【ホンダ CB650R試乗記事】 乗り手を昂ぶらせる加速感に耽溺、ネイキッドスポーツ期待のニューモデル

掲載日:2019年04月26日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/淺倉恵介

ホンダ CB650R 試乗インプレッション

どこから開けてもツイてくるエンジンが魅力
攻めた走りでこそ本領を発揮するパッケージ

ホンダ CB650Rの試乗インプレッション

一見すると大柄で、乗り手を構えさせる印象があるが、実際に触れてみればCB650Rの車体はコンパクト。車両重量がとりたてて軽量というわけではないにも関わらず、幅が広いバーハンドルのおかげか取り回しは意外なほど軽い。自分は、取り回しの良し悪しを非常に重要なものだと考えている。自宅から出発する時、出先でバイクを停め再び動き出す時等々、バイクに乗る上で取り回しは避けて通れない。取り回しを億劫に感じさせるバイクは、走る機会を減らすものだ。その点、CB650Rは好印象。これならいつでも”バイクに乗ろう”という気にさせてくれる。

ホンダ CB650Rの試乗インプレッション

足つき性はネイキッドとしては標準的なもの。身長163cmで、足も短い自分でも足の裏半分ほどは接地する。日本人の平均的な身長があれば不安に感じることはないだろう。個人的に気になったのはハンドル。やや遠く、上半身の前傾は強め。もっとも前傾ポジション自体は適度だし嫌いではない、広いハンドル幅と浅い絞り角度だ。欧州車のストリートファイターモデル的なハンドルで、遠さと腕の突っ張りを感じる。これが走りにどう影響するか?

ホンダ CB650Rの試乗インプレッション

クラッチを繋ぐと、なかなかにトルクが太く、しかも粘る感じが強い。低回転からでも、適正なギヤを外していても、スロットルを開くとズズズイッと加速してくれる。レスポンスは俊敏というほどではないが、開けた分確実にマシンを前に進める力がある。吹け方といい加速感といい、リッタークラスのようなテイストなのだ。排気量の近い600ccスーパースポーツは、ただただ鋭く軽く吹ける高回転型だ。だが、CB650Rのエンジンは重厚に吹ける、クランクの存在を感じられるのだ。これがなんとも気持ち良い、近頃のエンジンには珍しいキャラクターだ。

ホンダ CB650Rの試乗インプレッション

ハンドリングはニュートラルで、エンジン特性に見合った手応えのあるもの。安定性は十分に確保されているが、決して鈍重ではなく曲がろうというライダーの意思にしっかりと反応してくれるのがポイント。このマシンで、一番面白いのはコーナーの立ち上がり。リヤタイヤに荷重をかけ思い切りスロットルを開けてやると、乗り手に伝わってくるトラクションが快感の一言だ。気になっていたハンドルも、攻めた走りでは押さえ込みが効いて丁度良い。上半身を思い切り伏せると、ベストマッチなハンドルなのだ。走ってみて理解できた、CB650Rの真髄はスポーツライディング。”R”の称号に相応しいスポーツバイクなのだ。

ホンダ CB650Rの試乗インプレッション

ホンダ CB650Rの詳細写真は次ページにて

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