掲載日:2019年04月26日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/淺倉恵介
カムシャフトはプロファイルを変更しバルブタイミングを最適化、ピストンも新設計とされる。エアクリーナーボックスは内部構造を変更し、エアクリーナーエレメントの開口面積を約1.7倍拡大。最高出力は従来モデル比で5PS向上、最大トルクに変更はないがフラットで扱いやすいトルク特性を実現している。
エキゾーストパイプは、往年の名車CB400Fourを思わせるレイアウト。CB650Fのデザインアイコンともいえるパーツだ。テールパイプ径が大径化され排気効率が向上。排気音がライダーに聞こえやすいように、テールエンド部は斜め上に向けられている。排気音量は抑えながら、爽快なエキゾーストノートを楽しめる。
オプションでクイックシフターが用意される。装着すればシフトアップ時にクラッチ操作が不要で、素早いシフトチェンジが可能となる。全開加速時には力強い武器となるので、スポーツライディング派には見逃せない装備。他にも様々な純正アクセサリーがラインナップされている。
ブレーキキャリパーはラジアルマウントタイプを採用。Φ310mmの大径ブレーキローターとの組み合わせで、高いストッピングパワーと柔軟なコントロール性を両立。ABSは標準装備される。ホイールは新デザインの5本Y字スポーク。剛性の最適化を行うことで各部を薄肉化、従来モデル比でフロント440g、リヤ530gの軽量化を実現。
フロントフォークは、スポーツバイクであることを主張する倒立タイプを新採用。バネ下重量の軽減と、高剛性化によりハンドリングの向上を果たしている。また、トリプルツリーのボトムブリッジがアルミ鋳造製となり、マシンの質感を引き上げている。
ハンドル位置は、従来モデルからハンドル1本文ほど、前方かつ下方に移動。上半身が軽く前傾するスポーティなポジションを構築する。メーター位置は低く、上体を起こしている時は視線移動が大きく、身体を伏せた時には自然と視界に入る位置。ディティールもスポーティなのだ。
リアショックユニットはプリロードのみ調整可能、調整はクリック式を採用。サスペンションはリンクを持たないカンチレバー式モノショックを採用している。
スイングアーム形状は左右非対称。ドライブチェーン側はストレート形状だが、マフラー側はサイレンサーを避けるように、緩やかなカーブを描いている。
リアブレーキは、片押し1ピストンキャリパーにφ240mmのブレーキローターを組み合わせる。ストッピングパワーは、必要にして十分なレベルを確保している。
ヘッドライトはLED。ロービームでは下半分とリングが点灯、ハイビーム時は全てが点灯する。デザイン上大きなアピアランスとなっているシュラウドは、内部にエアクリーナーボックスへの吸気経路が設けられ、効率良くフレッシュエアを導く。
コンパクトでスタイリッシュなテール周り、テールランプにもLEDを採用。緊急時に、ABSモジュレーターが急ブレーキを察知すると、ハザードランプが高速で点滅し、周囲に注意を促すエマージェンシーストップシグナルを装備。
シートはライダーとパッセンジャーで分割。座面は固めだが、長距離走行でも疲れにくい。パッセンジャー用のシートは比較的座面が広く、緊急時だけでなくタンデムライドを楽しむことができる。
パッセンジャー用のシートは脱着式。シート下には小物入れスペースを備えている。容量はさほど大きくないが、ETCの車載機を設置したとしても、他に携帯電話や充電器程度なら収納できそう。
メーターはフルLCD。スピード、エンジン回転数、時計、水温計、ギヤポジションは常時表示。下段左は、瞬間燃費、平均燃費、燃料消費量、平均車速、経過時間、リザーブ燃料消費量を切り替え表示。下段右は、オドメーター、ツイントリップメーター、デジタルタコメーター、リザーブ距離計を切り替え表示。
左ハンドルスイッチ手前側には、ヘッドライトHi/Lo切り替え、パッシング、ホーン、ウインカー、ハザードの各スイッチを装備。逆側のスイッチはHSTCのOn/Offスイッチ。右側ハンドルスイッチにはスターターとキルスイッチを装備する。
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