伊豆散策

掲載日:2007年05月27日 ツーリング情報局関東エリア    

伊豆半島を
一筆書きで300km

イメージ今回は首都圏のツーリングコースとしてはメジャーでありながらも、近いようで遠い「中伊豆から南伊豆」を中心にご紹介します。温泉保養地として知られる熱海にも漁港があり、漁業も盛んな一面があるようです。そんな「熱海港」から国道135号 を走ることにしたいと思います。海のすぐ側まで山腹が迫ってきていて、海と山の間のわずかな平地や山の斜面をなぞるように道は続き、「左手に太平洋、右手に伊豆の山々」という風景が延々と続きます。伊東市に入ったところで、大室山を目指して県道12号へ。国道よりも車が少なくペースを上げられます。「大室山」は木々が一本も生えていない、草だけに覆われたお椀のような山です。丘が大きくなったような感じでしょうか。山頂まで行く観光リフトが設けられていますので、スケジュールに余裕があれば登ってみるのもオススメです。麓を巡る道沿いには桜並木があり、桜の時期は花見の名所としても知られています。大室山へは国道を右折して県道111経由でアクセスすることもできます。ナビが無かったり、道になれていない方の場合はそちらの道がよいと思います。

イメージ大室山を後にして、再び国道135号を南へと走ります。河津までは車やトラックの交通量も多く、我慢の走りを強いられますが頑張ってください。河津町で県道14号と分岐した後は、交通量も減るので快適な走りが楽しめます。気持ちよくアクセルをワイドオープンしつつカーブを越えていくと、左手前方の遠くに海と山に挟まれた、真っ白な砂浜が見え隠れするようになります。思わずアクセルを弛めて路肩に停車したくなると思いますが、ちょっと走れば「尾ヶ崎ウイング」という駐車場付きの展望エリアがありますので、そこまで行きましょう。尾ヶ崎ウイング~白浜を抜けていくと、歴史の授業で皆が一度は名前を聞く「ペリー」の来航した下田です。下田の「まどが浜海遊公園」では、汽船をモチーフにした遊覧船に乗ることができるようです。船に弱い(極度の船酔い体質)私にとっては、面白くも何ともない苦行のような乗り物ですが「船大好き!」という方はいかがでしょうか。さて、そろそろお腹が減ってきました。今日のお昼は豪勢に「伊勢エビ」を考えています。有名な「青木さざえ店」へ向けて、アクセルの開度も気持ち多めに(笑)向かうことにしたいと思います。

海の伊勢エビ&
高原のソフトクリーム

イメージ白く美しいRを描く「弓ヶ浜」。 夏は海水浴でにぎわうこの浜の側に「青木さざえ店」があります。青木さざえ店の特徴は、伊勢エビを使った料理が“安い”ということに尽きます。大きめの伊勢エビが半身まるごと入ったラーメンや天丼が1,500円前後で食べられます。ソロで行っても美味しいお店ですが、二人三人と連れだってのマスツーで、伊勢エビの浜焼きや刺身を堪能してみてはいかがでしょうか。伊勢エビ天丼を食し、一息ついたところで先に進みましょう。国道136号へは戻らずに、伊豆半島最南端をなぞる県道16号を走り、次の目的地「石廊崎」を目指します。この石廊崎、バイクや車で行けるのは灯台のある岬の手前まで。駐車場(有料/二輪100円)から岬までは徒歩で約10分歩きます。岬までの歩道は、概ね結構な勾配のある下り坂・・・ここでこの後の顛末に気づいた方は読みが鋭い!・・・行きはヨイヨイ帰りはツライ。手荷物になるモノはバイクにくくりつけてから行きましょう(笑)。

イメージ石廊崎を後にした後、国道136へと合流し、西伊豆町へと海沿いをここから北上して行きます。港町「子浦」のすぐ北側は快適なワインディングです。バイクを一定角度でバンクさせたまま、アクセル操作だけでコーナリングのできる、曲率がゆるやかでキレイな路面の峠道がしばらく続きます。あまりの気持ちよさに笑みがこぼれてしまうほどです。松崎町からは内陸へと向かい、県道15号線を走ります。時間が押しているときは、内陸ルートをパスしてこのまま北上してもよいでしょう。これまで通ってきた海岸沿いの道とは様相が変わり、県道15号線はカーブらしいカーブの無い田舎道。ほとんど車が走っていないので、ペースがぐんと上がります。県道15号→国道414号へと進み、やがて見えてくるのが「河津七滝ループ橋」です。ループを使って、相当な高低差を一気に上がっていきます。余談になりますが、この橋が無かった頃は、ここをどうやって通行していたのかな?と、ふと疑問に思いました。

イメージ見所の多い国道414号、次は「天城峠」越えです。天城峠には、整備された新道と観光名所となっている旧道があります。ツーレポなのだから勿論旧道を!と思って向かったのですが、そこは砂利の目立つダートでした(汗)。旧道をバイクで通ってみたいというのであれば、オフ車かデュアルパーパスで行かれた方がよいでしょう。国道414号から県道59号へと左折し(分岐を見落としやすいので注意)、西天城高原を目指します。ツーリングマップルではオススメの道として色が付いてますが、道幅が狭くブラインドカーブが多い割に車の通行量もあるので、気をつけて走ってください。道すがらに広がる「西天城高原牧場」は宿泊もできる牧場です。新緑の牧草地のそこかしこに牛がたくさんいました。ツーリング途中に牧場に寄ったとあれば、定番のソフトクリームです。濃厚な味わいで、とても美味しゅうございました。

足湯で一日の疲れを癒し
伊豆に別れを告げる

イメージ西天城高原から再び海を目指して走り始めましょう。ブラインドカーブの続く狭い県道59号を下っていくと、小さな過疎の集落を訪れることになります。そこにある「町営やまびこ荘」は、廃校となった“大沢里小学校”をそのまま利用した宿泊施設だそうです。かつては子供達の笑い声が響き渡ったであろう校庭には、かすかにその名残を感じることができます。集落を後にして川沿いを走り、再び海へと出ましょう。少し進むと差し掛かる「黄金崎」は黄褐色の独特な土壌がむき出しになった岬です。夕焼けの光に照らされると、黄金色に輝く様子から名付けられたそうです。訪れたときは日中でしたが、その一風変わった土の色合いが印象に残っています。黄金崎から更に北を目指しバイクを走らせます。

イメージ戸田港の美しい景観を眺めつつ、戸田村から東へと進路を変更、目的地は修善寺にある「独鈷の湯」です。その珍しい有様で有名な「独鈷の湯」は、温泉街を流れる川の中にあります。どこかの温泉宿が管理しているというわけでもなく、公称“原則・入浴禁止”という、風変わりな温泉です。“足湯”という温泉スタイルが定着してきた近年、独鈷の湯は“足湯”として一般的に利用されているようです。丸一日走り回った疲労を癒すにはピッタリだと思いますので、チャンスがあれば利用してみてください。行き交う人も少ない早朝には、ここで全裸になって入浴することにチャレンジしている方もいるそうです。さあ、いよいよ伊豆にも別れを告げましょう。伊豆から帰宅する場合、国道136号(or414号)か国道135号を使うのが一般的ですが、そこに帰宅する車・バイクが集中するため、ほぼ決まって休日の午後は渋滞します。

イメージそこで今回は伊豆スカイラインを利用することにしました。伊豆スカイラインは箱根峠で箱根新道に繋がり、そのまま小田原厚木道路→東名高速経由で東京方面へ行くことができます。有料道路だけあって、交通量が少なめなので、渋滞を避けて帰りたい。という場合はオススメです。昼間の熱気で暑くほてった体も、陽が陰り涼しい空気が戻ってきた高原を快適なペースで走ることでクールダウンできることでしょう。そして一路帰宅するためにバイクをひた走らせるあなたの目の前には、紅に染まった美しい夕陽と霞の中に浮かび上がる富士山という、情緒的な絶景が広がっているやもしれません。

第2回目のレポート『伊豆半島を一筆書きで300km』ツーリングはいかがでしたか。300kmを全て走ると9~10時間はかかります。もし参考にして走られるのであれば、熱海までの行き帰りを含めてスケジュールを組み立ててみてください。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

尾ヶ崎ウイング

住所/静岡県下田市白浜3346-4

電話/0558-23-7711

定休/年中無休

青木さざえ店

住所/静岡県賀茂郡南伊豆町湊894-53

電話/0558-62-0333

営業/10:00~18:00(土日は19時まで)

定休/10:00~18:00

URL/青木さざえ店

コーイチ
プロフィール
コーイチ

東京都在住。HONDA CBR600Fに乗り、関東のあちこちを走り回る根っからのツーリングライダー。CBRの走行距離も7万キロを越え、週末ごとにその走行距離は伸びるばかり。ツーレポを担当することになり、「10万キロ越えが近づいた」と笑う。

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