掲載日:2019年05月14日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之
シートに跨って乗車姿勢をとると、コンパクトながら“攻めのポジション”のイメージだ。ハンドルは前年に発売されたスーパースポーツ、ベンリィCB90よりも若干低くセットされているようで、走り出すとどこか獲物を狙う大型獣のように前のめりに突っ込んで行きたくなる。セミロングタイプのシートはお尻の位置を置く範囲が広く、ポジションの自由度が高い。
タコメーターの表示では11,000回転からレッドソーンで、さすがにそこまで回すことはなかったが、10,000回転近くまで何のストレスもなく軽々と吹け上がるのは確認できた。ハンドリング、ブレーキングは素直でどちらもコントローラブル。また、よく動く前後のサスペンションと大径17インチタイヤのおかげか、多少手荒にコーナー手前でブレーキングを行い、ガバッと車体を寝かせてちょっと強引にコーナーリングを行ってみても、フレームのよじれ感や不安定な挙動は一切なく、このマシンの完成度の高さを感じることができた。
試乗はホンダコレクションホールの中庭で、わずか10分程度と短いものだったが、最近の4ストミニのような小径タイヤのマシンとはまた違った安定感と乗り心地の良さ、排ガス規制とは無縁だった時代の迫力あるエンジンフィールを体感できた。50ccのため絶対的な速さには限界があるが、路上でのパフォーマンスの高さは当時としては相当のものだったと十分に実感させてくれる体験だった。これからの時代も、若者をワクワクさせてくれるようなミッション付きの原付がどんどん出てきてくれるといいな、という思いを胸に試乗を終えた。
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