絶版車のエンジンから足回りまで支えるHirokoオイルの実力
取材協力/広島高潤株式会社  取材・撮影・文/モリヤン  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年11月20日
国産のオイルメーカーの中でも、一際サーキットで目立つ「Hiroko」というロゴ。特に、さまざまな車両がしのぎを削るイベントレースのパドックでは認知度の高いブランドである。つまり、多くのサンデーレーサーや、クラブチームに愛され、頼りされているオイルメーカーなのである。

INTERVIEW

サーキットのパドックから
浸透していったブランドだった

今回お話をうかがったのは、埼玉県の久喜市にファクトリーを構える「ZEALOT」である。カワサキのZ系絶版車の販売やメンテナンスを得意とする他、筑波サーキットで開催されている「テイスト・オブ・ツクバ」のモンスタークラスにも参戦し、優勝するレーシングマシンを製作できるノウハウを持つバイク専門店でもある。店長の河井田 浩士さんは、ご自身でもかつてはカワサキのゼファー1100でレースに参戦していた人物。現在は、ゼロットのメンテナンス部門の責任者でもある。普段、絶版車を扱うことが圧倒的に多いこのショップで絶賛されているオイルが「Hiroko」ブランドであるという。その理由は、何だろうか。直接話しを聞かせていただいた。

 

まず、「Hiroko」ブランドをしることになるきっかけはどんなことだったのですか?
河井田:最初はエンジンオイルではなくて、フロントフォークオイルを使ってみました。というのは、サスのセッティングを決めるのに、古い車両のサスペンションは構造が単純で、細かい調整をするような設計ではありません。つまり、入れるオイルで性能が激変する。特に、動粘度と言うのですが、実際にサスペンション内で動いているうちに上がってくる温度変化にも強く走行中の性能が安定しているオイルを探していたんですよ。すると、他のチームでも「Hiroko」のフォークオイルが温度変化にも性能が安定していると評判だったんです。徐々にヒロコーのフォークオイルの利用者が増えてきて、我々も使ってみようということになりました。

実際に使用してみて、リピーターになったのですね。
河井田:オイルには粘度を示す数字が書かれていますが、意外にもメーカーによって基準がバラバラなんですよ。同じ10Wでも20W寄りのものと5W寄りのものでは粘度が違うし、温度変化で粘度は変わり方も違う。それでさまざまなブレンドオイルを作ったりするのですが、「Hiroko」では、こちらが要求するオリジナルブレンドのオイルを提供してくれるんです。そんなことは、大手のメーカーや海外ブランドではあり得ませんから、使う側としては大きなメリットになりましたね。そして、その性能は安定していてセッティングが出しやすくなりました。

 

エンジンオイルについても同じ理由で使うわけですか?
河井田:正直言うと、サーキットの走行に関しては、ライダーの好みでオイルを選ぶので、ヒロコーさんのオイルだけを使っているわけではありません。でも、通常販売している絶版車にはすべて「Hiroko」ブランドの半化学合成油を注入しています。今まで使ってみたどんなオイルよりも、コストパフォーマンスに優れたオイルだと思いますね。

どんなところがすぐれているのでしょうか。
河井田:アメリカから逆輸入された絶版車のコンディションは多様で、よほどの極上車でないかぎり、僕らはエンジンを分解組み立てします。さまざまなノウハウを蓄積していますから、当時の新車以上のクオリティで組み上げるので、オイルも優れたものを使用したい。空冷エンジンなので、現代のエンジンのようなクリアランスで組むものではなく、そんな特性に合ったオイルがエキスパートスペシャルなんです。使ってわかったことは、エンジン内のスラッジがとても少ないことですね。滑降能力と洗浄能力が優れています。そして、ミッションのタッチも良くなるとか、クラッチの滑りに対する心配もない。値段も手頃なので、最高のコストパフォーマンスオイルとして、使用しています。ユーザーからの評判もとても良いですね。季節の変化にも性能が変わることがないので、冬場のオーバークールに対しても安心して使えるオイルです。つまり旧車にやさしく、使いやすいということですね。

PICKUP PRODUCTS

サーキットで培われた
高性能オイルやケミカル類

広島高潤は1982年に生まれた国産オイルメーカーである。独自のブランドを発表したのは3年後の1985年。最初は、レーシング用の2サイクルエンジンオイルだった。高性能であることで瞬く間に浸透し、ユーザーを拡大。レーシングカートやモトクロス部門では常勝チームの必須条件ともなっていったのである。4サイクルエンジンオイルに着手するのは1990年代で、やはりサーキットでのユーザーを獲得。耐久レースでのアドバンテージが高いオイルとして、ライダーから高い評価を受けるようになる。現在は、高性能な化学合成油や半合成油の4サイクルオイルの他に、ブランドの基礎を作った2サイクルオイル。そして添加剤やチェーンスプレーなどのケミカルもラインナップしている。(下記の商品価格はすべて税別)

 

取材協力店

ZEALOT(ゼロット)

埼玉県久喜市清久町4-3
TEL & FAX/0480-26-5611
営業時間/10:00~20:00
定休日/毎週月曜日、レース開催日及び、イベント日はお休み。

積極的に筑波サーキットのイベントレースに参戦し、国産絶版車の販売とメンテナンスを得意とするのがゼロット「ZEALOT」である。通常販売されるのは、細部までメンテナンスが行き届いたカワサキのZ系及び、国産旧車全般。長く乗れる絶版車を提供する専門店である。

BRAND INFORMATION

広島高潤株式会社

広島県広島市南区字品海岸3-8-55-10
TEL/082-255-0015

性能重視の商品開発によって「(違いを)体感できるオイル」としても知られる高性能オイルメーカー。ライダーのニーズに応じたワンオフオイルの製造から、愛車の好調を保つためのストリートユースのオイルまで、シーンに応じたオイルをラインアップする。