スズキ ジクサー 試乗インプレ・レビュー

スズキ ジクサー
スズキ ジクサー

スズキ ジクサー

掲載日:2017年03月03日 記事カテゴリ 試乗インプレ・レビュー   

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

インドで13部門のアワードに輝く
若者に人気のスポーツモデル

ジクサーは2014年からインドを中心にアジアや中南米などで発売され、本国では13部門のバイクオブザイヤーを獲得するなど実績のあるモデルとして特に若者層を中心に人気を集めている。2017年春より日本向けに発売を開始するに当たり、国内交通環境やユーザー志向なども考慮した各部のグレードアップが図られているのが特徴である。アジア諸国で近年急速にニーズが高まってきているスポーツモデルの中でも、特に150ccクラスは“庶民でも手が出せるアッパーモデル”ということで非常に人気が高く、各メーカーがこぞってニューモデルを投入している激戦区となっている。そんな背景も見据えながら、国内初見参となったジクサーの魅力を探ってみたい。

動画『やさしいバイク解説:スズキ GIXXER』はコチラ

スズキ ジクサー 特徴

“毎日乗っても扱いやすく楽しい”を目指し
FI化と足まわりを強化した日本仕様

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

ジクサーは元々、インド向けのフラッグシップモデルとして開発されたスポーツモデルである。「毎日乗っても扱いやすくカッコいい」という開発コンセプトのとおり、スズキの大排気量スポーツモデルを彷彿させる流麗でボリューム感のあるシルエットと細部までこだわった造形処理が特徴だ。搭載される空冷4スト単気筒154ccエンジンはジクサー用として新開発されたもので、燃焼効率を上げフリクションロスを低減することでパワーを落とすことなく低燃費を両立。優れた出力特性とクラストップレベルの燃費性能を実現している。軽量ピストンを採用することで、ボア・ストローク比にして56mm×62.9mmのロングストローク設定でありながら、高回転までスムーズに回る仕様としている点にも注目したい。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

車体面ではフレームに軽量高剛性のスチール製ダブルクレードルタイプを採用。インナーチューブ径φ41mmの正立フロントフォークと7段階プリロード調整式モノショックに前後ディスクブレーキ、140サイズのワイドリアタイヤをを組み合わせるなど、クラスを超えたグレード感のある車体構成が魅力となっている。
コックピットもデジタルネイティブ世代向けにスマホをイメージしたフル液晶インストルメンタルが搭載され、シャープなデザインの異形ヘッドライトやLEDテールランプなどと相まって、スポーティで現代的な雰囲気をアピールしている。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

ちなみに日本向けモデルではエンジン内部パーツの材質をアップグレードするとともに、新たにキャブレターからFIに変更することで国内の新排ガス規制に対応。リアブレーキをドラム式からディスクタイプへ、前後タイヤも海外銘柄からダンロップ製へコンバートしラジアル化(リアのみ)して走行性能を強化するなど、品質確保のための細かい仕様変更が行われている。

スズキ ジクサー 試乗インプレッション

羽のような軽さに力強いエンジン
使い切って走る楽しさを再発見

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

ジクサーのネーミングの由来がユニークだ。スズキのスーパースポーツ「GSX-R」シリーズが欧米のファン層から“ジクサー”のニックネームで呼ばれることからその名を着想したという。GSX-Rの弟分といったニュアンスだろうか。スズキの大型バイクのイメージが投影された、エッジの効いたデザインやスパルタンなシルエットからも開発者の想いを窺い知ることができる。

見た目は125ccクラスと250ccクラスのまさに中間サイズ。車体は軽くスリムで取り回しも楽々。マンションなどの駐輪場への出し入れも鼻歌交じりにできてしまう。見た目によらずハンドルも高めでライポジも楽だし足着きもすこぶる良い、等々とっつき易さがまずは好印象だ。

第一印象はとにかく軽い。ぱっと跨ってエンジンをかけて走り出した瞬間から、まるで羽のような、まったく質量を感じさせない軽さだ。135kgの車重もさることながら、ホイールベースも1,330mmとビッグネイキッドと比べると20cmも短い上に、リラックスできるアップハンということも理由だろう。コーナリングは素直でとても曲がりやすく、ハンドルは切れるし、低速で粘るエンジンはUターンもしやすく、狭い路地でもクルクルいける。小回りしやすさは最強レベルだ。雰囲気はスポーツモデルだが、意外にも都市コミューターとしての資質も高いと感じた。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

エンジンも排気量以上に力強い。ロングストロークならではの豊かな低中速トルクが美点で、鼓動感も楽しめるが、実は美味しいのは7000~8,000rpm。その気になれば1万まで回る高回転域での伸びやかさが持ち味だ。14PSとスペックだけ見れば控えめにも思えるが、都会では十分。むしろ、スロットルを大きく開けてエンジンを使い切って走る楽しさが優る。それでいて実際的に速い。その気になれば、スタートダッシュで後続のクルマを引き離せる加速力も持っているし、軽量・コンパクトであるが故の俊敏さは大排気量車にはないメリットと言える。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

サスペンションは基本的にソフトで乗り心地重視だが、一方でしっかり感もあるスポーティな設定。高速道路では轍を跨いでのレーンチェンジでも振られることはなく、車体に不安な挙動はない。開発者の話では、インドの荒地でも走破できる頑丈なシャーシが与えられているらしい。前後ディスクブレーキも必要十分な性能で、レバーを握ればしっかり利くし、タッチも分かりやすい。特に日本向けにはワンランク上の足まわりが装備されていることもあり、心情的にも安心できる。一点、ABS未装着ということで、リアブレーキを強くかけるとややロックしやすい点が少々気になったぐらいか。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

ジクサーは150ccということで、国内では一般的な250ccに比べれてもさらにスリムでコンパクトというのが美点。一方でパワーは控えめだが、街乗りレベルでは必要十分だろう。デザイン的にも質感が高く、足つきも良く小回りが利いて乗りやすく、それこそ毎日でも億劫がらずに乗り回せる気軽さがある。

スズキ ジクサーの試乗インプレッション

150ccと聞くと、これまでは原付に毛が生えたぐらいの認識しかなかったが、今回ジクサーに乗ってみて自分の認識が間違っていたことに気づかされた。最近とみに高性能化する250ccにちょっと持て余し気味な感じがしないでもない今日この頃、もしかしたら150ccが本当の意味でのジャストサイズなのかと思えてきた。普段の足として使い倒すには便利だし、気が向けば高速に乗ってどこへでも行ける自由度もある。小粒だが、なかなかどうして侮れない楽しさを持ったスポーツファンバイクである。

詳細写真

燃焼効率を高めてフリクションロスを低減することで、パワーを落とすことなく低燃費を実現したSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンを搭載。空冷4スト単気筒SOHC2バルブ154ccから14psの最高出力とクラス最高レベルの燃費性能を発揮。日本向けにはFIを搭載し、平成28年国内排ガス規制にも対応。

マフラーテールエンドをデュアルタイプにすることでスタイリッシュな外見とともに高い排気効率を実現。弾けるエキゾーストノートが魅力だ。メッキパーツを使った高級感のあるフィニッシュにも注目したい。

フロントフォークにはインナーチューブ径φ41mmの正立タイプを採用し、高い剛性を確保しつつ安定したコーナリング性能を発揮。ブレーキはフロントφ266mm&リアφ220mmのダブルディスクを採用するなど確実な制動力を確保。

7段階のプリロード調整が可能なモノショックを採用し、快適な乗り心地と安定したハンドリングを実現。ストローク感があり、路面のギャップもしっかり吸収してくれる。

リフレクターのデザインを最適化し、コンパクトなヘッドライトカウルやクリアレンズの小ぶりなウインカーとともにシャープで現代的なイメージを演出したフロントマスク。

テールランプにLEDを採用することで、コンパクトなテールまわりのデザインを実現。シートカウルと一体化したデザインのグラブバーにより、絞り込まれたスリムなリアビューとなっている。

大排気量モデル並みの肩幅から一気に絞り込まれた挑発的なラインを持つフューエルタンクまわり。シュラウドとともにエッジの効いたアグレッシブなデザインが印象的だ。タンクカバーは分割構造の樹脂製で本当の燃料タンクはその中に収まっている。

レッドステッチに彩られた有機的なデザインのシート。前後スペースを段差で分けた一体型の形状とし、スタイリングと実用性を両立。座面はゆったりとして座り心地も良い。

シートはメインキーで簡単に脱着できるタイプ。中央に小スペースがあり、最低限の車載工具程度は積めそうだ。3か所に簡単なヘルメットホルダーを装備する。

日本向けに前後タイヤはダンロップ製に変更。特にリアタイヤは140サイズのラジアルタイプとするなど、ワンクラス上の性能とクオリティを確保している。グリップ感も上々だ。

ステップホルダーはヒールプレートを装備した本格的なアルミ製で、ステップバーは厚手のゴムで防振対策されたタイプを採用する。ペダルやリンクロッド類はスチール製だ。

デジタル機器に慣れ親しんだ若者向けにスマホをイメージしたというフル液晶デジタルメーターを採用。イグニッションONで「READY GO」と標示される演出も気が利いている。

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SPECIFICATIONS – SUZUKI GIXXER

SUZUKI GIXXER 写真

価格(消費税込み) = 31万6,440円
※表示価格は2017年3月現在

インド向けフラッグシップモデルとして開発された車体をベースに、国内向けに各部の熟成を図りつつリファインされた軽快な走りが魅力の150ccスポーツモデル。

■エンジン型式 = 4ストローク空冷単気筒SOHC2バルブ

■総排気量 = 154cc

■ボア×ストローク = 56.0×62.9mm

■最高出力 = 10kW(14HP)/8,000rpm

■最大トルク = 14Nm/6,000rpm

■トランスミッション = 5速リターン

■サイズ = 全長2,005mm×全幅785mm×全高1,030mm

■車両重量 = 135kg

■シート高 = 785mm

■ホイールベース = 1,330mm

■タンク容量 = 12リットル

■Fタイヤサイズ = 100/80-17

■Rタイヤサイズ = 140/60-17

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