掲載日:2014年03月05日 エクストリーム › モトクロス
まとめ/ダートライド編集部
第9戦目を迎えるAMAスーパークロス。舞台はインディアナポリスへと移り、本ラウンドは見どころが多かったが、また転倒者も多かった波乱の展開となった。
まず、シーズンの中盤となり各チームに欠場ライダーが出始め、そこに250ccウエストラウンドのライダーを充てがう動きが見られた。チャド・リード(カワサキ)の代わりにディーン・ウィルソン、ジャスティン・バーシアとトレイ・カナードの2人が欠場のホンダファクトリーには、コール・シーリーが抜擢。元々、レース感を失わない目的もあって、250ccウエストのライダーがイーストラウンドで450ccクラスに出走することはあったが、それに似通ったかたちだ。
そういった見どころが増えたメインレース(20周)、スタートから1コーナーまでが短い独特のレイアウトということもあり、1コーナー手前でいきなりポイント争いトップのライアン・ビロポート(カワサキ)とケン・ロクスン(KTM)が接触転倒。さらに1コーナー先のジャンプセクションでジェイムズ・スチュワート(スズキ)、ウィルソン、ジョシュ・ヒル(スズキ)の3者が転倒してしまう。その結果、1周目のオーダーは、ホールショットを獲ったマイク・アレッシ(スズキ)、ライアン・ダンジー(KTM)、イーライ・トマック(ホンダ)、ジャスティン・ブレイトン(ヤマハ)らが続く。
しばらくは、M・アレッシの快走が続くが、しかしこの日のインディアナポリスはコース設計がハードで、軟質土でワダチも多くできたことから、難易度がラップを重ねる毎に上がる。4周目でM・アレッシが小さなミスをしただけで後続のR・ダンジーとの差が一気に詰まり、5周目にはR・ダンジーがクリーンパス。直後に着けていたE・トマックとM・アレッシのバトルがここから始まる。ところが、怪我からの復帰でまだレース感が完全でないのか、E・トマックがM・アレッシをなかなかパスできず、10周目には逆に差をかなり空けられてしまう。後続には、250ccからのスイッチ組みのC・シーリーが上がってきているが、タイム差はそれほど脅威の距離でもない。
しかし、ここまで健闘していたM・アレッシが残り7周としたところで転倒。大きく順位を落としてしまう。同時に、リズムセクションを抜けたところで、K・ロクスンも転倒&リタイアしてしまい、ランキング争いに大きな影響を出してしまう。結果的に、R・ダンジーが、この難しいコースを安定したライディングで完全にコントロールし、貫禄の今シーズン初の優勝。かなり離れるかたちで、E・トマック、C・シーリー、転倒&最後尾から追い上げたR・ビロポートが続いた。これにより、R・ダンジーがポイントランキングで2位に上昇。さらにシリーズは白熱しそうだ。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 5 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | 54.078 | |
2 | 3 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | 54.687 | |
3 | 21 | C・シーリー | Team Honda Muscle Milk | Honda | 54.647 | |
4 | 1 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | 55.270 | |
5 | 20 | B・ティックル | RCH/Soaring Eagle/Suzuki | Suzuki | 55.715 | |
6 | 29 | A・ショート | BTO Sports | KTM | 55.635 | |
7 | 7 | J・スチュワート | Suzuki, Yoshimura | Suzuki | 55.432 | |
8 | 10 | J・ブレイトン | Toyota/Yamaha/Nfab/JGRMXteam | Yamaha | 55.687 | |
9 | 75 | J・ヒル | RCH/Soaring Eagle/Suzuki | Suzuki | 55.672 | |
10 | 15 | D・ウィルソン | Discount Tire Racing | Kawasaki | 56.171 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 1 | R・ビロポート | Kawasaki | 184 | |
2 | 5 | R・ダンジー | KTM | 161 | |
3 | 94 | K・ロクスン | KTM | 158 | |
4 | 7 | J・スチュワート | Suzuki | 154 | |
5 | 10 | J・ブレイトン | Yamaha | 143 | |
6 | 22 | C・リード | Kawasaki | 111 | |
7 | 51 | J・バーシア | Honda | 109 | |
8 | 29 | A・ショート | KTM | 109 | |
9 | 23 | W・ハーン | Honda | 93 | |
10 | 20 | B・ティックル | Suzuki | 93 |
イーストにラウンドを移して3戦目となる、インディアナポリスの250ccクラス。コースレイアウトの難易度からか、あまりトップスピードが伸びないため450ccと予選タイムが変わらない、という状態になり、このクラスも熱戦が期待された。
メインレース(15周)、250ccクラスはクリーンなスタートとなり、ホールショットをビンス・フリージー(ホンダ)が僅差で獲る。しかし、今シーズン乗れているマーティン・ダバロス(カワサキ)が直後に着け、1周目終了時点では早くもトップに踊り出る。さらに、同僚のアダム・シアンサルーロ(カワサキ)も2位に上がり、またもやプロサーキット勢の攻撃が始まる。続く3位のポジションには、この日好調のマット・ビシェリア(ホンダ)となり、さらに後ろにジェイムス・デコティス(ホンダ)、V・フリージーと、レッドマシン(ホンダ)が団子状態に。
トップをカワサキの2名が快走するが、7周目にM・ダバロスがジャンプの着地でリアを路面の特質が違うところに落としてしまい、転倒。A・シアンサルーロがトップに出るが、直後の8周目あたまに、左コーナーで転倒。復帰が早かったためポジションは変わらなかったが、M・ビシェリアの接近を一瞬許す。その後は、順位の変動は出ないが、残りを7周としたところで、レースを諦めていないM・ダバロスがM・ビシェリアにチャージ。続く周でクリーンパスし、2位にアップ。残り5周では、同じチームのジャスティン・ボーグル(ホンダ)とビシェリアのバトルが始まり、翌周にパス。ラストラップに、トップのA・シアンサルーロに危ういミスがあったが、順位を守りきり、今期2回目の優勝を獲得。M・ダバロス、J・ボーグル、M・ビシェリアと続いた。
今回のインディアナポリス、250ccクラスで際立ったのが、A・シアンサルーロの下半身の強さと体幹のバランス。コーナリングスピードや、軟質土で荒れ気味だったコースを力強く走る姿が印象的で、開幕前はスーパークロスにはまだ適応しきれないのでは、という声もあったが、杞憂であったようだ。次戦はどうなるだろうか。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 46 | A・シアンサルーロ | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 53.846 | |
2 | 31 | M・ダバロス | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 53.430 | |
3 | 32 | J・ボーグル | GEICO Honda | Honda | 54.427 | |
4 | 96 | M・ビシェリア | GEICO Honda | Honda | 54.442 | |
5 | 4 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 55.096 | |
6 | 42 | V・フリージー | The Factory Metal Works | Honda | 55.761 | |
7 | 56 | J・デコティス | Riverside Harley Davidson/Dedicated Ride co | Honda | 55.233 | |
8 | 78 | M・ラモイン | JAB Motorpsorts | Kawasaki | 55.616 | |
9 | 52 | C・トンプソン | Rockstar Energy/KTM | KTM | 55.785 | |
10 | 30 | K・カニンハム | Smartop MotoConcepts RAcing | Honda | 56.572 |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | メーカー | ポイント | |
1 | 46 | A・シアンサルーロ | Kawasaki | 72 | |
2 | 31 | M・ダバロス | Kawasaki | 67 | |
3 | 32 | J・ボーグル | Honda | 56 | |
4 | 4 | B・バゲット | Kawasaki | 54 | |
5 | 42 | V・フリージー | Honda | 48 | |
6 | 52 | C・トンプソン | KTM | 40 | |
7 | 56 | J・デコティス | Honda | 34 | |
8 | 36 | B・ウォートン | Honda | 33 | |
9 | 30 | K・カニンハム | Honda | 33 | |
10 | 62 | M・オールデンバーグ | Honda | 30 |