Pro Tools 卓上パーツ洗浄機

掲載日：2012年09月21日バイク用品インプレッション

撮影・文／山下剛

バイク用品インプレッション

サンデーメカニックを助ける
コンパクトなパーツ洗浄シンク

キャブレターのオーバーホールをはじめとして、油脂類で汚れたパーツや工具の洗浄に効果を発揮してくれるツールが、今回紹介する「卓上パーツ洗浄機」だ。

この洗浄機の特徴は、洗油を循環させるためのポンプを内蔵している点だ。中ぶたのある二重構造となっているため、シンク下部に洗油（灯油や水溶性に対応）を貯めておき、そこからポンプが吸い上げた洗油を使い、シンク上部でパーツを洗浄できる、というわけだ。シンク下部には10リットル以上の洗油を貯めておけるのも頼もしい。

本体のサイズは幅46×奥行34cm、高さ23cmほどで、持ち運びできるコンパクトなサイズだから、メンテナンスできるガレージを持っている人はもちろん、アパートやマンション住まいで青空メンテしているサンデーメカニックにも使いやすい。ただし電源用コードは1.5mほどの長さなので、使用環境にあわせて延長コードを用意したいところだ。

さて、さっそく使ってみる。上ブタにはダンパーを内蔵したヒンジがついており、フタを開いた状態でもしっかりと固定できる。ダンパーはしっかりとしており、作業中にフタが落ちてくることもなかった。さらにこのダンパーは、万が一の発火の際には熱で溶けることでその機能を失い、フタが閉まって消化するという役割も持っている。これについてはテストしていないが、安心感をもたらしてくれる。

本体横にあるスイッチをオンにするとポンプが作動し、シンク下部に貯めていた洗油が循環、蛇口から洗油が流れ出る。蛇口はフレキシブルで、パーツの形や大きさによって自在に曲げられるのが便利だ。しっかりと両手を使ってパーツ洗浄に集中できるのがうれしい。

本体がコンパクトなため、シリンダーヘッドやクランクケースといった大型パーツになると、小排気量モデルでないと厳しいが、チェーンも丸ごと洗浄することができる大きさはあるので、簡単なメンテナンスにはほぼ対応できるだろう。頑固な汚れを落とすための「ドブ漬け」に使うのもいいし、ガレージを持たなくてもメンテナンスが好き、という人にはうってつけのアイテムだ。