カワサキ ZRX1200 ダエグ
カワサキ ZRX1200 ダエグ

カワサキ ZRX1200 ダエグ – スポーツ指向ビッグネイキッドの最右翼

掲載日:2013年03月21日 試乗インプレ・レビュー    

取材・撮影・文/淺倉 恵介

カワサキ直4マシンの象徴『Z』の血統
スポーツ指向ビッグネイキッドの最右翼

カワサキ製ビッグネイキッドのフラッグシップとして君臨するZRX1200DAEGは、コンパクトな車体に熟成を重ねたGPZ900R系エンジンの最終進化版とも言えるエンジンを搭載。ビッグネイキッドらしからぬ、高い運動性が魅力の1台である。2009年のデビューから大きな変更は施されずに生産が続けられているが、それは高い完成度をもって市場に送り出されたことの証明でもある。2013年は、カワサキ直列4気筒ビッグマシンの祖、『Z1』が誕生してから40周年という節目の年。ZRX1200DAEGのラインナップにも、Z40周年を記念した特別仕様車が用意された。歴史に残る名車、Zの血統を受け継ぐ正当な後継者、それがZRX1200DAEGなのだ。

カワサキ ZRX1200 ダエグの特徴

日本国内での使用条件に的を絞り
中低速を強化した新エンジンを搭載

ZRX1200DAEGは、輸出仕様が存在した従来モデルと異なり国内専用車である。そのため性能/仕様の面で海外市場からの要求を考慮する必要がなくなり、日本の風土、使用条件に特化した設計が可能となった。それが如実に表れているのがエンジンである。φ79.0×59.4mmのボア×ストロークは先代のZRX1200Rと同一だが、シリンダーヘッドは大きく設計を変更。カムシャフトのプロファイルを、より中低速重視とし、合わせて吸気バルブ径を31.5mmから31.0mmに小径化。さらにバルブスプリングやロッカーアームの仕様変更でフリクションロスを低減するなどの改変により、扱いやすさとエキサイトメントを両立した低中回転域と、最高出力110PSというハイパワーを両立。ギアが6速となり、クロスレシオ化が進んだミッションとの組み合わせで、スムーズでスポーティな走りを実現している。

カワサキ ZRX1200 ダエグの画像

新採用となったインジェクションシステムには、ふたつのスロットルバルブを装備するデュアルスロットルバルブを採用。これは、ライダーが開度を直接操作するメインスロットルバルブに加え、ECUが開度調整を行うサブスロットルバルブを追加したもの。ピークパワーを増大させるためには、スロットルボディの内径は大きくとりたい。だが、大径のスロットルボディは吸入空気の流速が上がり難く、スロットルを急開してもエンジンの回転が同期して上がらなかったり、急激なトルク変動を発生させるなどの問題がある。デュアルスロットルバルブは、エンジンの状況とライダーのスロットル操作をECUが解析し、サブスロットルバルブの開度を自動調整。吸入空気量を最適化して、リニアで自然なレスポンスを手に入れている。

カワサキ ZRX1200 ダエグの試乗インプレッションは次ページにて

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