掲載日:2014年04月02日 エクストリーム › モトクロス
まとめ/ダートライド編集部
唯一の国外ラウンドを終えての13戦目。前戦はポイントリーダーのライアン・ビロポート(カワサキ)が体調を崩した中、ジェイムズ・スチュワート(スズキ)が貫禄の勝利を上げた。本戦から、再びアメリカに戻り、激戦が期待された。
そのメインレース(20周)、スターティンググリッドには久しぶりにトレイ・カナード(ホンダ)が帰ってきて、彼の復帰早々の活躍も楽しみのところ。この日、レースはその期待通り、熱いものになった。まず、ホールショットを取ったのはマイク・アレッシ(スズキ)だが、直後に着けていたR・ビロポートがすぐにトップに立ち、続けてトロントで2位表彰台に登ったジャスティン・バーシア(ホンダ)も一気に3位に。
スタートからポジションが大きく変わった本ラウンドだが、今度はJ・スチュワートがJ・バーシアをパス。混戦の中、M・アレッシの初速が上がらないところで、J・スチュワート、J・バーシアが立て続けにパスし、2位、3位に上がる。ジャスティン・ブレイトン(ヤマハ)も久々にスタートが良く、4周目にはM・アレッシの前に出る。その直後では、同じKTMチーム同士のケン・ロクスン、ライアン・ダンジーのバトルが激化し、セクションごとにポジションを変える白熱ぶり。同チーム内でクラッシュしないか、とヒヤヒヤする展開はこの後まで続きながら、M・アレッシをパスする走りを披露。
5周目には、R・ビロポート、J・スチュワート、J・バーシア、J・ブレイトン、K・ロクスン、R・ダンジーと落ち着くが、6周目に入った時点でR・ビロポートとJ・スチュワートが別次元の走りを見せ、後続を早くもかなり引き離す。8周目に入るとトップ集団のオーダーは変わらないながら、J・スチュワートがR・ビロポートに猛接近。しかし、9周目にJ・スチュワートが小さなミスをしただけでその差は開く。ところが、この日ここからのJ・スチュワートが凄い。特に着地後の加速が桁違いで、11周目にとうとうR・ビロポートを僅差でパス。R・ビロポートが一瞬、バランスを崩しかけるほど際どいパスだったが、接触していない、というのがJ・スチュワートのこの日の神がかった走りを表している。
その後、J・スチュワートがミスのない快走を見せ、R・ビロポートも2秒弱のラップで追走するが、周回遅れが出てもこの日のJ・スチュワートは完璧な走りを見せる。残り3周としたところで、12番目までラップする激走を見せ、ジリジリとR・ビロポートに迫られるも最終的に3秒近い差をつけ、前戦に続く優勝を勝ち取った。後続では、なんとかK・ロクスンを抜きたいR・ダンジーがファイナルラップでクラッシュ。単独でのクラッシュだったが、そこに運悪くJ・ブレイトンが突っ込んでしまい、2人のリザルトは9位、10位と後退。T・カナードがこれに助けられ、復帰1戦目を5位でフィニッシュした。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 7 | J・スチュワート | Suzuki, Yoshimura | Suzuki | 47.496 | |
2 | 1 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | 47.718 | |
3 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | 48.274 | |
4 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | 48.615 | |
5 | 41 | T・カナード | Team Honda Muscle Milk | Honda | 48.862 | |
6 | 3 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | 48.996 | |
7 | 75 | J・ヒル | RCH/Soaring Eagle/Suzuki | Suzuki | 49.310 | |
8 | 29 | A・ショート | BTO Sports - KTM | KTM | 49.282 | |
9 | 5 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | 48.432 | |
10 | 10 | J・ブレイトン | Toyota/Yamaha/Nfab/JGRMXteam | Yamaha | 48.686 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 1 | R・ビロポート | Kawasaki | 268 | |
2 | 5 | R・ダンジー | KTM | 233 | |
3 | 7 | J・スチュワート | Suzuki | 232 | |
4 | 94 | K・ロクスン | KTM | 215 | |
5 | 10 | J・ブレイトン | Yamaha | 196 | |
6 | 51 | J・バーシア | Honda | 176 | |
7 | 29 | A・ショート | KTM | 166 | |
8 | 20 | B・ティックル | Suzuki | 126 | |
9 | 23 | W・ハーン | Honda | 122 | |
10 | 22 | C・リード | Kawasaki | 111 |
250cc イーストは、ルーキーデビューで活躍を見せていたアダム・シアンサルーロ(カワサキ)が、前戦トロントの怪我が思わしくなく手術を受けるという事で、チャンピオン争いから脱落。残りのラウンド数を考えると、代ってトップに踊り出たマーティン・ダバロス(カワサキ)とジャスティン・ボーグル(ホンダ)の一騎打ちの様相を呈していた。
両者ともヒートレースから好調さは変わらず、メインレース(15周)では隣り合ったグリッドからスタート。ホールショットをM・ダバロスが取り、J・ボーグルはやや出遅れるが4位のポジション。スタートで上手く出たアレックス・マーティン(ヤマハ)がしばらく2位のポジションをキープするが、3周目にJ・ボーグルがパス。クリアラップで少し差が開き始めたM・ダバロスを追撃したいところ。
しかし、しばらく両者の接近はなく、残り7周としたところでようやくJ・ボーグルがM・ダバロスの背後に。後方ではブレイク・バゲット(カワサキ)が3位に浮上しているが、時遅し。トップ争いの上位2名が、圧倒的な差をつけて前を行く。ところが、周を重ねてもJ・ボーグルがいまいち差を詰め切れず、逆に5周目にはミスをして差が開く。今年のセントルイスは、フープスの直後にリズム・セクションが入る絶妙なレイアウトで、この難セクションでミスが出たかたちだ。
周遅れも出始めるが、この日のM・ダバロスは冷静。後続の存在を無視するかのように、落ち着いてラップを重ね、J・ボーグルに付け入る隙を与えない。最終ラップでようやくラインがクリアになり、両者の間隔が1秒以内の差に縮まるが、最後の左ターンで、やはりJ・ボーグルがミス。追う側の焦りが出たかたちで、M・ダバロスがポイントリーダーを死守した。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 31 | M・ダバロス | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 48.833 | |
2 | 32 | J・ボーグル | GEICO Honda | Honda | 49.154 | |
3 | 4 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 49.531 | |
4 | 30 | K・カニンハム | Smartop MotoConcepts Racing | Honda | 50.151 | |
5 | 57 | A J・カタンザーロ | The Factory Metal Works | Honda | 50.369 | |
6 | 52 | C・トンプソン | Rockstar Energy/KTM | KTM | 50.206 | |
7 | 96 | M・ビシェリア | GEICO Honda | Honda | 50.112 | |
8 | 56 | J・デコティス | Riverside Harley Davidson | Honda | 50.629 | |
9 | 55 | A・マーティン | - | Yamaha | 49.821 | |
10 | 533 | G・オーデット | - | Kawasaki | 51.936 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 31 | M・ダバロス | Kawasaki | 149 | |
2 | 32 | J・ボーグル | Honda | 141 | |
3 | 46 | A・シアンサルーロ | Kawasaki | 120 | |
4 | 4 | B・バゲット | Kawasaki | 120 | |
5 | 42 | V・フリージー | Honda | 100 | |
6 | 30 | K・カニンハム | Honda | 94 | |
7 | 52 | C・トンプソン | KTM | 89 | |
8 | 56 | J・デコティス | Honda | 78 | |
9 | 78 | M・ラモイン | Kawasaki | 74 | |
10 | 55 | A・マーティン | Yamaha | 72 |