大村~島原ツー

掲載日:2008年03月28日 ツーリング情報局九州エリア    

春の陽気を浴びながら
大村~島原を走ってきました

今回は春うららかな長崎路を駆け巡る“梅は咲いたか桜はまだかいな”ツーリングです。3月に入って陽射しは強くなり、天気予報の紫外線情報で「警戒」と出るほど。出かけた日は日中の気温が20度を超えるほどのポカポカ陽気で、まさにツーリング日和です。今回選んだコースは長崎県央をぐるっと一周するコース。一周といっても海岸線だけではなく、内陸部も含めて一周しましたので全行程での標高差は700mもありました。当然ながら平野部では暖かくても山間部では気温が5度以上低く、冬から貼るへの季節の変わり目であることを感じました。南国・九州といえど、桜は3月末位から開花し始めますので、ツーリングに行った3月22日はまだ桜は咲いていません。しかし、春の花々をところどころで見ることができ、甘酸っぱい花の香りに春を感じました。それでは「春」を感じながら長崎路の美味い味覚と景色を堪能できるコースをご紹介しましょう。

イメージさあ出発です。が、「腹が減っては…」と言うわけでまずは腹ごしらえから。地元なのにあまり食べたことのない、大村名物の「大村寿司」をランチとしましょう。「大村寿司」は普通のお寿司とは違い、「ちらし寿司のサンドイッチ」と言ったほうが適当でしょうか、ユニークなお寿司です。酢飯の上に炊き合わせた人参とゴボウを敷き詰め、その上に酢飯を乗せ重ねていきます。さらにその上に漬けた鯛を並べて、甘~い錦糸たまごがふりかけてあります。木蓋でしっかり押さえて一口大に切ってありますので、そのままパクリ。シンプルだけど口の中に広がる具材のハーモニーは、無性に食べたくなる味です。おなかも満たされたところで出発しましょう。大村中心部から東(山間部)へ進みます。国道444号線は長崎・大村市と佐賀・鹿島市を結ぶ国道で、多良岳を貫通する「平谷黒木トンネル」までは上りのワインディングロード。左に郡川を見ながら進んでください。郡川の上流には「郡川河川公園」があります。ここは自然の岩場を上手く利用した公園で、夏場は水遊び客で賑わう場所。夏のツーリングであれば火照った体をクールダウンするには持ってこいの場所でしょう。上りの頂上付近で「黒木トンネル」を通りますが、トンネルを抜けるとそこは佐賀県。下りの道路は豊かな田園地帯を抜ける直線コースとなります。3月ということもあり、田んぼのあちこちにには黄色く咲き乱れる菜の花が。とても美しい印象的な光景が広がっています。「大村-鹿島」間の国道444号線は最近道路が整備され、とても走りやすく交通量も少ない快走路でした。道沿いには平谷物産直売所・平谷温泉などがあります。30km程度の短い道のりですが、ゆっくり立ち寄りながら走ってみたいと思う道でした。

有明に名物「牡蠣焼き」
大小2種類の牡蠣が食べられます

イメージ国道444号を進み、鹿島市に入りましょう。鹿島市街地手前から「鹿島バイパス」を経由し、有明海沿いを走ります。と、その前に旅の安全を祈願するため「祐徳神社」に立ち寄ることにしましょう。祐徳神社は日本三大稲荷の一つで、商売繁昌、家運繁栄、大漁満足、交通安全などどんな祈願もでき、初詣には全国から65万人もの参拝客が訪れる有名な神社。周辺にはたくさんのお土産屋さんがあり、佐賀名物の佐賀錦(さがにしき)・小城羊羹(おぎようかん)などが売られています。そのほか、定番のお土産であるキーホルダーや木刀(笑)などなどあり、いろいろ見ているうちに、中学時代の修学旅行を思い出し、懐かしい気持ちにさせられました。さて、たっぷりと祈願してお参りも完了、改めて出発です。

イメージバイパスを進み、有明海が見えると国道207号線を南下しましょう。左に雄大な有明海を臨みながら気持ちよく走ります。有明海は大変穏やかな海で、海苔・牡蠣の養殖が盛んです。沖合数百m先には無数の棒が海に挿してあり、その間の網で海苔の養殖が行われています。そんな有明海を横目に進むと、今度は道路沿いに「牡蠣焼き小屋」がたくさん見えてきました。「海のミルク」を目当てに、行きつけの牡蠣小屋に行くことにしましょう。牡蠣小屋は道すがらにたくさんあり、どこを選んでもまず外れはないはず…。各エリアのツーリングレポートで牡蠣の話題が多いですが、九州も負けていられません(笑)。牡蠣の食べごろシーズンは12月~2月、花見を過ぎると食べるな、といわれるくらいなので3月はもうギリギリ…今シーズン最後の牡蠣焼きを満喫することにしましょう。長崎の牡蠣小屋で提供される牡蠣は、地元・有明海産と長崎北部の九十九島産の2種類があります。有明海産は大きく食べ応えがあり、九十九島産は小さいですが、濃厚な味でどちらも甲乙つけがたい美味しさ。小屋の外にある50cm四方のブロックの間で薪を燃やし、お好みで購入した牡蠣はブロック上の鉄網の上で豪快に焼きます。5分もしないうちに沸騰して泡が出て…そうなれば食べごろです。左手に軍手、右手に牡蠣空け用の“くぎ”を持って豪快にねじ開けてください。プリップリの牡蠣をシュルシュルッと一気に頬張ります。口の中に広がる磯の香りはいつ食べても最高です! 牡蠣が苦手な人でも、地元で獲れたサザエや竹崎ガニ、他にも豚バラやウィンナーなどもあるので、みんなで楽しめますよ。来シーズンもまた来ようと思います。

諫早干拓道路を抜け
島原半島を堪能する

イメージ牡蠣小屋を出てさらに207号線を南下。小長井(諫早市)に入ると、有明海を挟んで対岸に島原半島が見えてきます。ここで海を渡ってショートカット。海を渡るといっても船に乗るわけではなく「諫早干拓道路」を使って有明海を縦断します。干拓道路は諫早市・小長井から島原半島・雲仙市につながっています。諫早干拓道路は2007年12月末に開通した、出来たてほやほやの道路で、諫早湾干拓事業で構築した潮受堤防上に建設した道路です。堤防上の最大距離は7km、有明海の中を進む直線道路を走るのは気持ちいいのと同時に、なんだか不思議な気分にさせられます。残念ながら途中に休憩スポットはないので、両サイドに海を眺めながら一気に駆け抜けました。島原半島に上陸すると諫早市に向かって反時計回りに走るとしましょう。そろそろ陽も傾いてきました。国道251号線から見る橘湾の上に光るオレンジ色の太陽は、すべてのモノをやわらかく包み込んでくれるようで、穏やか~な気持ちで走ることができました。

イメージそのまま進むと小浜町から山間部へ入ります。「諏訪の池」で缶コーヒー休憩としましょう。諏訪の池は長崎のバイク乗りにとって絶好の休憩ポイントです。売店で買ったポップコーンを片手に池の鴨たちとしばし戯れてください。さあ、いよいよツーリングも終盤です。本日のゴール、長洲港へ向けて島原半島を縦に走り抜けます。島原半島の中央に位置する雲仙地獄では、道の両サイドから硫黄の香りがする白煙がモクモク…。このくらいの時間になると気温も低くなってきて、つい温泉に入りたい衝動に駆られますがその気持ちを抑え、何とか走り抜けることができました(笑)。雲仙地獄を過ぎると次は、橘湾を遠くに望むことのできる吹越峠を走ります。ここはすごく気持ちが良い道路で、山と海と空の雄大さを感じながら大自然の中心を走ることができる絶景の峠道。峠を越えると下り道となりエンジンブレーキをかけながら走ります。やがて長洲港が見えてきて本日のツーリングは無事終了~。

時間に余裕がある人は雲仙で一泊したり、遠くからツーリングに訪れた人は長洲港からフェリーに乗り熊本に渡ったりするのもいいかもしれません。島原半島は九州の中では少し入り組んだところにありますが、この辺りにはミドコロ、走りドコロがたくさんあります。長崎の人だけでなく、佐賀、熊本の人にはいい日帰りツーリングコースになるでしょうし、九州の外から来る人にも思い出に残る場所になると思います。これからどんどんいい季節になってきますので、是非このコースを楽しんでください。さて、今回で私のレポートも終了します。次回からどんなレポーターの方が九州を担当されるのかわかりませんが、まだまだ九州には走りドコロがいっぱいあります。全国の皆さん、機会があればぜひ九州まで走りにきてください。これまでありがとうございました。

スポット紹介

祐徳神社

住所/佐賀県鹿島市古枝

電話/0954-62-2151

URL/祐徳神社

国立公園雲仙Webサイト

URL/国立公園雲仙Webサイト

DAI
プロフィール
DAI

32歳。長崎県在住。ハーレー「FXDL」に乗り、陽気な仲間と九州中を駆け巡るバイカー。仲間と「ぶらっくさんだー髑髏軍団」なるMCを主宰しているものの、決してコワモテではない。その素顔は陽気で優しいお父さんだという噂。

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