姫路周辺を漫遊

掲載日:2007年10月28日 ツーリング情報局関西エリア    

寒風なんぞ何するものぞ
丸1日楽しめる姫路へ行く

「最近バイクってますか?」というワケのわからないメールが、卒業した教習所より届くMr.Crazy Tigerです。日に日に風が冷たさを増し、バイク乗りの真価が問われる季節になってきましたね。厳しい自然に真っ向勝負を挑み、走りながら「俺(アタシ)って戦ってる」と悦に入りましょう。そんな皆さんに送る今回のレポート「姫路1日漫遊」は、これまでの「ガッツリ走る」系ではなく、姫路周辺の名所・珍所をじっくり楽しむ形になっております。

イメージ大阪の中心地から姫路を目指そうと思うと、阪神高速→第2神明道路→姫路バイパスというルートがはじき出されるかと思いますが、それでは実に味気ない。別に時間に追われているわけじゃないので、この日の僕は、中国自動車道に入って滝野社ICまで走り、山間部から国道372号線を下って姫路入りするというルートを選びました。滝野社ICを降りたところで、すぐ近くにある「闘龍灘」へ立ち寄ります。なかなか勇ましい名前のこのポイントは、ゴツゴツした岩場が小さく荒々しい滝壷となっている西脇市の観光スポットでして、ここの川でとられるアユがこれまたうまいんです。近くの食堂で食べられる「アユの塩焼き定食」はかなりオススメですね。機会があればぜひお試しください。川辺に行くとアユ釣りをしている人を見かけますが、こないだ訪れたときには角切りにしたサツマイモをエサにアユ釣りをしていたのには驚かされました。

イメージ闘龍灘を後にし、姫路に向かって国道372号線を南下します。この道は姫路から篠山までをつないでいる「デカンショ街道」と呼ばれる快走ルートで、今回初めて走ったのですが、車の交通量は少なく、牧歌的な田舎の風景も楽しめてなかなかいい道でした。僕が通ったのと逆方向に向かえば、丹波を抜け京都府亀岡市の方まで続いているそうで、このルートも気持ちいいと聞いています。途中、何組ものツーリングチームとすれ違ったので、兵庫県西部の人には知られた道なのでしょうか。山を覆っている森や林も少しずつ赤茶けてきて、秋らしい景色のなかを気持ちよく走れました。また、JR社町駅のすぐ近くで、コスモスが一面に咲き誇る花畑を発見。特に花に対して興味を抱くことのない僕がつい寄り道してしまうほど、一帯が鮮やかなピンク色で敷き詰められていました。ココは一見の価値アリです。

観光の定番・姫路城天守閣
秋の名所・書写山圓教寺を登る

イメージ国道372号線を走り抜けて姫路市内に到着した僕がまず向かったのは、姫路観光の定番・姫路城です。小学生以来、約20年ぶりに天守閣まで登ったのですが、改めて見つめなおしてみると「ホンマに美しい城やなー」と思わされました。僕がここ以外に訪れた城の数などたかが知れていますが、さすが世界遺産に登録されるだけあって、趣深い情緒が漂っています。昔の姿そのままに保存されている城内には長い歴史を感じさせる雰囲気があり、感慨のようなものを抱いてしまいました。うーむ、俺も歳をとったな…。それにしても、欧米系からチャイニーズと外国人観光客の多いこと多いこと…。さすがは世界遺産。姫路城で1時間ほど過ごし、次の目的地に向かう前に少し腹ごしらえを。駐車場付近にはお土産屋から食堂といろいろ揃っていますが、僕が軽食にオススメしたいのが「たこ棒」(1本200円也)。タコを練りこんで揚げただけのシンプルなものですが、同じ兵庫県は明石の名産、タコをぜひ食べておきましょう。ちなみにお店のおねーちゃんに「これ、明石のタコですよね」と聞いたら、曖昧な返事しかいただけませんでした。ま、そこはご愛嬌で。

イメージ次の目的地「書写山圓教寺」は、姫路城から10分ほど北上したところにあります。ロープウェイで山頂まであがるこの寺院群は、ハリウッド映画『ラストサムライ』の舞台にもなったことで有名ですが、紅葉の名所としても知られています。僕が訪れた11月初旬で少し赤く色づいていた程度なので、レポートがアップされる11月半ばには最盛期を迎えているんじゃないでしょうか。ちなみにこの書写山、かなり険しい山道が続いており、一周するだけでも1時間以上かかります。覚悟して訪れてください。そのかわり、静寂と荘厳さに包まれた独特の雰囲気は、身も心も穏やかにしてくれる有り難さがあります…やっぱ歳とったな、俺。『ラストサムライ』ネタをもう少し紹介しておきましょうか。渡辺謙扮する侍の居城として使われた、ここにある大講堂はわりと知られているかと思いますが、そのすぐそばにあるお茶屋さんは、トム・クルーズの楽屋として使われたそうです。「だからどうした」といわれると返す言葉もありませんが、ヒマな人は立ち寄ってみてください。

イメージ最大のメインスポットでとことん笑い
龍野で秋の夕暮れをめでる

書写山をあとにし、次に向かうは姫路イチの珍所と言っても過言ではない「太陽公園」です。書写山から中国自動車道沿いに15分ほど走ったところにあるこの公園には、中国の万里の長城に天安門広場、兵馬俑のほか、巨大ハニワや自由の女神、エジプトのピラミッドなど、石で作られた世界各国の遺跡の贋作が所狭しと並べられているのです。最初、ここを訪れるのはあまり気乗りがしませんでした。中途半端な贋作が寂しく並んでいるだけの場所だろうなぁと思って、期待していなかったからです。

イメージしかし…いざ訪れてみると…これが抱腹絶倒モノといっていいほど面白い。僕は以前、中国にある本物の兵馬俑博物館や万里の長城を訪れたことがありまして、それらとは比べるべくもないのですが、潔いまでのニセモノっぷりです。まずは万里の長城。レプリカを作るとしても、普通2キロも作りますか? そして、あきらかに作りすぎたであろう兵馬俑が、あるはずのない場所に陳列されているのです。万里の長城で兵馬俑が雑談を交わしているように並べられているのには笑わせていただきましたね。また、公園内にごく普通に並べられているモアイ像、よーく見るとなぜか目がパッチリ。ちゃんと白目がありますよ。今回のツーリングでもっとも面白かったところはどこかと聞かれれば、迷わず太陽公園を挙げます。姫路城で見かけた中国人の団体ツアーの皆様にもぜひお越しいただきたい名所です。ひとつだけ注意点を挙げるならば、2キロある万里の長城を登りきっても、死ぬほど疲れるだけで大した収穫はないということです。

イメージ太陽公園でとことん笑ったあとは、いよいよシメです。ここからさらに西へ進み、たつの市へと向かいます。ちょうど小腹が空いてくるアナタにオススメなのが、「揖保乃糸資料館 そうめんの里」内のレストラン「庵」でしか食べられない珍品「明太シラス」です。からっと揚げたそうめんのかたまりの上にシラスをまぶし、さらに明太子をトッピングした意味不明の一品ですが、これがうまい。もちろんたつの名物“にゅうめん”をお召し上がりいただいても結構ですが、関西人を自認するのであれば、ネタとしてぜひ試しておきましょう。さて、たつのといえば、「そうめん」、「醤油」と「赤とんぼ」。童謡「赤とんぼ」の作詞者三木露風の生まれ故郷ということで、町のあちこちに赤とんぼゆかりの名所があります。訪れたのはちょうど夕暮れ時だったので、僕は昔の城下町風景が残るたつの市街を走り抜け、国民宿舎「赤とんぼ荘」が建つ丘へ行きました。ここには「童謡の小径」という場所がありまして、丘の上からたつの市街が一望できるのです。赤とんぼゆかりの地で夕暮れを見る…なんて演出を試みたわけですが、そんなにうまくいくわけもなく、夕日は曇り空の向こうに沈みました。ちょうどこのとき17時になり、この丘に設置されたスピーカーから「赤とんぼ」が…。小学校時代を思い出しながら、「さて、帰るか」と、姫路バイパスに入り帰路につきました。

久しぶりに姫路を訪れたのですが、これほど面白くて見どころ満載の街だったとは今まで気づきませんでした。バイクに乗っていると、つい通り過ぎてしまう姫路ですが、あらためて足を運んでみると、また違った発見があることを教えてくれました。たまにはこんなツーリングもいいもんですね。皆さんも姫路に限らず、大阪の通天閣など、近すぎて行っていないところに足を運んでみると、結構面白体験できるかもしれませんよ。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

姫路城

住所/兵庫県姫路市本町68

電話/079-285-1146

営業/9:00~17:00(入城は16:00まで)

※5~8月は9:00~18:00(入城は17:00まで)

定休/12/29~31は休城

料金/大人600円、5才~中学生200円

URL/姫路城

書写山圓教寺

住所/兵庫県姫路市書写2968

電話/079-266-3327

URL/書写山圓教寺

太陽公園

住所/兵庫県姫路市打越1340

電話/0792-66-5845

定休/年中無休

料金/ 大人500円、小人300円

営業/年中無休(夏季9:00~17:30、冬季9:00~17:00)

URL/太陽公園

揖保乃糸資料館 そうめんの里

住所/兵庫県たつの市神岡町奥村56番地

電話/0791-65-9000

営業/9:00~17:00

定休/月曜

料金/大人300円、中・高校生200円、小人100円

URL/揖保乃糸資料館 そうめんの里

Mr.Crazy Tiger
プロフィール
Mr.Crazy Tiger

1975年生まれ、兵庫県尼崎市在住。トライアンフ 2004 ボンネビルT100所有。「生涯クラシック一筋」をモットーに、フットボール、ロック、阪神タイガースを愛する。常に新しいツーリングルートを開拓しようと、野に山にと走る行動派。

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