【アドレス125フラットシート試乗記事】専用シートで快適ライド! 税込み22万円台で手に入れるスズキの良心

掲載日:2018年06月29日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/野岸“ねぎ”泰之  写真/野岸“ねぎ”泰之、バイクブロス・マガジンズ

スズキ アドレス125フラットシート 試乗インプレッション

使い勝手をアップさせながらも
快速さも失われていない

アドレス125フラットシート仕様の特徴はその名前が示す通りフラットなシートだ。跨ってお尻を前後に動かしても段差がないため、どこにでも座れる。また、このモデルはフロアボードがとても広々としている上に、つま先を前方に出せるスペースも確保しているので、シッティングポジションの自由度が非常に高い。おそらく身長180cmほどの大柄な男性が乗っても、それほど窮屈には感じないはずだ。

スズキ アドレス125フラットシートの試乗インプレッション

シート高はフラットシート仕様では760mmとしている。これはホンダのリード125と同じ値で、このクラスのスクーターとしてはごく一般的だ。さらにフロアボード後端がシェイプされた形状なので足つき性は良好だ。

エンジンの最高出力は6.9kW(9.4PS)で、このクラスではごく標準的。停止状態からのスタートダッシュも、体感的にはそれほどガツンと加速する感じはない。ところがスズキの実験によれば、前モデルのアドレスV125Sよりも発進加速性能は現モデルの方が上だという。新型SEPエンジンがとても静かで振動が少なく、いつの間にかスルスルっと加速している、ということなのだろう。実際、エンジンの回り方は非常にスムーズ&ジェントルで、なおかつ信号ダッシュではクルマの流れを余裕でリードできる実力を持つ。何かと気を遣うことの多い混雑する通勤路では、とんがった味付けよりもこうした特性の方が疲れにくいというメリットもあるはずだ。

スズキ アドレス125フラットシートの試乗インプレッション

快適さと安定感を手に入れた
コスパ最高の通勤マシン

フロントタイヤを12インチとすることで、走行時の安定性も前モデルより高まった。特にそこそこスピードに乗っている際に路面のギャップや縦溝に突っ込んだ際などは、前後10インチのモデルとは安心感がかなり違う。その分、車の間を細かく縫うような状況や小回りでは多少不利になったが、ホンダPCXのように車両重量が130kgもあるモデルに比べればかなり軽快で、渋滞路でもたつくことはほとんどないだろう。リアサスの動きもスムーズで、中高速コーナーでもほどよく粘り、路面の凹凸にもよく追従してくれる印象だ。

スズキ アドレス125フラットシートの試乗インプレッション

通勤快速という呪縛から解き放たれ、快適性と省燃費へと舵を切ったアドレス125だが、驚いたことに前モデルよりも値下げに踏み切っている。アドレスV125Sの希望小売価格が268,920円だったのに対し、アドレス125は221,400円、フラットシート仕様は226,800円(いずれも税込み)。灯火類が通常のバルブタイプであるなど、コストを省いた面もあるものの、これだけの実力と装備を備えたマシンとしては、破格といってもいいだろう。アドレス125の最大の魅力は、この優れたコストパフォーマンスにあるのかもしれない。

アドレス125フラットシートの詳細写真は次のページにて

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