてもう一度ライナーを行き渡らせる。作業後、燃料コック穴のガムテープを剥がし、残留ライナーを徹底的に抜き取る。想像以上に流動性が高く、良い仕事をしてくれたような気がするが果たして・・・・。処理途中に溶接部のピンホールからライナーが流れ出ることも無かったので、穴封じは成功したようだ。   徹底的に残留ライナーを抜き取った結果、何と缶全量に対して7割近く、いゃそれ以上戻ってきたかも知れない。こりゃ効率良い感じですね。想像以上に抜き取ることができるということは、1液なので再利用可能ってことでもありますよね?
タンクキャプから覗き込むと分厚い樹脂層が形成されるというよりも、タンク内部にペイントを施した印象だ。ライナーの色がシルバーなのでガソリンスタンドで給油する時にも目立たなくて良い。こりゃ大成功だったかもしれません。あとはガソリンですね。   ライナー処理を終えたら、キャップとコック部分の栓を開放したまま風通しが良い場所で96時間以上放置し、ライナーを完全乾燥させる。金曜日の夕方頃に処理を終えたので、96時間後は火曜日の夕方になる。結局、その後ペイント依頼したので、ガソリンを注ぐまで1ヶ月以上の期間があり、完全乾燥は間違い無い。もちろん、現在ではガソリンを満タンにして走ってますが、溶接部分のペイント膜がブヨブヨになるようなこと無く、イイ感じに仕上がってます。    

 

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