掲載日:2018年01月15日 プロが造るカスタム
取材協力/レッドモーター
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2016』に掲載された内容を再編集したものです
純正流用というと、今ではフォークやスイングアーム、ブレーキまわりなどをフル移植するというケースが比較的多い。だが、1980年代あるいは1990年代初頭の『純正流用』と言えば、エンジンの内部パーツ(ピストンやバルブなどを4輪から流用するケースもあった)や足まわりパーツなどを、それと気づかせないように入れ替える、というような意味を持っていたように思う。加工が必要な場合もあれば、完全ボルトオンで付いてしまう場合もあったが、そういったノウハウを知り尽くしているショップは、うるさがたのマニアからも一目置かれていたものだ。
レッドモーターも、そんなノウハウを膨大に持つショップのひとつ。一連のRZ改を見れば、その手腕は一目瞭然だろう。ここで紹介する車両はFZ750にFZR1000(3GM)エンジンを搭載し、足まわりもヤマハ系で変更するという、比較的ポピュラーなパターンで作られた1台だが、もちろん言うほど簡単にできるわけではない。
エンジン換装と足まわり変更に合わせ、フレームは8カ所を補強、さらにメインフレームの剛性アップも行っている(仕上げは西村コーティングのダイヤモンドコート)
「FZR1000エンジンにしてもボルトオンで載ると思ってる人が結構多いんですけど、ラジエーターの取り出し口をカットして付け直したり、いろいろ加工しないと載らないんですよ(笑)。この車両のようにTMRキャブなんか付けた日にはクリアランスも超ギリギリで、きれいに収めるのは至難の業。それを感じさせないのが僕らの役目なんですけどね」そう語る同店代表・中村さん。
3GMのエンジンにはオイルクーラー用の取り出し口がないため、取り出し口のあるFZR750のオイルパン(絶版)を入手、内部経路の加工を行った上で取り付けている。さらっと見える外観の裏には、こんなプロの仕事が光っているというわけだ。
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