奈良縦断ツーリング

掲載日:2008年03月28日 ツーリング情報局関西エリア    

シカに大仏、古墳、桜と
奈良の見どころを縦断する

厳しい冬が過ぎ去り、まもなく春到来です。ライダーの季節です。ガンガンツーリングに出かけて、訪れた場所で出会ったライダーに朗らかな笑顔で話しかけ、仲間の輪を広げましょう。おお、まともなオープニングだ。

今回は春先、さくっと走り回れる関西近郊のツーリングスポットということで、奈良を縦断するツーリングルートをご紹介します。「ははーん、奈良を舞台にしたドラマに影響されたなコイツ」という無粋なツッコミはやめましょう。僕が走ってきたのはまだ寒さが厳しい2月中旬で、写真も少々寒々しいかと思いますが、そこは読者諸兄の豊かなイマジネーションで新緑まぶしい景色を想像して見てください。

イメージまず向かうのは、奈良の名所中の名所「奈良公園」と「東大寺」です。「そんなとこ、小学生のときに行ったよ」とおっしゃる関西圏の方もいらっしゃることでしょうが、チッチッチ(人差し指をワイパーのように動かす)。エエ歳した大人になったからこそ見える新しい視点というものがあるのですよ。幼き頃の瑞々しい心を思い出す意味で、まずはこの2名所へGO。場所は奈良市のど真ん中なので、関西圏の方なら難なく行けることでしょう。僕は阪神高速→第2阪奈道と走り抜け、そのまま真っ直ぐ奈良市内に突入しました。奈良公園に行くと…いるわいるわ、数え切れないほどのシカどもが。早速シカ遊び…の前に、まず東大寺へ行くことにしました。ここは僕も小学生のときに来たことがあり、天まで突き抜けるほどの大きさを誇る大仏がもっとも印象的でした。さて30過ぎた大人が見た大仏は…やはりデケェ。大仏もさることながら、途中の門の両脇に建っていた仁王像もこれまた迫力があります。外国人観光客が歓声をあげながら写真を撮るなか、これらの建造物に見惚れてしまいました。さすがワールドヘリテイジ(世界遺産)だぜ。

イメージさて奈良公園に戻ってき、先ほど保留にしたシカ遊びと興じます。しかし、ここで思いもよらぬ恐ろしい出来事が。売店でシカせんべい(150円也)を買って「いざ…」というとき、売店のおばちゃんが「早く! 早くシカの少ないところに行って!」と言ってくるではありませんか。「え?」と戸惑った瞬間、僕は10数匹のシカに取り囲まれていました。そのつぶらな瞳には、「エサよこせこの野郎」という、およそ草食動物とは思えない獰猛な光がたたえられています。やつらは僕の背中やわき腹を小突きながら、あっというまにせんべいを強奪していきました…。恐るべし、奈良公園のシカ。シカせんべいを手にした人間を見た瞬間、やつらの野性が目覚めることを知りました。皆さんご用心を。

イメージ1000年以上の時を刻んだ
数多くの古墳が眠る明日香村へ

シカのリンチを受けたあと、国道169号線を南下して一路「明日香村」を目指します。169号を利用するのは、奈良公園から明日香村まで一本でつながっているメリットもさることながら、奈良県を縦断するときに待ち受ける“鬼の渋滞”で有名な国道24号線を避けるためです。決して快適な道とはいえませんが、24号のようなストレスもないですし、また橿原市を抜けると、なだらかな丘陵や田畑が広がる奈良特有の風景が見られるのでオススメです。途中で道の名前が県道15号線に変わりますが、基本的に一本線なのでご心配なく。気持ちよく169号を走り、道路標識に従って明日香村へ。

イメージ山を抜けるワインディングを走り抜けると、明日香村の見どころ「石舞台古墳」に到着します。1000年以上も昔の人が、テコの原理を駆使して巨大な石を積み上げた古墳は、いつ来ても迫力がありますね。さらに中に入ることもできるので、内側からその大きさを体感することもできます。このほか、周辺には高松塚古墳やキトラ古墳、そして亀形石造物や酒船石などがある明日香民俗資料館などが点在しているので、観光マップ片手にまわるのもいいでしょう。その際は、各所で売られている「飛鳥王国パスポート」(100円也)購入がオススメです。明日香村の各観光地の割引券がついているのでお得なんです。明日香村を散策し終え、次なる目的地「吉野」へと向かいます。当初の予定では、明日香村から吉野へつながる県道15号線を抜けていく予定だったのですが、僕が訪れた2月中旬は、積雪で道がアイスバーンと化していたため通行を断念。4月以降なら残雪もなくなっているでしょうから、一度走ってみてください。ただ、ダートではないものの険しい山道なので、腕に自信のある方はどうぞ。

イメージ桜の名所にして世界遺産・吉野で
風雅なる景色とスイーツを楽しもうぞ

さて、15号線ルートを断念した僕は、国道169号線に出て南下、一路吉野川を目指します。道中は牧歌的な風景が広がるのみでさほど新鮮さはありませんが、吉野川に沿って走る国道370号線(169号と表記されていますが)に出ると、はるか遠くまで続く山々に広々とした一級河川と、「うーん、吉野まで来たなぁ」と思わせてくれる風景が広がります。ここまで来る道中、小腹が減ったのでランチタイム。奈良ではどこにでもある「柿の葉寿司」の販売店に入って一本購入。値段は組み合わせ別で、700円から1,000円以上のものまであります。僕はコンビニでお茶を買って、駐車場でモリモリ食べました。

イメージ小腹がふくれたので吉野川沿いに走り、案内に従って吉野山へ入りましょう。かなり急なワインディングを走っていくと、開けた駐車場があらわれます。この先には道幅の細い参拝道が伸びており、人通りもあることから車は大抵ここで駐車しますが、我々バイク組はまだ先へ進めます。参拝道を抜けると、いにしえの歴史を感じさせる金峯山寺が姿をあらわしました。ここのお寺についてはあまり知らないので素通り。その先にある食堂街のところで路駐し、ティータイムへと洒落込みました。手ごろな喫茶店に入り、「小倉きなこ葛餅」(700円也)を注文。お味は…んー美味い、絶品ナリ。葛餅のやわらかい食感と、きなこ、小倉あん、黒蜜がマッチした和の甘味が絶妙ですね。…別に女性ライダー向けに食べに行ったわけではありません、僕が甘いもの好きなだけです。スイーツ親方(芝田山親方)とか呼ばないように。

イメージここ吉野といえば、「日本さくら名所100選」にも選ばれている桜の名所。まもなく開花宣言がなされるかと思いますので、風雅なる桜の絶景を見に、ぜひ足を運んでみてくださいな…観光客でごった返していること請け合いですが。またこの奥地には、「義経の隠れ塔」と呼ばれる隠れスポットがあります。金峯山寺からさらに奥へ進み、中千本と呼ばれる山道を走り抜けた先にある「金峰神社」のわきにひっそりと建っています。京を追われた源義経が吉野越えをした際に身を隠した場所だそうで、京からの追っ手に見つかるや否や、屋根を蹴破って逃げたという逸話があります…って、いや、さすがに屋根はムリやろ。自動車で進むのは少々憚られる修験道なので、ぜひバイクで行ってみてください。吉野を下山した僕は、吉野川沿いに東へ向かい、分岐点で県道28号線→国道370号線を走って北上、名阪自動車道沿いにある道の駅「針テラス」にて奈良縦断ツーリングを終えました。関西ツーリングの拠点によく利用されるライダーのメッカだけあって、ここにはいろんなバイクが見られて楽しいですね。今回のレポ写真は少しうらびれていますが、皆さんはぜひ緑あふれる4月に、奈良の心地よい風景を楽しんできてくださいね。

さて、今回がワタクシの最後のツーレポになる…予定だったのですが、来シーズンも関西エリアのレポーターを担当させていただくことになりました。こんなフザけた原稿書くヤツを連投するなんて、編集部も何を考えているのでしょうか。とにもかくにも、来シーズンはちょっと違った切り口で関西の楽しいスポットをご紹介していこうと考えていますので、よろしくお願いしまっす。

スポット紹介

奈良公園

住所/奈良市雑司町469

電話/0742-22-0375

URL/奈良公園

東大寺

住所/奈良市雑司町406-1

電話/0742-22-5511

URL/東大寺

※行事等により、見学できない場合があります

明日香村観光サイト「遊・悠・あすか」

URL/明日香村観光サイト「遊・悠・あすか」

吉野町役場

住所/奈良県吉野郡吉野町大字上市80-1

URL/吉野町役場

道の駅・針テラス

住所/奈良市針町345

電話/0743-82-5633

定休/無休

URL/道の駅・針テラス

Mr.Crazy Tiger
プロフィール
Mr.Crazy Tiger

1975年生まれ、兵庫県尼崎市在住。トライアンフ 2004 ボンネビルT100所有。「生涯クラシック一筋」をモットーに、フットボール、ロック、阪神タイガースを愛する。常に新しいツーリングルートを開拓しようと、野に山にと走る行動派。

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