鯖街道走破

掲載日:2008年09月28日 ツーリング情報局関西エリア    

関西ツーリングの定番ルート
鯖街道を走破しよう

夏の終わりに、衝動的に香港へひとり旅立ったMr.Crazy Tigerです。どこででも生きていける自信がつきました。さて、もう10月ですね。まさに秋真っ只中ですが、今回は秋の味覚と風景を楽しみに「鯖街道」を走破しに行きます。鯖街道とは、京の朝廷に献上する食物を運ぶため、現在の福井県小浜市と京都をつなぐルートとして生まれた道で、なかでも鮮度が命である鯖を運んでいたことからその名がついたとか。そんな由緒ある歴史を持つ関西ツーリングの定番ルートで、名物鯖寿司を食らい、爽快な走行を楽しんじゃいます。青魚系がダメな人はごめんなさい。

イメージさてこの鯖街道、某オンライン百科事典で紐解いてみると「現在の福井県小浜市から京都市左京区出町柳までの区間」と書かれてあります。というわけで、スタート地点は京都の京阪電鉄「出町柳駅」としましょう。ルートはカンタン、ここから国道367号線をひたすら北上し、比叡山北部を抜けていきます。国道ということもあって、いささか交通量が多いのが難点ですが、しばらくはガマンの子でお願いします。有料トンネル「途中トンネル」(軽自動車100円也)を超え、滋賀県に入ったあたりから本格的に鯖街道ツーリングがスタート。ここからの道は爽快そのもの。山、川、森と、自然の要素をすべて含んだ世界で、信号ナシのノンストップルートをひたすら走り続けます。一度来た人がまた訪れたくなるという関西定番ツーリングと呼ばれる所以ですね。

イメージそのままスカーっと走り抜けたいところですが、やはり「腹が減ってはツーリングができぬ」ということで、ここでいきなり今回のメインディッシュである鯖寿司を食します。僕が鯖街道ツーリングに来る度に毎度立ち寄っている「花ひさ」というお店をご紹介しましょう。このあたりでは結構知られているところなんです。ここで、鯖寿司とお味噌汁、山菜がセットになった「鯖寿し定食」(1,200円也)を注文。ここの鯖寿司は身が肉厚で甘みがあってとても美味。またここでは鯖寿司の試食があるので、違った風味が楽しめる焼鯖寿司との違いを楽しんでみてください。テイクアウトもできるので、どこかの川原でのんびり食べるのもいいかもしれませんね。

森林に覆われたルートをたどり
昔ながらの風景が残る熊川宿へ

イメージ鯖寿司を堪能したところで、鯖街道ライディングを再開しましょう。ここからしばらくはひたすら一本道です。走る季節によりけりですが、木々に覆われた森林の香りあふれる走行が楽しめる道が再び続きます。街道沿いの川ではアユやイワナなどが獲れるそうで、川釣りを楽しむ人の姿も見られます。実にのどかな風景ですね、機会があったら川魚も食べてみたいものです。そうして滋賀の山間道を気持ちよく走り抜けると、左右に分かれるT字路に差しかかります。ここで小浜市方面へ左折し、若狭街道へと入ります。ここまでの道と同じく、信号の少ない爽快路で、あっという間に目的地「熊川宿」に到着します。「道の駅・熊川宿」にバイクを停め、宿場町散策へ繰り出しましょう。

イメージさてこの熊川宿、昔の宿場町の雰囲気がそのまま残っているいなせな町でして、江戸時代に交通の要所として大いに栄えた歴史を持っているそうです。ちょっとタイムスリップした感覚を味わえますよ。そんななかで面白いのが、道の駅から歩いてすぐのところにある「熊川番所」。往時の番所(関所)を精巧に再現したセットで、50円を払うと中に入って見物できます。でも、そんなに大きくないので柵越しに外から見るだけで十分な気がしますが。50円をケチるかどうかはあなた次第。特筆すべきは、なかにいる番人人形の不気味さ。精巧すぎて逆に怖いです。とまぁ、ヒネくれずに観光するのならとてもいい場所ですので、僕のように純粋無垢な心をもって街歩きを楽しみましょう。そう、ツーリングで大切な要素は「雰囲気」ですからね。

ついに鯖街道の起点に到達
「I ハート OBAMA」に苦笑い

イメージ熊川宿でのひとときを終え、いよいよ鯖街道の起点である小浜市へ向かいます。ここまで来ると、山間部をあっというまに抜けて一般道に入りシーサイド沿いに走り、流される人生の如く小浜市に入っちゃいましょう。ここ小浜市は日本海の海産物が豊富に獲れる代表的な漁港として名を馳せ、京の朝廷へ食物を献上する「御食国(みけつくに)」と呼ばれた港湾都市。そんな小浜市ですが、現在はアメリカ大統領選挙の際に「名前が一緒」というだけでバラック・オバマさんを熱烈応援していることで有名ですね。駅前の商店街を走ると、そこかしこに「I ハート OBAMA」と書かれたコミカルなオバマ氏のイラストが掲げられてあって、苦笑いに事欠きません。もう好きにしてください。

イメージと、今回のテーマが「オバマさん」ではなく「鯖街道」であることを思い出し、市内にある「鯖街道起点のプレート」と「鯖街道資料館」へ向かいます。うむ、あくまでテーマにこだわるのだ。駅前商店街からすぐ脇に入ったところに「いづみ町商店街」があり、そこに資料館とプレートがあります。せっかくスタート地点も出町柳に設定したんだし、ここまで来ておかないとね。小さな商店街の道端に「あ、あった」的な感じでプレートがはめ込まれています。それなりに感慨を抱き、続いてすぐそばにある鯖街道資料館へ向かうと…狭っ! 内部は驚くほど狭く、ワンフロアしかありません。鯖街道の歴史の起点って、ひとり暮らしの学生アパート程度で語れるということなのでしょうか。

という感じの秋満喫ツーリングでした。ゆったりペースだったにもかかわらず、京都-小浜間の所要時間は6時間程度だったことに驚きです。僕自身、何度も足を運んだルートですが、こうしてまた走ってみると、ツーリングの魅力にハマり出した当時のことが懐かしく思い出されたりしていいもんですね。そしてはるか遠くの小浜市まで走破しきったことで、自分がどこまでも走っていけるんだと思えました。そう、僕らにできないことはないんです。Yes, We can.(オチそれかよ)

スポット紹介

鯖街道 味処「花ひさ」

住所/滋賀県大津市葛川細川町19

電話/077-545-5761

営業時間/11:00~19:00(売り切れ次第閉店)

休日/不定休

若狭鯖街道熊川宿

URL/若狭鯖街道熊川宿

若狭おばま観光協会

住所/福井県小浜市大手町6-3

電話/0770-53-1111

URL/若狭おばま観光協会

オバマ候補を勝手に応援する会

URL/オバマ候補を勝手に応援する会

Mr.Crazy Tiger
プロフィール
Mr.Crazy Tiger

1975年生まれ、兵庫県尼崎市在住。トライアンフ 2004 ボンネビルT100所有。「生涯クラシック一筋」をモットーに、フットボール、ロック、阪神タイガースを愛する。常に新しいツーリングルートを開拓しようと、野に山にと走る行動派。

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