
掲載日:2013年06月27日 エクストリーム › モトクロス
文・まとめ/宮本 将平
ライアン・ビロポート(カワサキ)の強さが際立ってきているシーズン序盤だったが、ライアン・ダンジー(KTM)の粘り強さも見逃してはいけないのが今シーズンの450クラス。スーパークロスシーズン同様に彼ら中心のレースが進んでいるがやはり、ジャスティン・バーシア(ホンダ)、マイク・アレッシ(スズキ)らアウトドアを得意とするラーダーたちも優勝を狙える位置にいるが、優勝するまでには至っていない。そして今回のラウンド5、バッズクリークは、中2週のインターバルからのラウンドとなったが、今回もプラクティスからビロポート、ダンジーのスピードは別次元のものだった。
モト1(30分+2周)、ホールショットはスタートにめっぽう強いアレッシが奪うが、背後にはダンジー、ビロポートが着ける。ビロポートは続く左コーナーのウェーブセクションで一気に2台をパスし、すぐにトップに立つ。ビロポートにパスされたものの、なんとかを2位を死守したいアレッシだったが、2ラップ目にはダンジーが同じセクションでアレッシをパスし2位へとポジションアップ。しかし、この時点でダンジーとトップのビロポートは約3秒の差が出来ていた。一方、単独4位争いはライアン・サイプス(スズキ)、そして5位争いはジェイムズ・スチュワート(スズキ)とバーシアの間で展開されていた。一度は前に出たスチュワートだったが、その後のクラッシュで姿を消してしまう。レース中盤、トップを快走するビロポートに後からダンジーが1.5秒差で迫り、トップ争いが展開され始めたが、ここでダンジーが痛恨のクラッシュ。ダンジーは2位のままレースには復帰したもののトップとの差は決定的なもので、結局ビロポートが独走で今シーズン8勝目をマークした。
モト2、またもやアレッシがホールショットからトップに立つが、今度はダンジーがトップを奪う。彼らの後からはジャスティン・ブレイトン(ヤマハ)、アンドリュー・ショート(KTM)らが迫っていたが、そのさらに後方からビロポートがスチュワートとバトルを繰り広げながら猛烈な勢いで追い上げていた。ビロポートとスチュワートはその後もハイペースでのレースを続け、レース中盤にはそれぞれ2位、3位までポジションをアップさせていた。しかし、またしてもスチュワートがクラッシュし、大きくポジションを落とす事となってしまう。しかし、彼の代わりの3位に上がったのはなんと、実弟のマルコム・スチュワート(ホンダ)。マルコムは今シーズンから450クラスにエントリーを開始したばかりのライダーだ。結局、トップのダンジーは序盤に築いた大量リードを上手く利用し、逃げ切りのレースで今シーズン2勝目をマークしたのと同時に、タイブレイクでオーバーオールウィンも獲得した。
ファーストラウンドからビロポートとダンジーの一騎打ちが続いている450クラスだが、今回はダンジーが2-1で勝利した。しかし、ビロポートもしっかりと1-2でフィニッシュしたため、ポイント差の増減は一切ないという結果に。ポイントスタンディングでも3位以下との差が徐々に開きつつある。これから中盤戦へと突入する2013シーズンは、今後もトップ2の戦いとなってしまうのだろうか。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 2-1 | 1 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | |
2 | 1-2 | 2 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
3 | 6-4 | 41 | T・カナード | Musklemilk HONDA | Honda | |
4 | 9-3 | 32 | M・スチュワート | Troy Lee Designs Honda | Honda | |
5 | 4-8 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
6 | 7-7 | 10 | J・ブレイトン | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha | |
7 | 10-5 | 20 | B・ティックル | RCH Suzuki | Suzuki | |
8 | 8-10 | 12 | J・ワイマー | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
9 | 15-6 | 49 | P・ニコレッティ | N-Fab Yamaha | Yamaha | |
10 | 12-9 | 29 | A・ショート | BTO Sports KTM | KTM |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 2 | R・ビロポート | 240 | Kawasaki | |
2 | 1 | R・ダンジー | 224 | KTM | |
3 | 51 | J・バーシア | 153 | Honda | |
4 | 41 | T・カナード | 136 | Honda | |
5 | 800 | M・アレッシ | 136 | Suzuki | |
6 | 7 | J・スチュワート | 122 | Suzuki | |
7 | 28 | T・ラトレイ | 95 | Kawasaki | |
8 | 35 | R・サイプス | 95 | Suzuki | |
9 | 20 | B・ティックル | 94 | Suzuki | |
10 | 12 | J・ワイマー | 93 | Kawasaki |
中2週のインターバルが明けてシーズンが再開した2013シリーズ。ラウンド4、ハイポイントではマービン・ムスキャン(KTM)が自身初のモト優勝を果たしたのと同時に、オーバーオールウィンも飾った。しかし、ポイントランキングでトップを争う、ケン・ロクスン(KTM)、イーライ・トマック(ホンダ)の2人もしっかりと上位でフィニッシュしたため、ランキングでの大きな動きはなかった。今回のラウンド5、バッズクリークではスーパークロスのファイナルラウンド、ラスベガスで250イーストクラスのタイトルを獲得しながらも、ケガのためアウトドアシリーズ未参戦だったウィル・ハーン(ホンダ)、そしてスーパールーキー、アダム・シアンサルーロ(カワサキ)の出場が決まっていたため、ただでさえ大混戦の250クラスがさらに激化することが予想された。
モト1、ホールショットはケガから復帰したばかりのハーン。その後にはルーキーのシアンサルーロが続くが、その二人を好調のムスキャンが立て続けにパスし、すぐにトップを奪う。さらにシアンサルーロは、彼の背後にいた同じくルーキーのジョイ・サバージー(KTM)にもパスされ、徐々にポジションを落としつつあった。一方、ランキングトップを争っているロクスン、トマック、ブレイク・バゲット(カワサキ)は共にスタートで前に出る事が出来ず、10位前後からのレースとなっていたが、やはり彼らのペースは速く、中盤にはロクスンの3位を筆頭に、バゲット、トマックも一桁までポジションをアップさせていた。レース後半、トップのムスキャンは相変わらずのハイペースでレースをリードしていたが、彼の後ろからは徐々にロクスン、バゲットの二人が迫っていた。さらにバゲットは残り4ラップの時点で前を走るロクスン、ムスキャンをパスし、トップに立つと、そのままリードを広げ、今シーズン初のモト優勝を果たした。そして最後の最後まで続いた2位争いはムスキャンが僅差で逃げ切った。
モト2、ホールショットはまたしてもハーン。その背後にダリアン・デュラム(カワサキ)が着けるが、デュラムが一瞬の隙をついてトップに立つ。さらにハーンの後からはモト1で勝利したバゲットがピタリと着け、1ラップ目が終わる頃には早くもバゲットがハーンから2位のポジションを奪っていた。一方ロクスン、トマックの二人は、このレースもスタートに失敗し、中断からの展開となったが、このレースでのトマックのペースは驚異的で、レースが中盤を迎える頃にはすでに4位までポジションをアップさせていた。残り10分、デュラムは安定したライディングでトップを快走していたため、バゲットはなかなか彼をパスできすに苦しんでいたが、トップ争いの彼らよりハイペースを保っていたトマックがついにトップ争いに加わってくる。その後、バゲットをあっさりとパスしたトマックはデュラムも難なくパスしトップへ。その後、バゲットもデュラムをパスし、トマックとのバトルが期待されたが、やはりこのレースのトマックは強く、そのままのハイペースを保ち、トップでチェッカーを受けた。2位にはバゲット、3位にはデュラムがそれぞれ入った。
今回のラウンド5、バッズクリークではディフェンディングチャンピオンのバゲットが、昨シーズンのような強さを見せ、今シーズン初のオーバーオールウィンを獲得した。彼にとってはターニングポイントとなるラウンドになるかもしれない。そしてポイントランキングトップのロクスンは2位のトマックに9ポイント差まで詰められるというラウンドとなったが、これからの長いシーズンを考えると3-5という結果はそれほど悪いものではないだろう。ルーキーたちも徐々に台頭してきた250クラスは、これからさらに面白い展開になっていきそうだ。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 1-2 | 1 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
2 | 5-1 | 17 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | |
2 | 2-7 | 25 | M・ムスキャン | Red Bull KTM | KTM | |
4 | 3-6 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | |
5 | 6-5 | 19 | W・ハーン | GEICO Honda | Honda | |
6 | 4-11 | 21 | J・アンダーソン | Rockstar Suzuki | Suzuki | |
7 | 13-3 | 44 | D・デュラム | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
8 | 7-9 | 38 | K・カニンガム | StarRacing | Yamaha | |
9 | 17-4 | 338 | Z・オズボーン | GEICO Honda | Honda | |
10 | 10-10 | 317 | J・ヒル | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 94 | K・ロクスン | 220 | KTM | |
2 | 17 | E・トマック | 211 | Honda | |
2 | 25 | M・ムスキャン | 199 | KTM | |
4 | 1 | B・バゲット | 188 | Kawasaki | |
5 | 338 | Z・オズボーン | 149 | Honda | |
6 | 21 | J・アンダーソン | 128 | Suzuki | |
7 | 77 | J・マーティン | 109 | Yamaha | |
8 | 38 | K・カニンガム | 107 | Yamaha | |
9 | 34 | J・ボーグル | 104 | Honda | |
10 | 175 | C・ウェブ | 99 | Yamaha |
WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。
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