掲載日:2019年05月30日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/中村 友彦 写真/伊勢 悟
車名は変わっていないものの、新生W800はほぼブランニューモデルで、従来型との共通部品はわずかしか存在しない。まず空冷バーチカルツインエンジンは、ベベルギア+バーチカルシャフトを用いたカム駆動や、77×83mmのボア×ストロークに変更はないけれど、構成部品の約90%が新作になっている。一方のシャシーに関しても、スチール製ダブルクレードルフレームの基本形状は従来型を踏襲しているが、剛性向上を実現するため、ダウンチューブやシートレールの肉厚を変更。つまり新生W800は、人間で言うなら心臓と骨格に相当する部位に改革を施し、基礎体力を大幅に高めているのだ。
新生W800の足まわりで最初に目を引くのは、ドラム→ディスク化されたリアブレーキだろう。とはいえ、インナーチューブをφ39→41mmに拡大したフロントフォーク、外径をφ300→320mmに変更したフロントブレーキディスク、設定を見直したリアショック、サイズを2.50×19/2.75×18→2.75×18/3.00×18に刷新したホイールなど、実際にはほぼすべてのパーツが新作になっている。なお従来型の前後タイヤは、旧車界の定番になっているダンロップTT100GPだったものの、新型は同じダンロップでハイグリップ指向のK300GPを採用。
内部が6室に分かれたLED式ヘッドライトはZ900RSと共通のデザインで、コンパクトなビキニカウルはカフェならではの装備。ペイント仕上げの前後フェンダーは、メッキ仕様だった従来型と比較すると、かなり軽快なデザインに変更された。なおカフェのシート高は従来型と同じ790mmだが、ストリートは20mm低い770mm。1,465mmのホイールベースは従来型と同様だが、キャスター/トレールは27度/108→26度/94mmに変更されている。
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