紀伊半島ツー(前編)

掲載日:2008年07月28日 ツーリング情報局関西エリア    

関西最強のツーリングルート
紀伊半島をぐるっと走り抜く

イメージツーリング時のBGMは、B'z、エアロスミス、大塚愛というランナップのMr.Crazy Tigerです。さて皆さん、夏のツーリング予定はすでに立てられましたか? 多くのライダーが北の聖地、北海道に向かわれるかと思いますが、夏の関西を楽しむツーリングスポットのひとつといえば、紀伊半島。ということで、今回は紀伊半島をぐるりと周遊する1泊2日のツーリングルートを、1回で紹介するには距離が長すぎるので前・後編に分けてご紹介します。まずは前編、宿泊地の那智勝浦までの1日目です。スタート地点は和歌山市内。そして向かうは夏の名所、白浜です。阪和道(湯浅御坊道路)を使って一気に走り抜けます。下道ルートもありますが、かかる時間は倍ぐらい違うかと思います。今まで阪和道の最南端は「みなべIC」だったのですが、有り難いことに昨年11月、5.8キロ先の「南紀田辺IC」まで延伸したのです。これで一気に白浜まで走れるようになりました。ちなみにこの高速道は1車線しかないので、大型連休になると何台もの車が列をなし、大渋滞を引き起こします。側道があるのでスリ抜けも可能ですが、幅のある大型バイクには不可能かと思いますので、この道を使われる際はご留意ください。

※2008年6月現在のGoogleマップでは、みなべIC~紀伊田辺IC間はまだ表記されていませんので、ルートマップ参照時はご注意ください

イメージはい、白浜到着。軽く食事し、少しのんびりしましょう。見どころはちょこちょこあります。不思議な形をした奇岩「円月島」や景勝地「千畳敷」、驚くほど白い浜辺が広がる「白浜海岸」などを見て回れば観光気分を満喫できるはず。なかでも僕が楽しめたのは、「三段壁」と呼ばれる名所の真下にある「三段壁洞窟」。源平合戦で活躍した熊野水軍の舟隠し場という伝承がある洞窟なんですが、洞窟の中に波が打ち寄せ、迫力のある激しい波飛沫を楽しめるのです。洞窟というよりは、何か巨大な海洋生物の体内にいるような気分になります。洞窟内もひんやりしているので、夏にはもってこいの場所ですね。さて、昼食といきますか、せっかく和歌山まで来たなら和歌山ラーメンを食べたいところです。僕がこの地を訪れた日は土曜日だったのですが、名店と呼ばれる店がことごとく準備中だったのには驚きました。ランチタイムに店を閉めているラーメン屋なんて初めてです。もしかして、白浜って夜の街なのか?

太平洋広がるシーサイドを走破
南国気分とあわせてどうぞ

イメージ白浜をあとにし、次の目的地の串本を目指し、国道42号線を走ります。ここへはひたすらシーサイドラインを走るのみです。実際に走ってみるとわかりますが、太平洋に面している和歌山ならではの海岸線走行は素晴らしいの一言。よく「大海原」って言葉を耳にしますが、和歌山の海を眺めながら走っていると「これぞまさしく大海原なり」と思わされるほど広大な大海の絶景が広がります。また、道そのものも面白く、起伏が多いのが特徴的ですね。山の中へと向かっていたかと思えば、突然海が広がるシーサイドに出る…というルートが続き、走っていてもまったく飽きません。また南国を意識してか、ソテツなどがところどころにあるので、夏を楽しむにはうってつけのルートといえるでしょう。

イメージ面白スポットとしてご紹介したいのが、道の駅イノブータンランドすさみの先にある「恋人岬」です(イノブータンについてはあえて触れません)。てっきり恋人でも紹介してくれる岬かと思って立ち寄ったのですが、実はここ、異なる潮の流れ同士がぶつかりあう珍しい場所だったんです。あまり人に知られていない場所のようでしたが、素朴で面白い光景を見ることができます。ま、気が向いたら休憩がてら立ち寄ってみてください。延々と続くシーサイドを走り続けていると、突如「潮岬」という看板が姿を現します。看板に従って右折し、島の岩壁を走る道をどんどん進んでいくと、白い灯台に広大な芝生地帯が広がりました。本州最南端の地・潮岬に到着です。芝生の広場を歩き、「本州最南端」という石碑のところまで行って海を眺めると…海しかありません。当たり前ですが。ちらほら漁船が航海している程度で、だだっぴろい海を眺めるだけの場所です。面白みに欠けると思う人は、「潮岬観光タワー」から展望を楽しむとよいでしょう(大人300円也)。それにしてもこの潮岬、何度訪れても閑散とした場所ですが、芝生サイトが全面無料と、キャンプをする人にはいいところです。たまーにテントを張るのもままならないほどの強烈な潮風が吹くことがありますので、そこは皆さんご注意を。

イメージそれから、関西有数のループ橋・くしもと大橋を走って島の東側まで行ったのですが、そこにあったのはトルコ記念館…。明治時代にここで難破したトルコ船の乗り組員を追悼するためのものだそうですが、なぜ「記念」なんだろう、という疑問が消えませんでした。しかもその先では、トルコ人が細々とお土産屋を営んでいました。串本のミステリースポット発見です。また串本には、いくつもの大岩が立ち並んだ奇形「橋杭岩」があります。日本の朝日百景の認定を受けたそうですが、ここで朝日を眺めようと思ったら「串本に泊まらなあかんやん」ってツッコみたくなりますね。いや、別にいいんですけどね。橋杭岩を眺め終えたら、いよいよ本日の宿泊地・那智勝浦に向かいます。

関西随一の漁港・那智勝浦で
海鮮物三昧とシャレこもう

イメージ和歌山を代表する漁港、那智勝浦。せっかく紀伊半島を走るんだから、夜は美味しい海鮮物が食べたいですよね。僕がこの日宿泊したのは、「温泉民宿 岩波」。選んだ理由? 安かったからです。一泊朝食付きで4,400円ですよ(2008年5月現在)。那智勝浦には大きなホテルや旅館がいくつもあるので、お好みで選んでいただければいいかと思いますが、僕はあえて民宿をオススメします。サービスが行き届いた大手もいいですが、「漁港の民宿」という旅情たっぷりの雰囲気に、気さくに接してくれる女将さん。気ままに過ごせるところが魅力ですね。那智勝浦での宿入りについて申しておきますと、18時までに済ませておいた方がよいでしょう。女将さんによると、「夜の7時になったら、客足が少ないところは店じまいしてしまう」のだとか。外食を考えている方はお早めにどうぞ。

イメージさて、その夕食ですが、僕は民宿のすぐ近くにある「ひろ吉」という小さな居酒屋でマグロ丼(1,000円也)やカツオのたたき(800円也)などを食しました。特に、とれたてのマグロを醤油漬けにした丼が実に美味かった。このお店、実は僕が那智勝浦へ行くと必ず行くところなのですが、僕はこのお店で本当のウニの美味しさを知りました。民宿の女将さんの話によると、地元の人しか知らない名店だそうです。数ある居酒屋から名店を見抜くとは、やっぱり俺って天才。周辺でマグロ丼を出している店は多く、相場も大体1,000円程度なのですが、ひろ吉さんでの一品はほかよりも少々値が張ります。しかし「わざわざ那智勝浦まで来たんだから、料理に関しては絶対外したくない」という方には、ひろ吉さんをオススメします。

走り尽くした一日を終え、静かな宿でまったりくつろぎます。ツーリング仲間と談笑しながら更けていく夜…というのも楽しいですので、ぜひどうぞ。さて、一見するといつもどおりのレポートですが、これだけでまだ1日目なんですよね。それぐらい、紀伊半島には面白いスポットが多いということです。夏のシーサイド走行も間違いなく楽しいですから、長期休暇が取りにくい方にはうってつけのツーリングスポットといえますね。UV対策をしっかりして走りに行ってみてください。さて、次回は2日目、世界遺産の懐へと入り、熊野古道、そして高野龍神スカイラインを走破します。お楽しみに。

スポット紹介

三段壁洞窟

URL/三段壁洞窟

温泉民宿 岩波

住所/和歌山県那智勝浦町北浜3-47

電話/0735-52-1358

URL/温泉民宿 岩波会

ひろ吉

住所/和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字北浜2-3

電話/0735-52-6196

定休/火曜

Mr.Crazy Tiger
プロフィール
Mr.Crazy Tiger

1975年生まれ、兵庫県尼崎市在住。トライアンフ 2004 ボンネビルT100所有。「生涯クラシック一筋」をモットーに、フットボール、ロック、阪神タイガースを愛する。常に新しいツーリングルートを開拓しようと、野に山にと走る行動派。

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