ホンダCT125ハンターカブのフロント周りの剛性感アップ! OUTEX(アウテックス)のステムスタビライザーで劇的に走りが変わる!!

掲載日:2023年04月27日 フォトTOPICS    

取材協力/OUTEX RacingBros Japan
写真/磯部 孝夫・成田 恒一 テキスト/成田 恒一

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【この記事の目次】
■アウテックスのステムスタビライザー
■ステアリングステムの捻れを抑制
■試乗インプレ!狙ったラインにスパッと進入

アウテックスのステムスタビライザーをインプレッション

2020年6月に発売されたホンダのトレールモデル「CT125ハンターカブ(JA55)」。言わずと知れた昨今の原付二種人気の筆頭にあげられるモデルだ。そして2022年12月に仕様変更を受け、令和2年排出ガス規制をクリアしたロングストローク型のニューエンジンに換装された新型「CT125ハンターカブ(JA65)」が発売され、こちらの人気も非常に高く、数ヶ月に渡る納車待ちが続出している。

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ハンターカブ最大の魅力は、トレールモデルならではの無骨なスタイルと、道を選ばずにどこにでも気軽に入っていける高い走破性にある。かくいう自分もそんなハンターカブに惚れ込み、2022年の3月末に念願の新車(JA55)を手に入れ、いわゆる"カスタム沼"にどっぷりとハマっている。この原稿を書いている4月末現在では走行距離1万3,000キロを超え、5月にはロングツーリングに出る予定もあり、さらに走行距離が延びることになりそうだ。

2022年7月27日に公開した「走りが激変!ホンダCT125ハンターカブのリアサスペンション交換は果たして有効なのか?」と、11月22日に公開した「ハンターカブのフロントフォークの不満を解消!サスペンションのカスタムでホンダCT125の走りはここまで変わる!!」において、リアショックには台湾のサスペンションメーカー「RacingBros(レーシングブロス)」のハンターカブ用ツインショック「Rear Shock SHICANE TWIN MonoR 【Japan Spec】」を、フロントフォークには同じレーシングブロスからリリースされている「HONDA CT125 Anti Dive System」を組み込んだことはお伝えした通りである。

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新車で手に入れた2022年モデルのホンダCT125ハンターカブ(JA55)。タイヤはティムソンのトレールタイヤTS823に履き替え、ヨシムラのGP-MAGNUMサイクロンマフラー、スポーツエアクリーナー、プラグ、シールチェーン、ブレーキレバー、ワンオフ製作のシート、メーターやシールド、ガード類など、少しずつカスタムを施してきた。足周りではレーシングブロスのハンターカブ用ツインショック「Rear Shock SHICANE TWIN MonoR 【Japan Spec】」を取り付け、フロントフォークには同じレーシングブロスの「HONDA CT125 Anti Dive System」がインストールされている。

ハンターカブのサスペンションはフロントがテレスコピックの正立フォーク、リアにはツインショックが装備されているが、フロントフォークのインナーチューブ径はφ27mmで、高速域での走行安定性や、ワインディングなどでのフロントフォークの剛性感不足をなんとか解消できないかと考えていた。そこで今回は、発売当初から気になっていた「OUTEX(アウテックス)」からリリースされているCT125 ハンターカブ専用の「ステムスタビライザー」を装着することにした。

ステアリングステムの捻れを抑制

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本来ステアリングステムは、タイヤの動きによりフロントフォークに力が加わると、ステムシャフトを軸にして「捻れ」が発生する。この捻れを抑えるためにトップブリッジとステアリングステムのアンダーブラケットをフロントフォークに沿って外側で結合し捻れを抑制するのが、今回紹介するアウテックスのステムスタビライザーだ。

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アウテックスのビレット製ステムスタビライザー。その素材には軽量かつ、高強度のA2017ジュラルミンが使用されている。キットには取り付けに必要なスペーサーやボルト類がすべてセットされており、見た目の質感も非常に高い。

ビレット製の本体は非常に質感が高く、その素材には軽量かつ、優れた強度と切削加工性を有するA2017ジュラルミンが使用され、5mmの厚みに削り出されている。もちろん車種専用設計なのでフィッティングは申し分なく、本体にはアルマイト加工も施されおり高級感もある。キットには左右のステムスタビライザー本体と取り付けボルト、スペーサー、ワッシャーが付属している。取り付けはトップブリッジとアンダーブラケットのステムボルトを外し、スペーサー、ステムスタビライザー本体、ワッシャーの順に組み、付属のキャップボルトを締め込むだけで完了。作業時間は約15〜30分といったところだろう。マニュアルによると、ボルトの締め付けトルクは27N・mとなっているので、しっかりとトルク管理を行う必要がある。

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ステムスタビライザーの取り付けは、写真のようにスペーサー、ステムスタビライザー本体、ワッシャーの順に組み、付属のキャップボルトを締め込んで完了。上下でスペーサーとボルトの長さが異なるので注意が必要だ。

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上下ボルトの締め付けトルクは27N・mとなっているので、正確にトルク管理を行う必要がある。決して、「こんなものか」と感覚で締め付けないようにご注意を。

ステムスタビライザーは非常に軽量に仕上げられているので、重量増に関するネガティブ要素はほぼ皆無。美しいアルマイト処理とビレット加工による高い質感により、ルックスのカスタム度も高く、オーナーの所有欲を満たしてくれるはずだ。カラーは写真のブラックの他にクリアー、ライトゴールド、ゴールド、ライトガンメタ、ガンメタ、レッド、ブルーが用意されており、価格はクリアーのみ1万3,000円(税抜)で、他のカラーは1万4,500円(税抜)となっている。

狙ったラインにスパッと進入

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ステムスタビライザー取り付け後、早速試乗に出かけようと思い車両を押し引きすると、それだけでフロント周りの剛性感アップが感じられることにまずは驚いた。フロント周りがカチッとしている印象だ。いざ走り出すとその違いは明確で、高速域での直進安定性が格段に増している。しっかりとフロントタイヤが路面に押し付けられており、確実に路面からのインフォメーションも増えている。

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ステムスタビライザーの装着で、とくに高速域での直進安定性が増した。フロントフォークの頼りない印象は払拭され、ロングツーリングでの疲労軽減にも繋がるはずだ。

さらに驚いたのは、コーナリング時の剛性感アップである。ハードブレーキングからの倒し込みがスパッと決まり、狙い通りのラインに気持ちよく侵入することができるようになった。ハンドリングがリニアになり、連続する高速コーナーの切り返しが軽く、素早くコーナーをパスすることができるのだ。これは面白い。以前は連続するタイトコーナーでの切り返しの際、フロントフォークがヨレるような感覚があったのだか、それも見事に払拭されており旋回性が向上している。ハードブレーキングでの安定感も確実に増している。

タイヤの恩恵も大きいと思われる。以前はダンロップのトレールタイヤ、K350を履いていたのだが、約5,000キロでリアがダメになってしまうということもあり、最近ティムソンのTS823に履き換えた。このタイヤにはオンロード指向のトレールパターンが採用されており、オンロードでの高いコントロール性能と耐久性が実現されているという。タイヤ交換後、3,000キロほど走行しているが、前後とも目立った摩耗はしておらず、ライフは長そうな印象だ。

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前後タイヤは最近ティムソンのトレールタイヤ、TS823に履き換えた。オンロードでのコントロール性が高く、ワイルドなパターンも個人的にはすごく気に入っている。サイドウォールにあしらわれたチェッカーフラッグもいい雰囲気だ。

前出した通り、フロントフォークにはレーシングブロスの「HONDA CT125 Anti Dive System」をインストールしてプリロード調整が可能になっており、走行シーンに応じてプリロードをかけていたのだが、このステムスタビライザーの取り付けによりフロントの剛性感がアップし、フロント周りに若干の硬さのようなものを感じたので、デフォルトの一切締め込んでいない状態に戻したら、前後サスペンションのバランスが整った。

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ステムスタビライザー装着で剛性感がアップし、フロント周りに硬さを感じたのでフロントフォークのプリロード調整を行なった。調整は六角レンチ1本で簡単に行える。

レーシングブロスのリアショック「Rear Shock SHICANE TWIN MonoR 【Japan Spec】」に交換したときは、「リアサスに乗る」という感覚で、リアからクルッと旋回するイメージとなり、フロントに「HONDA CT125 Anti Dive System」を組み込むことで、前後サスペンションの動きがうまく調和し、ステップへの入力と重心移動、そして目線により狙ったコーナーの出口に向けて車体が素直に旋回するようになったのだか、ステムスタビライザーの装着によりフロント周りの剛性感がアップし、さらなる旋回性の向上と安定感が増した。原付二種のトレールモデルとは思えない、上質な足周りとなった。

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今回のステムスタビライザー装着で足周りのカスタムは一段落した印象である。少なくとも現時点では足周りの挙動にストレスを感じることはなくなった。実にハンターカブは楽しいバイクだ。バイクライディングの基本と、その面白さを再認識させてくれる、まるで教科書のようなバイクだと思う。この原稿を書いている今も、走りたくてウズウズしている自分がいる。いやはや、ほんとうにいいバイクだ、ハンターカブは……。

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