23rd Annual YOKOHAMAホットロッドカスタムショー 2014 (2014/12/07) Part.03

掲載日:2014年12月17日 トピックス    

文・写真/Ryo Tsuchiyama
取材協力/MOONEYES、BMW Motorrad Japan

聞き慣れないターボサウンドと共にライドインするKiyo’s GarageのCB。リアをホイールスピンさせるパフォーマンスも!

未来への“希望”を行動で示した
カスタムファンすべての想い

Be Calm Not Loud
“SHIZUKANI”

昨年のショーが終わって間もない頃、この世界的なショーを主催するムーンアイズが掲げたスローガンだ。自分たちの居場所を自分たちでなくしてはならない──そんな思いが込められた言葉。これまで会場に愛車で乗り付けて来たフリークたちにとっては、重くのしかかる言葉だったかもしれない。筆者含め、少なからず自責の念を抱いたという人も多いだろう。

そもそも開催すら危ういという危機的な状況は、バイクでの来場禁止という形によってなんとか開催が許された。主催者側としても苦渋の決断だったはずだ。だが、これまで日本のカスタムシーンを育て、そして世界に発信しつづけてきたショーがなくなることの方が大問題だろう。

ヨコハマの地で長らく息づいてきたカスタムショーは、今年もその灯を絶やすことなく開催された。いざショーが始まれば、会場の混雑ぶりは例年同様で、多くのフリークたちがあのスローガンを守って会場へやってきたのだと確信できた。これなら来年への望みもつながるんじゃないだろうか。

さて、二輪ブースは、ハーレーはもちろん、国産車やトライアンフ、さらには話題のBMWまでやってくるというバラエティに富む内容で、例年以上に見応えのあるショーだったかもしれない。

ここでは先行して紹介した「part.01」「part.02」とは別の角度からシューティングした当日の模様を一挙に紹介していこう。

フォトTOPICS(写真点数/71枚)

開場を前に、ライドインの準備が始まる会場裏。美しい佇まいを見せるのは、L.A Sunrise Cyclesの’36ナックル。

2013年のBorn Free Showでアワードを獲得したKiyo’s Garage製作の“Cherry Blossom”。ヤバい香りがプンプン!

マニア垂涎のCB750K0にターボを組んだ怪物は、El Mirageなどのスピードチャレンジにも出場するリアルレーサー。

点火系はARD、キャブはS&S。エンジン下部のストレスメンバーは徹底的にドリルド。ステップには銘品TAROZZIをセット。

フロントはCERIANIで、トップヨークにはSMITHSのタコをセット。隣に鎮座するのはターボ車の必須装備、ブースト計だ。

ゲストとして凱旋帰国を果たしたKiyo’s Garageの清永氏。こうやって見ると、マシンはかなりコンパクトだと分かる。

漆黒のハイテック・ショベルで来日したのはCut Rate主宰のOliver Jones。フルチューンエンジンのサウンドは最高。

2014年のBorn Free Showにも招待されたDuane BallardはカワサキのKZ1000ベースのディガーで来日した。

古いチョッパー雑誌から飛び出して来たような、圧巻のサイドバルブトライクはHIPPY KILLER GARAGEから。オーナーは女性!

いよいよライドインがスタート。開場が30分早まったにも関わらず、すでに通路脇には大勢のフリークが集まる。

Sunrise Cyclesのナックルも注目が高かった一台。日本人ビルダーの凱旋帰国とあって、会場の盛り上がりも最高潮に。

既に満員の会場へ悠々とライドイン! 女性オーナーだけあって注目度は抜群。ミッキー・トンプソンのスリックもイカつい!

ここからは会場の風景を。アルミ叩き出し外装が目を引くTOOL BOXのショベル。キャブはDell’Ortoの2連装!

Orange Speed Shopのナックルはフレームから外装まで丁寧に作り込まれた一台。メタルワークのクオリティには圧巻だ。

Asteriskが今年持ち込んだナックルは米H-D社からアワードを贈呈された。写真左が、H-D社からやってきたマネージャー。

シンプルなスタイルながら、美しいペイントで存在感を放っていたG CLASSICのショベル。シリンダー部も素晴らしい発色だった。

直線基調のタンクや独創的なフレームリアエンド、フレーク塗装で目立っていたショベルは、さとうマリンサイクルから。

2014年に30周年を迎えた老舗のHOT-DOCKが持ち込んだGUZZLER 2。ドラッグレースのノウハウが凝縮された一台。

見るからに激ヤバなアイアンを持ち込んでいたのは、機能美溢れるマシンを生み出し続ける千葉・八街のSURE SHOT。

吸気はなんとダウンドラフトで、タンクの右半分に埋め込まれるような形でセット。このハイライトを魅せる演出も流石だ。

リアエンドは圧巻の片持ちスイングアーム! リアアクスルはエキセントリックだ。リアサスとオイルタンクの配置にも注目。

ディガーエリアで注目を集めていたJene Choppersのショベルは全長2.5mに迫ろうかという長さ。フレームの造形も見事。

オールドスクールディガーのお手本のようなアイアン。ペイントやメッキのクオリティもハンパなく、ただ者ではないオーラが。

もはやトライクと呼んでよいのか分からないリア4輪のマシンを展示していたのはSOUTH BRONX。リアハブはアルミ削り出しだ。

名古屋のカスタムショーと言えばJOINTS。2015年は4月12日にポートメッセ名古屋で開催されるとのこと。要チェック!

車坂下モーターサイクルのスポーツスターにまたがるのは、なんとアノ加藤鷹氏である! まさかのゲストでブースは大混雑!!

ホットロッドカスタムショーのお目当ては海外ゲスト、そんな人もいるだろう。ここからはゲストエリアの様子をお届け。

超ナローな’48パンとともに来日したのはオーラバリバリのTOM FUGLE。気さくに写真撮影に応じていたのが印象的だった。

鮮やかなパープルが美しいコンパクトな’46ナックルとビルダーのBrent Rogers。海外ゲストはみなフレンドリーである。

ゲストエリアには各ビルダーのブースがあり、当日だけの限定品なども販売されている。サインを求めるフリークも多い。

カワサキKZ1000にまたがるDuane Ballard。レザー職人として腕を奮う彼は、ホンダCBやカワサキZのディガーが好き、と話す。

“KOSMOSAKI”と名付けられたZ。エンジンはハイコンプピストンをはじめ、APEのハイカムなどドラッグ系パーツでチューンド。

キャブはケイヒンCRをチョイス。マシン製作にあたってはエンジンをフルリビルドしたそうで、かなり馬力は出ているとか。

フレームとタンクの直線的なラインを見ると、計算されたフォルムであることが分かる。それにしても長い!!

このマシンでスピードチャレンジに挑み続ける清永氏。足周りやエンジンなど、まだまだやるべきことは多い、そう話してくれた。

エンジン内部はストック。ターボキットはドラッグレース界の英雄、故Russ Collinsが立ち上げたRC Engineering製だ。

ローライダーからJDM、トラッキンと今年は四輪ブースも非常に盛り上がっていた印象を受けた。台数もかなり多かった。

見落としがちな模型ブース。出品者の“プラモ狂四郎”は二輪スケールモデルの常連。エンジンやホイールの質感は本物さながらだ。

ベンダーブースで見つけた極小ハーレーエンジンのジュエリーは、昨年模型ブースでも出品していた7Th Heavenの作品。

水性ポマードを販売していたブースでは、ポマードを用いたリーゼントスタイルの実演? も。水性だと洗い流しやすいという。

M&M’s motorcycleのブースでは古着やオリジナルアパレルも販売。フラットトラック仕様のRD250目当てに訪れる人も。

会場をくまなく探せばこんなモノもある。手に入りづらい海外誌や古いポスターなどを販売するブースも多い。中には掘り出し物も。

ここからはH-D以外の車両を。人気のXSはシンプルなスタイルほどエンジンの存在感が際立つというもの。製作はBAD WORKS。

鉄馬輪業のSRはチョッパーとVMX。VMX仕様のSRはXT500風の弁当箱(サイレンサー)をセット。マニアックなカスタムだ。

ショーにキャンギャルはつきもの。とはいえ、今年は少なかった? と思ったのは筆者だけだろうか。SAMURAIブースにて。

SAMURAI製作のDS400。ヤマハが拘り続ける空冷エンジンは美しい。ベース車としての人気は相変わらずのようだ。

250cc並みのコンパクトさを見せるYOUZ AUTO MCのXS。シングルキャブ化されているが、キャブはなんとS&S!

DELUXEブースでは70sテイストのトライアンフチョッパーが鎮座。ハードテイルでもストックフレームでも味がある。

現行トラも負けてはいない。クルーザーモデル“アメリカ”をベースにしたストリートドラッガーはトライアンフ横浜北の製作。

白いフレームが印象的な別体トラ・チョッパーは茨城・古河のNASAKI CUSTOM CYCLESから。エキゾーストは左右2本出し。

CYCLOPS MOTORCYCLEは製作途中のBSAを展示。エンジンはA10だろうか? 美しいエンジンを生かすフィニッシュに期待!

W1スペシャルのチョッパーと並ぶのはなんとMATCHLESS!エンジンは650ccのG12系? まだまだ進化しそうな雰囲気。

NAPS幸浦はカワサキ2スト・トリプルを展示していた。上は70sテイストの750SS、下は現代的な解釈でカスタムしたKH500。

少数派のニュースクール系カスタムだが、徹底的に作り込んだ車両はやはりクール。マシンはCBR1000RRだがリアは片持ち!

千葉・匝瑳のOLD FUNはアルミ叩き出し外装のTRITONを持ち込む。タンク&シートはあえて凹凸をつけた造形にしたとか。

フロントフォークはCERIANIでタコメーターはSMITHS製。クラシックレーサーのセオリーとも言える組み合わせである。

こちらもOLD FUN製作のショベル。TRITON同様にグリメカ(?)の2リーディングドラムを奢る。かなりのスポーツ志向と言える。

PARADISE ROADは、トラチョッパーとピックアップをディスプレイ。こんなライフスタイルが憧れというフリークも多いはず。

ベストユーロを獲得したのは御馴染み、広島の平和MC。今回はトラTR6をベースに平和MCならではの世界観を盛り込んだ。

エンジンをわずかに前傾させ、左エキゾーストはキャブを避けて右サイドへ。プライマリーカバーの造形は息を呑む美しさ。

ほとんどの車両がナンバー付きの生きたバイク、というトラ集団はTriumph Riotのメンバーたち。今回はブラックカラーで統一。

今年の大きな目玉はBMWモトラッドのブースだろう。R nine Tカスタムプロジェクトで製作された4台のR nine Tが会場に集結!

日本はもちろん、世界のカスタムフリークの度肝を抜いたプロジェクト。ヨコハマはまさにピッタリのお披露目の場だろう。

46Worksの中嶋氏、BMWモトラッドのオラ氏、Brat Styleの高嶺氏、Cherry’s Companyの黒須氏、HIDEMOの富樫氏が一堂に!

R nine Tプロジェクトの仕掛人であるオラ氏と握手する高嶺氏。新天地アメリカでの活躍にも大きな期待がかる。

Cherry’sのTシャツを手に嬉しそうなオラ氏。数ヶ月にも渡る壮大なプロジェクトを通じて、彼らは固い絆で結ばれたようだ。

Cherry’s Companyではプロジェクトを記念して限定のTシャツを販売。ポップに描かれた’HIGHWAY FIGHTER’がクール。

今回黒須氏が手がけたマシンは、ベストオブショーを獲得。なんと前人未到の3連覇である。圧巻の作り込みには言葉も出ない。

アワード発表のメインステージではMOONEYESのBOSS、菅氏がハーレー本社から長年の功労を表彰されるサプライズ!

閉会後、会場を後にするホットロッドたち。撤収後の時間はこういうシーンが見れたりするから面白い。ついつい長居してしまう。

バイクでの来場禁止と、不安要素もあった今年だが、フタを開けてみれば盛況ぶりは相変わらず。早くも来年が気になるところ。





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