掲載日:2015年04月24日 プロが造るカスタム
取材協力/タジマエンジニアリング(TEL 092-511-3931)
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです
「CB1100Rはあまり好きではなかったんですよ。それにカウル付き+スポーツ性というCBなら、もうウチではRS(Fベースにサブフレームを追加、RCB形状の外装を載せたデモ車)を完成形として作ってましたから」。
今回新たに作り上げたCB1100RRを眼前にして、タジマエンジニアリング(以下タジマ)の田島歳久さんはそう言う。
「このRは遠方のユーザーさんがそのRSや、ウチのこれまでのコンプリートを見た上で手法に賛同して、オーダーしてくれたんです。ならば、Rでどこまでできるのか、これも盛り込むことにしました。RSは完成後もう2万km、いろんな人にいろんな場所で乗り込んでもらったけど、そこに入れてなかった内容もプラスしようと。普通に作業を始めたんですけど、カウルを仮付けするあたりから俄然“いや、これは相当にカッコイイぞ”と思うようになりました」
追加された内容は、まず倒立フォーク。これにセパレートハンドルを組み合わせる。先述のRSでは正立フォーク+セパレートハンドル、他のコンプリートではバーハンドル。選ばれたフォークと足まわりは、最新スーパースポーツ=2013年型CBR1000RRのそれだ。でも、ただ加工流用で取り込むのではない。
「単に倒立にするだけでは、全長が短くて前下がりになるなどネガがありますから、それは消す。車勢自体はRSで得た数値が良好と分かっていましたから、それに近いところを狙い、自由長795mmで仕上げました。同時に内部も改修し、SS的な前傾姿勢で気になるハンドルから手へのショックも和らげました」
17インチ化に際しても今回は最新の軽量鋳造ホイールが入るし、ブレーキ系もモノブロックキャリパーが使える。タイヤも現行品のS20を履く。
「S20は特性が良くて晴れでも雨でも多くのシーンで安心できるし、外径も18インチに近いので使いやすいんです。フレームもRSで同じBSのR10を履いてサーキット対応も確認していますし、今回の倒立でも対応可能なことも確認できましたね」
エンジンも、大幅な加工こそ行わないものの、ピストンへのコーティングやポート加工、軽量クランク加工など現代モデルが受けるような加工を施している。これもRS完成後にタジマでトライ→メニュー化してきた内容で、CB-RR製作と同時に、RSにもフィードバックされた。
最新足まわりも取り込んだこのCB-RR、“今後20年経っても陳腐化しない”コンセプトをもって完成となった。この完成で、CB-F/Rシリーズは快走ディメンションを構築できたと言えるのではないか。
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