掲載日:2010年11月01日 バイク用品インプレッション
冬が近づくとともに注目度が増してくるメンテナンス用品がある。バッテリー充電器だ。一般的に気温が低下するとエンジンオイルは固くなり、特に朝一の始動性は悪化する。セルモーターはクランキングするために大電力を消費し、それにともない点火プラグの火花も弱くなるため悪循環に陥りがちだ。近年のバイクは電装品も多く、気付かぬうちにバッテリーが弱り、ある朝突然始動が困難になるという事態も珍しくない。また、バッテリー内部の電極上に硫酸鉛が結晶化してしまうサルフェーションという現象も大敵だ。バッテリーの寿命はこれによって大きく左右されると言われている。
さて、今回テストしたのは岡田商事が取り扱うテックメイト社のバッテリー充電器「オプティメート4」である。徐々にバージョンアップを果してきたオプティメートの最新版がこの「4」だが、先代の「3」と比べるとかなりの改良が加えられている。充電時の出力は0.6アンペアから0.8アンペアへと向上し、1段だったバッテリーの自動診断機能も5段とより緻密になった。電流を安全な値まで下げ、最大22ボルトで作動するサルフェーション除去機能も強化されているという。また、ボディーは生活防水設計となり屋外で使用する際の安全性もアップ。接続すれば充電からサルフェーションの除去まで全てを自動で行い、バッテリーを常に最適な状態に維持してくれることからオプティメートシリーズは「バッテリーメンテナー」と呼ばれているが、最新版ではその性能がより完璧に近づいていると言えるだろう。
実際の使い心地はどうかというと、さすがに全自動充電器の代名詞とも言える製品だと実感するポイントが多かった。バッテリーの充電というと車体からバッテリーを下ろしている姿を想像するかもしれないが、オプティメート4ならそうした苦労からも解放される。付属の車両ケーブルを車載状態のバッテリーに装着しておけば、充電する場合は本体側から延びたコードをこれに接続するだけ。これでバッテリーの診断から補充電、性能維持のためのフロート充電が全て自動で行われるため、面倒な操作は一切不要である。また、診断によりサルフェーションが認められた場合は、TURBO回復充電を含む2段階の強力なサルフェーション溶解機能により性能の回復を試みることもできる。そのほか、ショートや逆接続時には作動しない安全機能なども搭載し、およそバッテリー充電器に求められるスペックは全て実装されていると言っても過言ではない。さすがにバッテリートラブル時にエンジン始動を可能とするブースター機能までは搭載されていないが、2~50Aのあらゆる種類の車載バッテリーに対応しているので、バイクだけではなく4輪でも使うことができる。評判どおり、完成度の高い充電器であると感じた。
バッテリーに接続するだけで自動的に全てのプロセスを行う。維持充電は0.2アンペアのフロート充電なのでバッテリーに優しい。
充電が必要だと判断した場合は自動的に電流を0.8アンペアまで制御する。その後診断を繰り返しながら0.2アンペアの維持充電に移行する。
あらかじめ車載バッテリーに車両ケーブルを装着しておくのがもっとも基本的な使い方。充電時は本体側ケーブルを接続する。端子分部は防滴仕様。
一般的なワニ口クリップ式の端子も付属するので、さまざまな車両に対応。1台もっておけばほぼ全ての車両で使うことができるだろう。
本体はIP64規格相当の防滴構造となっている。完全防水ではないが、不意の雨などで濡らしてしまっても安心だと言える。
接続するだけで作動するオプティメート4にはスイッチ類が一切ない。そのため本体裏側もこの通り。防塵構造でもあるため非常にタフだ。
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