カワサキ Z1000
カワサキ Z1000

カワサキ Z1000 – カワサキ渾身のビッグネイキッド

掲載日:2010年04月22日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

カワサキ Z1000の特徴

カワサキ Z1000の画像

スペックに表れない刺激と快感を求め
新設計コンポーネンツを惜しみなく投入

2010年型Z1000の開発にあたってはビジュアルインパクトとライディングインパクトの両面がテーマとされた。具体的には、スーパースポーツのカウルを剥ぎ取るという安直な手法とは無縁の独自性のあるデザインと、ストリートでスポーツする快感を追求したモデルとなっている。そのため、ありとあらゆるパーツやコンポーネンツがゼロからの新開発だ。

排気量を2009年型の953ccから1,043ccまで拡大、強大なトルクと鋭いレスポンスが持ち味となっている水冷4ストローク4バルブDOHC並列4気筒エンジンは、77.0ミリX56.0ミリとボアを小径化したうえでロングストローク化。内径38ミリに拡大したダウンドラフトスロットルボディや、やや長めのエアファンネルなどと組み合わせ、スロットルレスポンスの絶妙なタイミングやパワー感を追求したとしている。つまり、丁寧に扱わないとギクシャクしてしまうほどのアグレッシブなキャラクターは、意図的に与えられたものだったのだ。

カワサキ Z1000の画像

剛性感豊かな車体も新設計。グリグリと回転するクランクシャフトの存在を伝える味わいは、エンジンを車体構成メンバーとしつつ、マウントを3箇所から4箇所に増強したメインフレームによるところが大きいと思われる。ねじれ剛性を約30%アップしつつも、単純なツインスパータイプではなく、メインチューブがシリンダーヘッド上方を回り込むバックボーンタイプとしたことは、水冷エンジンらしい造形の主張や、意外なほど良好な足つき性にも貢献している。また、リアフレームがアルミダイキャスト3ピースタイプへと変更され、先代よりもマスの集中と質感の向上が図られた。

前後足回りは、41ミリ径のインナーチューブを持つ倒立フロントフォークと、水平近くまでレイダウンされたガス封入式ホリゾンタルバックリンク式サスペンションの組み合わせ。リアの圧側を除き、ダンパーとプリロードは全て調整可能だ。リアサスはリザーバータンクが廃止されたが、そのレイアウトとリンク機構によりエンジン熱の影響が回避され性能の安定化が図られたほか、マスの集中化にも貢献している。ブレーキ関連は、300ミリ径ペータルディスクとラジアルマウント対向4ポッドキャリパーによるフロントダブルディスクブレーキ、リアは250ミリ径ペータルディスクにピンスライド式1ポットキャリパーと強力スペックが並ぶが、意外にも穏やかで市街地走行にもマッチするキャラクターであるのは前述の通り。

カワサキ Z1000の画像

そのほか、切削加工されたホイールやステップ、角度調整可能なメーターユニット、エキセントリック式チェーンアジャスターなど各部パーツの質感や機能性も高い。タンク両サイド、ハニカム状のグリルを持つクールエアシステムは吸入空気温度を安定させる機能パーツだが、心地よい吸気音を奏でる演出も効いている。細部に渡る配慮から、カワサキの意気込みが伝わってくる1台である。

カワサキ Z1000の詳細写真は次ページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索