掲載日:2018年08月09日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之
灯火類はすべてLEDを採用。つり上がったヘッドライトは上部にポジションランプを配し、存在感を際立たせる。ハイビーム時は中央も点灯する。
新設計のアンダーボーンフレームはコンパクトな車体パッケージの実現に大きく寄与している。従来比で約20%の軽量化を成し遂げた。
ハンドルのカバーは大型スクーターのような高級感がある。ステアリングバーはY字の固定タイプで、交換は難しそうだ。
アナログ2連メーターは大型で視認性が高い。中央の液晶表示部には時計や燃料計、水温計のほか、平均燃費や瞬間燃費、残走行距離、外気温、電圧などを表示できる。
左ハンドルの手元スイッチは電動スクリーンの上下やトルクコントロールの入/切、メーターの液晶表示部の2段目と3段目の切り替えなどが行える。右ハンドルはスターターとキルスイッチ、ハザードとなっている。
スクリーンは電動式で、スイッチ操作により140mmの範囲で簡単に素早く高さを変えることができる。ハイポジションでは頭の上を風が通り抜けていくため、高速走行がとても楽だ。
中央にある銀色の円筒状のパーツはABSユニットで、ちょうどヘッドライトの上部あたりに設置されている。ユニットはニッシン製だった。
フロントウインカーはバックミラーにビルトインされており、スタイリッシュだ。ポジションランプは昼間でも非常に目立つ。
ホンダスマートキーシステムを採用。キーが作動範囲内にあるとメインスイッチノブの操作が可能となり、シートと給油口の開閉、ハンドルロックも操作できる。スマート機能のオンオフや自車の位置を知らせるアンサーバック機能も搭載している。
燃料タンクは低い位置に置き、その後ろにバッテリーとラジエーターを上下に配置した。これによりコンパクトな車体を実現している。
給油口はセンタートンネル上部にある。ロックはメインスイッチ脇のボタンで解除する仕組みだ。タンク容量は11L。
ライダーをしっかりとホールドする形状の段付きシート。スポンジは弾力があって硬めの印象だが座り心地は良かった。2トーンになっているのもスタイリッシュだ。
テスターは身長170cmで足短め、体重72kg。新型フォルツァのシート高は780mmと、先代よりも65mmアップした。足つき性はいいとは言えないが、両足でも親指の付け根がしっかり着くのでグラつくことはなかった。
【写真上】ラゲッジボックスはフルフェイスが2個収納できる大容量を確保。写真奥(サイドスタンド側)のボックス脇には小物を入れるスペースがある。ボックス前方のパネルを取り外すと、そこからバッテリーにアクセスできる。【写真下】ボックス内のスペースを仕切れる取り外し可能なセパレーターが付属しているのもユニークだ。セパレーターはボックス内前後2か所にセットできる。
エンジンは先代モデルと同じ水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒248cc。各所に低フリクション技術を導入してパワーと省燃費性能を両立した。
シリンダー上部にはケーヒン製のインジェクションユニットが鎮座している。ラジエーターキャップはシリンダー脇に配置する。
フロント左側のインナーボックスはペットボトルやETCが収まる容量を確保。12V2Aのアクセサリーソケットも装備している。ハンドルロックをかけると施錠される仕組みだ。
リアショックは2本で、十分なスプリングトラベルを有している。プリロード調整機能も装備する。
フロアボードは前後に長く、フットスペースを広くとってある。シートとフロアの高低差も十分あるため、足の自由度が高い設計だ。
タンデムステップは引き出し式。大きさは標準的なものだが、ローレット状のすべり止めが施されている。
サイレンサー部は異形デザインを採用。メッキカバーが装着され、車体デザインとマッチして高級感を演出している。
リアフェンダーはロングタイプとなっている。雨の日の泥ハネなどが軽減されるので有り難い装備といえる。
車体左側、シリンダーの根元に見えている黒い円筒状のパーツはオイルフィルターだ。簡単にアクセスできるため整備性はいい。
テールランプはX字状となっており、被視認性の良さとデザインを両立させている。中央はブレーキランプで、光るとかなり明るい。ウインカーを含めすべてLEDだ。
従来より1インチサイズアップされたフロントホイールは15インチ。12本のスポークデザインは剛性バランスの最適化とバネ下重量の低減に寄与している。タイヤサイズは120/70-15M/C 56P。
フロントのブレーキディスクは256mmの大径シングルとなっている。ABSも標準装備だ。
リアのブレーキディスク径は240mmを採用し、十分な制動力を確保している。タイヤサイズは先代より1インチアップの140/70-14M/C 62P。銘柄はIRCのSS-560を履く。
5代目フォルツァの開発を担当したスタッフ。「現時点で最高のものができたと自負していますが、今日からまた新たな開発のスタートです」と技術者魂を見せていた。
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