

掲載日:2008年08月13日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ライダーの視点を変える
ミニサイズ・スポーツ
正直なところ、実際に試乗するまでは「名車とはいえ50ccだと物足りないのでは?」と侮っていた。キックスターターを踏み込むと簡単にかかるエンジンは、あくまでも大人しく排気量なりのサウンドだが、走り出してから一気に印象が変わってしまった。ロータリー式のミッションを踏み込みながらスロットルを開けていくと、SOHC空冷単気筒エンジンは驚くほどの力強さをみせてくれるのだ。原付の制限速度である30km/hもあっという間で、急な坂道でも全く問題が無い。慣れてくれば原付スクーターよりスピーディな発進も出来てしまう。ブレーキの効きは申し分なく、荒れた路面でも気にならないサスペンションは、これまで熟成を続けてきたカブシリーズの実力を感じさせてくれるものだ。絶対速度こそ低いものの、リーンウィズで曲がる感覚はバイクそのもの。小さなコーナーを元気良く曲がれば思わずヘルメットのなかでニヤリとしてしまう。
自動遠心クラッチを採用したロータリー式の3速ミッションの操作は、乗りはじめこそリターン式との差に戸惑うものの、少し走れば迷わなくなるだろう。慣れてしまえば踏み込んでいる間はクラッチが切れるという特性を利用して、回転数を調整するような乗り方を楽しむこともできてしまうほどだ。たかが原付、とあなどってはいけない。小さいながらもリトルカブはきっちりスポーツの素質も持っていると言えるだろう。
そしてもうひとつ。今回面白かったのが14インチ小径ホイールによる視点の変化だ。普段の大型バイクはもちろん、スーパーカブやベーシックな原付スクーターより低い視点は、それだけで街中の風景を一変させてくれる。小さいながら小気味良い走りと、いつもと違う視点の組み合わせは新鮮で、ライダーとして新しい世界を見つけた気がしたほどだった。
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