ホンダ PCX150
ホンダ PCX150

ホンダ PCX150 – 市街地で扱いやすく高速道路にも乗れる人気スクーターの2代目

掲載日:2014年06月13日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/田宮 徹

ホンダ PCX150の試乗インプレッション

ホンダ PCX150の画像

とにかく軽快でニュートラルな
気軽に走れるハンドリングが魅力

14インチの大径リアホイールを採用することもあり、シートポジションはやや高め。シート高は760mmと公表されている。とはいえ、シート前側は絞り込まれて角も落とされているため、身長167cm/体重63kgの筆者がこの部分にまたがると、両足の裏を完全に接地させることができる。一方で、シートに深く腰掛けたまま足を出すと、両つま先が着く程度となる。

前席に深く座った状態で、ハンドル位置はやや低め。燃料タンクが収められた大きなフロアトンネルがあることから、ステップボードの左右幅は狭いが、前方に足を投げ出せるような構造となっていることもあり、ライディングポジションには自由度がある。またタンデムシートは、幅が広くスペースに余裕がある。リアスポイラーを兼ねたグラブバーも備えていて、快適に乗ることができる。なお、試乗車が新車だったこともあり、シートは硬めだった。

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市街地を走りだしてまず良さを感じた部分は、ニュートラルなハンドリング特性。交差点を曲がるような極低速のカーブから、郊外の高速コーナーまで、何も気を遣うことなくスッとバイクを寝かせて、自在にターンすることができる。日常的に使うシティコミューターとして考えたときに、この素直さは非常にうれしい。

同時に、コンパクトにまとめられた車体は、車両重量では先代より2kg増えているが、それでも131kgに抑えられていて、かなり軽い印象がある。しかも、前後14インチの大径タイヤを履いている恩恵もあって、軽量なのに安定感も備わっている。さらに、バンク中の接地感も多め。ニュートラルなハンドリング特性と組み合わさることで、驚くほどの扱いやすさを生みだしている。

一方でエンジンは、市街地で交通の流れに乗るのはもちろん、高速道路を走っても満足できるレベルにある。極めてパワフルというよりは、全体的にマイルドかつスムーズなフィーリングなのに、きっちり速度は上昇するといったイメージ。とはいえ、80km/hから上の速度域では、原付二種クラスに対するアドバンテージも感じられる。ちょうど国内法定最高速度となる100km/hあたりまでを重視したかのような仕様だが、もちろんその上の速度域まで伸びる実力もあり、100km/h巡航時には多少の余裕もある。

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今回の試乗では125cc版のPCXと直接比較できなかったことが残念だが、短中距離の高速道路を使った移動にも使えることを考えると、税金や保険などの金額に差が生じるとはいえ、125ではなく150を選択するメリットは多そうだ。

ところでこのPCX150には、先代同様にアイドリングストップシステムが標準装備されていて、信号待ちなどでエンジンを自動停止することで、燃費向上を図ってくれる。知能化された電子制御式ACGスターターによって、アイドリングストップ状態からの発進は極めてスムーズ。スロットルの遊びを取り、ほんの1mmでも開けるだけで瞬時にエンジンがかかるため、信号ダッシュで出遅れる心配もない。しかも、バッテリーの電圧を監視し、電圧が一定以下の時は自動でシステム稼働をオフにする機能も備えているので、非常に安心である。ちなみにアイドリング停止は、完全停止から約3秒ほどで行われる。長めの一時停止でストップしてしまってもすぐにエンジンが再スタートするし、Uターンの途中などでほんの一瞬停止したような場合には作動しない。このため、スイッチによりシステムのオン/オフが選択できるが、基本的には常時オンでもストレスはなかった。

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試乗車が新車に近い状態だったこともあり、サスペンションは前後とも硬めのフィーリング。しかし、安定感がある車体性能のおかげで、コーナリング中にギャップを通過しても怖さが少なかった。ちなみにバンク角もそれなりに確保されているので、ほどほどスポーティに走ることもできる。一方で、車体はとにかくスリムなイメージで、またエンジンは低速域でもスムーズなので、市街地ではとにかく使いやすい。タンデムユースも十分に考慮され、フルモデルチェンジにより収納スペースの充実やスタイルの向上も実現されるなど、随所に光るポイントがある。

前述のように保険や税金、場合によっては駐輪場の排気量制限などの兼ね合いから、125cc仕様を選択するユーザーも多いだろうが、どちらのPCXを選んだにせよ、満足度は高いはず。もちろん、高速道路を使う可能性があったり、タンデムの機会が多かったりするなら、迷わずPCX150をチョイスだ。

ホンダ PCX150の詳細写真は次ページにて

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