カブ生活

第七回「カブに乗る犬」

掲載日:2012年05月11日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

ときに偶然は素敵なプレゼントをもたらすもの。GW直前、都内某所の試写会に出かけたら、な、なんと劇中で郵便カブが大活躍していました。その映画のタイトルは『ももへの手紙』(配給:角川映画)。これ、アニメ映画でして、『人狼 JIN-ROH』で注目された沖浦啓之監督の作品です。

お話しは小学生の“もも”が父の突然の死をキッカケに母と瀬戸内海の島へ移り住むのですが、島ではちょっと愉快な妖怪達が“もも”を見守っています。詳しいストーリーは割愛しますが、劇中に登場する島の風景や街は素晴らしくリアルに描かれていて必見です! 島を結ぶ連絡船や橋、船溜まり、海に面した街並みや、島の急斜面に広がるミカンの段々畑。かつて瀬戸内海の島を旅したとき、こんな風景に出合ったな~…と感心することしきり。というのも、じつは広島県呉市の大崎下島を中心に竹原や鞆の浦、今治など、実在の場所がモデルになっているからです。そんな実在の風景を寄せ集めた架空の汐島を舞台に、島の細い路地を赤い郵便カブが走って活躍しています。これはぜひ映画でご覧になっていただきたいです。気になった方は公式サイト 『ももへの手紙』 へどうぞ。サイトのトップページにも郵便カブがばっちり描かれていますよ。

さて春はどんどん膨らんで風薫る5月! 爽やかな風が心地よい季節になりました。近ごろは夕方6時過ぎに帰宅しても明るくて、「じゃあ散歩に行こうか」と、犬連れでカブに乗って公園へ出かけます。わたしは10歳になる柴犬(♀)を飼っていて、これが生後3ヵ月頃からバイクに乗せていたら、立派なバイク犬に育ちました。これまではスクーターやバイクに乗せていたのですが、昨年の秋にカブを手に入れてからは、犬はカブが大のお気に入り。家族とタンデムするときは人と人の間に挟まって乗るし、特製の木箱を作ってリアに載せれば、当たり前のように収まります。で、公園へ向かう途中、信号待ちの時など木箱から頭をちょこんと出す柴犬の姿を笑われることもしばしばです。

犬を乗せるといえば、今春に参加させていただいた大阪モーターサイクルショーでは、エムクラフト さんが写真のようなサイドカーを出展していました。こんなミニサイドカーなら犬を乗せてもピッタリかも! そういえばタレントのベッキーさんがTV番組で柴犬をサイドカーに乗せていましたっけ。あれは本車がスクーターですが、こちらはカブ。カブにサイドカーといえば、その昔はガラス屋さんや畳屋さんが付けていたパイプフレーム製のを思い出しますが、こちらはずいぶん豪華ですね。わたしはこれに犬を乗せて旅してみたいです。

(c)2012 『ももへの手紙』製作委員会 『ももへの手紙』(配給:角川映画)は4月21日から全国ロードショー

大阪モーターサイクルショーにて、エムクラフト製のサイドカー。これ、本車はカブですよ! 写真のサイドカーは35万円(サイドカーのみ)。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索