

掲載日:2012年04月12日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 撮影/渡邉 英夫(MOTOBASIC)
ボディカウルと一体化したデザインのフロントマスク。ウインドスクリーンはボルトを緩めれば上下に調整可能。小ぶりだが意外とエアプロテクション効果は高く、顔や首まわりにまとわりつく走行風を程良く整流してくれる。
4輪のフィット用エンジンがベースになったと言われる、新開発PGM-FI採用水冷4ストロークOHC並列2気筒669ccエンジン。低回転域から豊かでフラットなトルクを発揮するとともに、270度位相クランクにより、味わいある鼓動感を実現。燃焼効率を徹底追求したロングストロークタイプとし、燃焼室形状やバルブタイミングの最適化、低フリクション化などにより、41.0km/Lの優れた低燃費を実現。
ニューミッドコンセプトシリーズの重要なテーマである “車体レイアウトの自由度と利便性の高いスペース” を生み出すために、エンジンはシリンダー前傾角62度(車両搭載角)で搭載。これにより従来のタンク部分にラゲッジスペースを確保。フレームはエンジンを吊るタイプのスチール鋼管のダイヤモンドフレームを採用。
フロントブレーキは制動力と放熱性に優れるウェーブ形状のハプレスタイプ、φ320mmシングルディスク&ニッシン製3ピストンキャリパーを採用。フットブレーキを操作すると前後輪が連動するコンビブレーキシステムに、ABSを組み合わせた「コンバインドABS」をタイプ設定。写真はABS装着車。
リアもフロント同様、ウェーブ形状のハプレスタイプ。コンバインドABSにより、リアだけでも相当な制動力がある。リアアクスル上部に見えるのがABSセンサーだ。
サイレンサーは前方部分にヒートガードを装備したステンレス製でグレード感もなかなか。排出ガスの浄化効率を高めるエキゾーストポート直下配置のキャタライザーを導入し、PGM-FIとあいまって優れた環境性能も実現している。
シートは前後2分割タイプ。ツーリングからスポーツ走行、タンデム走行まで多様なシチュエーションに対応したデザイン。パッセンジャーの使い勝手に配慮した、左右別体式のタンデムグリップを装備する。
通常燃料タンクが配置される場所には、フルフェイスヘルメットも収納可能な容量21リットルのラゲッジスペースを確保。内部には車載工具を設置するスペースも設けられている。ラゲッジスペースとリアシートの開閉はメインキーと共有。
リアシートを開けると、容量14リットルの燃料タンクが格納されている。給油キャップは昔ながらの捩じ込み式で、外観から見えない部分は徹底してシンプルに作られているのが特徴だ。リアシート下にもほんのわずかなスペースがある。
ラゲッジスペース側面の、ウイングマークが入った部分は無塗装の樹脂製パーツが使われている。ここは転倒したときに当たる部分で、傷付きにくく擦りキズなども目立たない素材をあえて採用。こんなところにも、ユーザー目線に立った作り込みがされているのが嬉しい。
ライセンスプレートホルダーと一体のテールランプは車体から独立したデザイン。ディテールにもコンセプトの新しさを強調するデザインワークの斬新さが光る。
視線移動が少なく、視認性に優れるフローティングマウントのフル液晶タイプコンビネーションメーター。速度はデジタル表示、回転数はバーグラフで表示される。ホンダ独自の盗難抑止機構「H・I・S・S(Honda Ignition Security System)」を搭載。
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