掲載日:2024年05月03日 フォトTOPICS
取材協力/日本自動車輸入組合 写真・文/小松 男
毎年恒例となった大磯ロングビーチにて開催される日本自動車輸入組合主催の第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会が2024年4月10日、11日の2日間に渡り開催された。
このイベントはインターネットや雑誌など様々なメディア関係者に向けて行われる試乗会であり、日本国内で販売されている世界各国の主要バイクメーカーの最新モデルが一堂に集う。今回はその中からKTMグループブース(KTM、ハスクバーナ、GASGAS、MVアグスタ)の様子をお伝えしよう。
KTMは言わずもがなオーストリアを代表するスポーツモーターサイクルメーカーであり、同国に本拠を置くPIERERモビリティグループの筆頭ブランドだ。KTMに続いてハスクバーナ、GASGASとグループに参画し2022年にはMVアグスタも加わった。日本国内においてもKTMジャパンがMVアグスタを取り扱うようになったことで、今回のJAIA試乗会から4ブランドを出展したのだ。
出展された車両はどれも強いキャラクターを持つモデルであり、それらを見て回るだけでもワクワクする。まずKTMは誕生30周年を迎えたデュークシリーズ、890SMT、さらにアドベンチャーシリーズで固めてきた。ストリートで見かける機会も多くなったハスクバーナは、ヴィットピレン401、スヴァルトピレン401と250、そしてノーデンが並ぶ。GASGASは公道走行可能モデルのSM700。そしてMVアグスタはスーパーヴェローチェ98、ツーリズモヴェローチェLUSSO SCS、ブルターレ1000RR(展示のみ)が用意された。
メディア関係者であってもなかなか触れる機会が少ないモデルも多く、イベントではどのモデㇽも引く手あまただった。それでは各車両の紹介と、今回試乗を行ったスヴァルトピレン401のショートインプレッションをお送りしよう。
スウェーデンで生まれたハスクバーナは、かつてオフロードモデルに強いブランドとして周知されていた時期もあったが、2018年にヴィットピレンと、このスヴァルトピレンというロードモデルをマーケットに送り込み、その北欧らしいシンプルかつぬくもりを感じさせる特徴的なデザインでライダーの心を掴んだ。
フレームやエンジンは同グループのKTMスモールデューク系と同様のものを採用しているが、明らかに差別化が図られているのもポイント。スヴァルトピレン401はワイヤースポークホイールにブロックタイヤを履かせトラッカースタイルで纏め上げられているモデルだ。
2024年モデルではエンジン、シャシー、足まわり、すべてにおいて新設計とされたフルモデルチェンジが行われた。排気量は399ccまで引き上げられたDOHCシングルエンジン、フレームディメンションの再設定やスイングアームの剛性適正化、さらにはリアサスの搭載位置の変更などなど、約90%ものパーツが新設計となっている。
走り出してまずエンジンの吹け上がりが軽くなったと感じた。最高出力が45馬力とパワフルになっているのに加えて中間回転域でのトルクが向上しており、軽量コンパクトな車体と相まって、振り回すような走りがさらに楽しめるようになっている。
個性的なスタイリングは従来モデルを踏襲しているが、走りに関しては見た目ほどのクセの強さは無く、むしろ扱いやすいスポーツバイクという感じである。ライディングモード切り替え機能や調整機構付きWP製APEXフロントフォークの採用など、装備面も充実。普通自動二輪クラスの中でも秀でた質感や高級感を持つ一台に仕上がっている。