【2018 FORZA試乗記事】走り軽快、装備充実! 突き抜けた優等生ぶりがスゴイ

掲載日:2018年08月09日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

ホンダ フォルツァ 試乗インプレッション

タイトな小回りもなんのその
ハンドリングは軽快かつクイック

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

新型フォルツァのシート高は780mmで、先代モデルよりも65mmもアップしている。そのため足つき性はあまりいい方ではない。ただ、一度走り出してしまうとアップライトなポジションのため視界がとても良く、背筋を伸ばしてキリリと走るライディング姿勢は欧州製のスクーターに通じるものがある。

ツインリンクもてぎ内の道路を走ってみてすぐに感じたのは、ハンドリングの素直さとエンジンの力強さ、そして振動の少ないスムーズさだ。施設内の道路はスピードがあまり出せない割にアップダウンが頻繁にあるなど、スクーターにはあまり優しくない。カーブしながらゆっくりと登っていくような道では非力なマシンだとフラついてしまうこともあるが、新型フォルツァは低速でも車体がビシッと安定し、上り坂でアクセルを開ければ坂の途中からでもグイと力強い加速を見せてくれる。少し走っただけで「あ、このマシンは素直でとても扱いやすいな」とわかるのだ。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

さらに驚かされたのは、特設コース内に設けられたまるでジムカーナのようなUターンやパイロンスラロームなど、タイトな小回りが連続するセクションを走った時だ。この手の低速グルグルコースはビッグスクーターが最も苦手とする道の一つだろう。ところが新型フォルツァはハンドルの切れ角が大きくクイックなターンが可能で、グイっとステアリングを切って大胆に寝かし込んでも、マシンが不安定になることもなく意のままに曲がってくれる。
操舵感には落ち着きがあるのに、とにかく動きが軽快でスポーティなのだ。もちろんその際タイヤが滑るような不安感は全くない。前後のサスペンションがしっかりと伸び縮みして粘ってくれるのを感じながらリズミカルにタイトなコースを攻め込んで行くのが楽しく、感覚としてはスクーターというよりスポーツバイクを操っているような気にさせてくれた。

どんな道でも軽快で快適
その優等生ぶりが気持ちいい

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

コースの外周路では80km/hまでスピードを出すことができたが、ゼロからスタートしてもスムーズな吹け上りであっという間に規定の速度までメーターの針が跳ね上がる。直線はもちろん、勢いよくコーナーに飛び込んでも車体の挙動が乱れることは一切なく、嫌な振動なども感じられない。高速域でもエンジンはパワフルでありながらスムーズで、ジェントルで高級感のある走りが楽しめた。低速路での軽快でクイックなハンドリングと高速域での安定感は程よいバランスを保っており、どんな道でも軽快で快適な走りができるだろう。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ここでは電動式可動スクリーンを上下させてみたが、スイッチ1つで下から上まで動かすのにかかる時間はわずか1秒ほど。1番高い位置にするとヘルメットの上を風が通り抜けていくのを感じ、しっかりとウインドプロテクションの効果を実感することができた。少しでも風に当たりたい夏場の一般道走行では下げておき、高速道路に乗ったらスッとスクリーンを上げるなどすれば、かなり疲労を軽減できるはずだ。

ホンダ フォルツァの試乗インプレッション

ツインリンクもてぎを出て一般道を走ってみると、新型フォルツァの懐の広さというか、フレキシビリティの高さをさらに実感できた。細めの道でのんびりとした軽トラの後ろをゆっくりと走っても、路面のあまり良くない県道をいいペースで走っても、常に安心感と操る楽しさが同居しており心地がいいのだ。トルクコントロールを作動させるような場面はなかったが、未舗装の路肩スペースに飛び込んで急停車なんて場合にもABSが的確に効き、怖い思いをすることは全くなかった。

ホンダのバイクは優等生なんて表現を良く耳にするが、新型フォルツァは快適性と軽快性、利便性に先進性と、あらゆる要素を詰め込んだ欲張りな優等生だ。ライバルも一目置くであろうその死角のない徹底的な優等生ぶりは、もはや立派な個性といえる。グローバルモデルが競い合う軽2輪スクータークラスが、新型フォルツァの登場でますます面白くなってきた。

フォルツアの詳細写真は次のページにて

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