第26回ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー 【国産車:ヤマハXS650大特集】

掲載日:2017年12月15日 トピックス    

取材協力/MOONEYES  文/Ryo Tsuchiyama  写真/バイクブロス・マガジンズ

その美しいエンジンに魅了されるビルダー多数
ヤマハXS650シリーズ特集

12月3日にパシフィコ横浜で開催された第26回ヨコハマ・ホット・ロッド・カスタムショー2017。

原付カスタム編に続く国産車編第2弾はヤマハXS650シリーズにスポットを当ててみたい。

XSシリーズは古くからカスタムベースモデルとして日本はもちろん海外でも人気のモデルだ。歴史としては1970年にヤマハ初の4ストモデルとして初期型のXS-1がデビュー。その後XS650E、アメリカンタイプのXS650スペシャル、TX650など同型エンジン搭載モデルが長年にわたって生産されたこともありタマ数は比較的豊富だったが、近年はベース車両が高騰しつつあるようだ。このXS650シリーズが昔からチョッパーなどのカスタムベースとして人気なのは、空冷並列2気筒エンジンの美しさにあると言っても過言ではないだろう。

ここからはホット・ロッド・カスタムショー2017の会場に展示されていたXSベースのオールドスクールチョッパーや、フラット・トラック&VMXなどダート系のカスタムを全車紹介していこう。

第26回ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー 【国産車:ヤマハXS650大特集】の画像

福島・会津のショップ、RODSTAR製作の美しいXS650。XSの大柄なエンジンを生かしつつ、ワンオフの外装とフレームで低さを演出。すばらしいバランス感覚。

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今年はXSとともにカワサキのW1SAも展示。W1SAについては"第26回ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー【国産車:W1&SR&250TR&GL400特集】編"で詳しく紹介。

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リアフェンダーやシート下の電装ケースなど、外装の多くはアルミ叩き出しで独特の世界観を演出。素晴らしいメタルワークだ。

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超ナローなタンクとハンドル。ガソリンタンク上部には凝った形状のアルミ製タンクバンドをセット。

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思わず見とれてしまうXSのエンジンは隅々までポリッシュされている。フレームのダウンチューブに取り付けられたワンオフのアルミパーツも美しい。

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フロントホイールは21インチで前後ともにH型リムを履く。フロント周りはXS650純正ベースと思われるが、丹念にポリッシュされている。インンナーチューブにはTiNコーティングが施されている。

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ショベル、トラ・TR6チョッパーとXSを持ち込んでいたのはKICK BACK。

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純正ベースで延長したフロントフォークやコフィンタンク、段付きシートが魅力的な70年代的スタイルのチョッパーだ。

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CANDY Motorcycle Laboratory製作のXSチョッパー。純正フレームを生かしつつ、フロントにはスプリンガーをチョイス。あえてリジッドにしないリアエンドもこだわりだろうか。

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エキゾーストは右側にまとめて2本出し。エンジンはケースと腰上をブラックでリペイントし、カバー類は美しくポリッシュされている。左右のステップはケースカバー上端近くまで高い位置にマウント。ステップベース&レバーともに強度にも気を使ったしっかりした作り。

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ペイント技術の高さにも定評があるCANDY。ガソリンタンクのペイントは息を呑む美しさ!

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純正フレームを生かしてコンパクトにまとまったスタイル。この見事な仕上がりでCocker Tire's Pickのアワードを獲得。

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毎回ハッとするようなスタイルのチョッパーを展示するエキセントリックMotorcycle。国産バイクを中心に趣向を凝らしたカスタムを作り続けるショップで今年はXS250を出品。

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1977年にヤマハ初の4スト400cc&250ccとして登場したGXシリーズ。XS250はそのGXと同系列の並列2気筒エンジンを搭載する。XS650や初期SRと同年代の車両なので人気が出ても良さそうなのだが、排気量の割にエンジンの全高が高く(特に腰下がデカい)、ベース車としていまいち不人気の感はある。ただ、この車両のようなフレームワークならそれも気にならない。エンジンの磨き込みもすばらしい!

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個性際立つロボハン。スピード&タコメーターはフレームにマウントされている。メーターケースもメインチューブにフィットしたていねいな作り。過激なスタイルに目が行きがちだが、細部の作り込みには相当こだわっている。

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超個性的なリアエンド。サイレンサーは左右独立で空を仰ぎ、テールランプはケンメリ風(デコトラ用?)を縦に2連装。一度見たら忘れられない後ろ姿だ。

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シンプルなスタイルで見事Gave Griffin's Pickのアワードを受賞したのは、札幌に拠点を置く296 Japan Handmade StudioのXS650。

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フロントはブレーキレス。磨き込まれたナローなスプールハブも美しい。フロントフォークにはビンテージのCERIANIをチョイス。

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トップヨークも含めてフロント周りはCERIANIで、ハンドルバーはFLANDERSのビンテージ。作り手のこだわりが見える。

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フロントホイールは21インチをチョイス。リジッドフレームならではの流れるようなシルエットが魅力的な1台。

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ここからはチョッパー以外のスタイルを紹介していこう。写真は国産車メインで個性的なカフェレーサーを数多く製作するAN-BUのXS650カフェ。

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ロケットカウルのカフェスタイルが定番の同店だが今回はカウルレスのスタイルを提案。ガソリンタンクはBMWのK75/100系と思われる。

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セパハン化されたコックピットはシンプル。タコメーターは四輪系の人にはおなじみ、ULTRA(永井電子)のステップモータータイプをチョイスする。

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個人出品のTX650改VMX(ビンテージモトクロス)仕様。TX650はXS650Eの後継モデルで1973年に発売された。重い車体だが、オーナーはコース走行も楽しんでいるようだ。

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AKRONTのH型リムで21インチ化されたフロントホイール。このサイズのAKRONTはいまや貴重品だ。

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良い雰囲気のシートとリアフェンダー。表面に無数のシボがある樹脂フェンダーは当時物だろうか?

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凹んだガソリンタンクがリアル。デカールにある「SHELL RACING SPECIALITIES」は、70年代にフラットトラック向けのXS650用スペシャルフレームや外装キットを販売していたアメリカの有名ショップだ。こんなデカールからもオーナーのマニアぶりが伝わってくる。

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千里浜で開催されるCHIRIHAMA SAND FLATSが似合いそうなダートスタイルのXSを持ち込んだのは山形のROCKET HOUSE。クリアランスを大きく取ったリアフェンダー周りのシルエットが面白い。

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フェンダーはビンテージ感あふれるリブ付きで、白いシートはGiuliari製のビンテージのようだ。マニアックなチョイス。

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WHIZZ SPEED製作のXS650は、前後タイヤにトライアルユニバーサルをチョイスしたスクランブラースタイルだ。

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ガソリンタンクは同じヤマハのDT-1F用だろうか? フレーク粗めのキャンディペイントが70年代の雰囲気満点。また、フレームのダウンチューブに巻きつくようにセットされているオイルクーラーの造形にも注目。

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リーディングアクスルのフロントフォークはホンダXL500用。径の小さな片ハブのフロントブレーキドラムは70年代後半のモトクロッサー、ホンダCR250 ELSINOREから流用していると思われる。このセットアップでフロントホイール径は21インチに変更されている。

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王道のフラットトラックスタイル。このXSを展示していたのは長年に渡ってビンテージダートスタイルにこだわるM&M's Motorcycleだ。

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本場のフラットトラックレーサーにならってホイールは前後ともに19インチ。H型リムはRK EXEL製で、リアはスポークをワンオフしたという。リアショックにはビンテージのCERIANIをチョイスしている。

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左右どちらから眺めても絵になるXS650のエンジン。これもXSがベース車として人気が高い大きな理由だろう。70年代には多くのXSレーサーが作られただけあって、フラットトラックスタイルも良く似合う。

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タンク上部からエンジンにかけてスラントしたガソリンタンクはもちろんワンオフ品。

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M&M'sらしい均整の取れたスタイリング。ハイトのあるビンテージパターンのタイヤはDURO製で、サイズは前後ともに4.00-19をチョイスする。ここまでさまざまなカスタムをご紹介してきたが、チョッパー、スクランブラー、フラットトラックとどんなスタイルにも見事に化けるXSはやはり魅力的なバイクだと言えるだろう。





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