『ウェア屋さんのひとりごと』

ハチタイですよぉ~!

掲載日:2012年07月05日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

鈴鹿8時間耐久ロードレースのことを略して “ハチタイ” と呼んでいますが、この言葉を聞いて、最近ではいったいどれだけの人がピンとくるのでしょうか? 20年ほど前ならこの時期、ライダーたちの間ではハチタイの話題で持ちきりだったものですが、その当時に比べると残念ながら興味を示される方は非常に少なくなった様に思えます。とは言え国内では最大級とも言えるモータースポーツの祭典だけに、このレースの素晴らしさや面白さを出来るだけ多くの方に知ってもらいたい、観てもらいたいという気持ちに変わりはありません。かくいう私も10年ほど前までは参戦したいと思っていましたが、実力不足はいかんともし難く…。

ハチタイまで1ヶ月を切ったこの時期、レースサポートを担当する私の携帯には、準備を進めている選手や関係者からスーツに関する相談や依頼が、それこそ時間もお構いなしに多数寄せられる様になります。ここまできて「ああ、ハチタイやなぁ」と、改めて実感する私も呑気なものですが、そうそう悠長なことは言ってられません。ワッペンを追加したいといった程度であれば現場でも対応出来ますが、中には参戦がギリギリになって決定し、スーツを新調したいといったお話も珍しくありません。実際、この原稿を書き終えた後は選手の所へ出向き、製作の打ち合わせを行う予定で、毎年の事ではありますが「無事にレースウィークを迎えることができるんやろか?」と不安になってしまうのも “恒例行事” となってしまいました。

とは言え選手はもちろん、サポートする側にとっても “ハチタイ” は年に1度の特別なレース。私はレーシングスーツを用意する立場ですが、マシンを準備するチーム関係者や、それをサポートするパーツやタイヤメーカー等、表に見えないところでは本当に多くのスタッフが、それぞれの想いを持ちながらレースウィークを迎えます。レースと言いえば、その結果ばかりを重視しがちですが、ぜひ一度サーキットへ足を運んでいただき、選手達をバックアップするチームクルーやサービスメーカーのブースを覗いてみるのも、プラスアルファの楽しみになるかと思います。

それでは次回、ハチタイに向けてウェア屋さんの私たちが、どんな準備をしているかについてをお話ししてみましょうか。

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