しゃぼん玉 GPZ900R(カワサキ GPZ900R)

掲載日:2015年04月21日 プロが造るカスタム    

取材協力/しゃぼん玉 本店

記事提供/ロードライダー編集部

※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです

SHABON-DAMA GPZ900R(KAWASAKI GPZ900R)

過去の歴史を踏まえながら
ニンジャの本質を問い直す

80年代後半以降、四半世紀以上に渡ってカスタムされ続けてきたGPZ900Rニンジャ。当初は直後の後継機、1986-1987年式GPZ1000RXからのエンジン流用、ピストン変更による972cc仕様などが代表的なモディファイだったが、その後、アフターパーツや流用可能なパーツが増えるに従って、バリエーションも広がった。GPZ1100/ZRX1100系エンジンへの換装はもちろん、ダウンドラフトヘッドのZZR1100エンジンを搭載(そのまま積むには干渉を避けるタンク裏加工、エンジンマウントワンオフなどが必要不可欠だが)するようなカスタムさえも、作られてきた。

「はっきり言って、ニンジャカスタムって『やり尽くした感』がありますよね。でもだからこそ、ここでニンジャらしさって何だろうって考えることは、意味があるんじゃないかと思うんですよね」。そう言うのは、自らもニンジャ改を長年所有する、しゃぼん玉本店の店長・周藤さんだ。

「エンジンだって簡単に積み替えられるし、クランクをZZR純正に変更するなんていうことも、まったく普通のこととして、できてしまう。でも、今回ウチでデモ車(この車両は2013年の東京モーターサイクルショー用に製作された)を作るにあたっては、そこのところにもこだわりたいなと思ったんです。エンジンはニンジャベース。排気量も1,050ccくらいだから、フレーム補強などは、なしでいく。もちろん、それなりの対応はしてますけど」(周藤さん)

たとえば、この車両では前後サス、スイングアーム、ステムなどの変更と同時に前後アクスルシャフトをベータチタニウム製ワンオフ品(一般的なシャフト+カラーの別体式ではなく、ワンピース構造)に、ピボットシャフトとエンジンマウントはクロモリ鋼でワンオフしている。見た目が大きく変わるモディファイではないが、走行時の剛性感アップ、ハンドリング特性の向上などには確実に効く。さらに今回の車両ではリヤタイヤも、あえて60扁平(タイヤサイズは180)をチョイス。これは通常の55扁平よりも若干タイヤハイトが高くなるため、リヤアーム垂れ角を適正化できるというメリットを狙った。いろいろな意味で、より本質的なアプローチとなっているわけだ。

「意外な部分で悩んだのが、カラーリングですね。純正色の色替えっていうのは80年代とかによくあったパターンで、いかにも当時っぽいパープルと、今どきっぽいオレンジを組み合わせてみました。これを決めるのに、ひと月くらいかかったんですよ(笑)。でも、苦労の甲斐あって、ちょっとない色になりました」(同)

一方でこれにこだわらず、同店ではZRXエンジン換装、ZZRパーツによる流用改なども積極的に手がけている。カスタムにこれしかないという「正解はない」ということだ。

SHABON-DAMA GPZ900R(KAWASAKI GPZ900R)の詳細は次ページにて

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