兵庫北部ツーリング

掲載日:2008年06月28日 ツーリング情報局関西エリア    

城崎温泉、そして余部鉄橋…
北近畿の絶景へ行くツーリング

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あまりの英国ブランド好きから、自分の前世はイギリスの空軍パイロットだったと信じて疑わないMr.Crazy Tigerです。もうこの前フリいらんって? それはさておき、今回ご紹介するのは、城崎温泉、そして日本海沿いを走りながら余部鉄橋を目指す兵庫北部ツーリングです。どちらかといえばメジャーなツーリングルートなのですが、今が旬のスポットが多いことと、あと2年ほどで解体されてしまうかもしれない余部鉄橋を今のうちにお知らせしておきたかったので、イレギュラーながらレポートをまとめさせていただきました。では、はりきって行ってみよー。

イメージ以前ご紹介した丹後半島一周ツーリングでは、下道または高速道路で舞鶴若狭道の「春日IC」を目指す…とご紹介しましたが、今回は一昨年7月に開通した北近畿豊岡自動車道を利用し、春日から一気に豊岡まで突っ走ります。いやー、こんな便利な道が開通されているなんて、兵庫県に住んでいるのに全然知りませんでした(笑)。何が有り難いって、陸上距離で36.4キロの距離をノンストップで走って、料金がたったの200円(軽自動車料金)ということ。週刊少年ジャンプより安いんですよ。これまでずっと下道を走っていたことを考えると、まるでワープするかのような便利さですね。また、この道路の開通とともに完成した道の駅「但馬のまほろば」は休憩ポイントに最適。駐車場は大きいし、館内食堂はデカいし、芝生のスペースなんかもあるし、言うことなしのポイントです。和田山インターで降り、まずは城崎温泉を目指します。養父市を流れる円山川沿いの道「円山川リバーサイドライン」を走り抜けます。僕が走ったのはゴールデンウィーク最終日で快晴だったことから、緑が生い茂る中を心地よく走れました。そして陽射しを浴びながら走っていると、突如コイのモニュメントが現れるではありませんか。表情は魚そのもので愛嬌もなく、不気味なことこのうえありません。間違ってもさかなクンみたいに「ギョギョー!」とかやらないでおきましょう。同伴者がドン引きすること請け合いです。

城崎温泉でランチを済ませ
日本海沿いの絶景ロードを行く

イメージ下道を走ること30~40分ぐらいでしょうか、豊岡市を越え、再び円山川沿いの道に来れば、あっというまに城崎温泉に到着です。わざわざここまで来たんだからひとっ風呂…といきたいところですが、今回の最終目的地は余部鉄橋。ここで温泉に浸かろうものなら、「もう帰っちゃおうか」なんて気分になりかねないので、気持ちをググっと抑えて昼食だけにとどめましょう。で、僕がこの日食したのは、城崎温泉駅のすぐ前にある食堂の「カニ丼」。日本海まで来たら、海鮮物は外せませんからね。お土産屋が並ぶ通りにはお食事処がたくさんあり、カニチラシやカニ寿司などがわりとリーズナブルにいただけるので、ぜひ試してください。食事を終え、軽く散策を済ませたらツーリング再開です。

イメージ日本海を目指して北上し、県道11号線をひた走るわけですが…もうね、兵庫県、いや近畿圏屈指と言っていいほどの絶景ルートです、ここ。同じ日本海沿いなのだから当然なんですが、丹後半島のシーサイドライン(国道178号線)に匹敵する素晴らしい道です。切り立った山岳を縫うように走る道のためか、山は新緑に彩られた木々で覆われており、まぶしい陽光と緑、そして日本海が、道の先に広がる風景を美しいブルーとグリーンに染め上げています。もちろん天気あっての景色なのですが、すべてが融合したとき、ライダーだけが味わえる甘美なひとときがそこにあるのです。ほぉ~ら、行きたくなってきたでしょう? まだ走ったことがない方は、ぜひ一度行ってみてください。絶対に後悔はさせません。注意点は、リアス式海岸ゆえのキツいワインディングですね。萬田銀次郎(ミナミの帝王)の取り立てばりに少々エグいので、海の藻屑とならぬようムリせず減速しながら走り、展望ポイントでその絶景を楽しんでください。

ケタ違いのスケールを誇る余部鉄橋
今しか見られないその姿を目に焼き付けろ

イメージ心地よいシーサイドラインを走り、香美町を越えてしばらく進むと、開けた道の向こうに山と山をつなぐ赤い鉄橋が目に飛び込んできます。これが「余部橋りょう」、通称「余部鉄橋」です。全長310.59メートル、高さ41.45メートルと、数字だけ見てもいまいちピンと来ないかもしれませんが、実物の迫力は想像をはるかに凌駕します。そしてそのスケール以上に驚くのが建築年。明治45年ですよ。西暦に置き換えたら1912年と、単純計算で築96年になる巨大橋りょうです。その姿を見上げていると、ただ声を失います。さらに驚かされるのが、東側の山のうえにあるJR餘部駅からの風景。ここまで登ると余部鉄橋からはるか下界を見下ろせるんです。その景色といったら…筆舌に尽くし難いですね。実際に見てみないと分からない迫力があります。ちょうどこの日、ここにいらっしゃった香美町関係者の方にお話を聞いたところ、老朽化や安全性の問題から、本来なら今年中に取り壊される予定だった余部鉄橋ですが、「できればもう少し残してほしい」という要望から、取り壊しが延期になったそうです。その延長期間も大体2年から2年半ほどだそうで、現在の鉄橋の7メートル隣りにコンクリート製の新しい橋が造られる予定だとか。すでに着工準備は始まっているということで、つまり今の鉄橋だけの風景を見るなら、あと1年ちょっとくらいしかないのです。隣にコンクリート製の橋が建ったあとだと、風景はまるで違ってしまうでしょう。実際に現地を訪れて「余部鉄橋を列車で渡ってみたい」という方には、香美町にあるJR香住駅から餘部駅まで乗るモデルケースがあります。余部鉄橋にバイクを停めたままタクシーで香住駅まで戻り、そこから電車で橋を渡って餘部駅にて下車、という方法です。この日僕はそこまで試みませんでしたが、やってみる価値は大いにあるでしょう。

イメージこのほか、個人的にオススメなスポットが、餘部駅のひとつ前にあるJR鎧駅です。名前だけ見ると妙な迫力を感じるのですが、実際に訪れてみた駅の姿は、ジブリ映画に出てきそうな田舎の無人駅です。ほとんどの観光客が余部鉄橋に向かうので、ここには地元の人以外誰もおらず、駅全体が静寂に包まれています。耳を澄ませば鳥の声や波の音まで聞こえる静かなところですので、気分的に癒されたい人は寄り道してみてください。余部鉄橋を心ゆくまで楽しんだ僕は、香美町から南へ伸びる県道4号線をノンストップで走り、さらに国道9号線を南下して豊岡市へ。再び北近畿豊岡自動車を使って帰路につきました。

日帰りルートとしては若干長いかもしれませんが、北近畿自動車道をうまく使えば、日の長い春から夏、そして秋口でもその日中に余裕で戻ってこられます。またこのルートのうれしいところは、道中に道の駅が多いこと。コンビニ立ち寄りとは違った旅情を楽しめる道の駅をうまく活用して、ツーリングを演出すればオモローイ!ですね。そして、もうすぐしたら見られなくなる余部鉄橋。その雄姿をナマで見て、実際に触れてみることに絶対に損はありません。今というベストシーズンを楽しむ日帰りツーリングにぜひどうぞ。

スポット紹介

道の駅但馬のまほろば

住所/兵庫県朝来市山東町大月字北山92-6

電話/079-676-5121

営業/9:00~20:00(無休)

URL/道の駅但馬のまほろば

城崎温泉観光協会

住所/兵庫県豊岡市城崎温泉湯島357-1

電話/0796-32-3663

URL/城崎温泉観光協会

香美町役場(余部鉄橋の紹介など)

住所/兵庫県美方郡香美町香住区香住870-1

電話/0796-36-1111

URL/香美町役場

Mr.Crazy Tiger
プロフィール
Mr.Crazy Tiger

1975年生まれ、兵庫県尼崎市在住。トライアンフ 2004 ボンネビルT100所有。「生涯クラシック一筋」をモットーに、フットボール、ロック、阪神タイガースを愛する。常に新しいツーリングルートを開拓しようと、野に山にと走る行動派。

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