モトグッツィ ノルジェ1200GT
モトグッツィ ノルジェ1200GT

モトグッツィ ノルジェ1200GT – 伝統を受け継ぐエンジンと現代的な装備群

掲載日:2008年07月09日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

モトグッツィ ノルジェ1200GTの特徴

モトグッツィ ノルジェ1200GTの画像

伝統を受け継ぐエンジンと
現代的な装備群の組み合わせ

前述したように、ノルジェ1200GTの基本となったのはブレヴァV1100だ。こうして実車を目の前にすれば、カウルに隠されている部分が多くとも、その面影が色濃く残っていることが分かる。大柄な車体、辛うじて見えるシリンダーヘッドカバーから放たれる伝統的なエンジンの存在感、足回りやブレーキシステムなどに漂う現代的な雰囲気。これらが1台のマシンに混在し、伝統の重みを最新のデザインと装備で包み込んだような不思議な佇まいだ。また、控え目でシックなデザインを採用していたブレヴァV1100に比べると、美しくデザインされたカウル類や、デュアルヘッドライトを採用した顔つきなどから、スポーティかつゴージャスな印象が強調された外観となっている。

モトグッツィ ノルジェ1200GTの画像

ヘッド部分を一瞥しただけでモトグッツィのそれと分かるクランク縦置きのパワーユニットは、排気量1151ccまでスープアップされたエボルツィオーネエンジンだ。スロットルボディ45mm径のマレリ製インジェクションと組み合わされ、2バルブOHV形式ながら最高出力68Kw/7,250rpm、最大トルク96.2Nm/5,500rpmを発揮。いずれの数値もブレヴァ1100を上回り、豪華装備を搭載しながら244kgの乾燥重量はそれより13kg重いだけだ。また、フレームと足回りの構成はブレヴァV1100同様だが、45mm径インナーチューブを持つ正立フォークや、シャフトドライブ特有の挙動を抑制するサブアーム「Ca.R.C」を擁するリアスイングアームなど、ツアラーとしての走りを支えるスペックは十分に盛り込まれていると言えよう。モトグッツィ初となるABSを装備するブレーキには、フロントに大径ステンレス製フローティングディスクをダブルで装着。ブレンボ製4ポットキャリパーとのコンビネーションで安全かつ十分なストッピングパワーを実現している。リアはシングルディスクと2ポットキャリパーの組み合わせとなる。

ノルジェ1200GTのコンセプトを実現するために大きな役割を担っているのが快適装備の数々だ。スポーティ感を損なわないギリギリの大きさまで拡大されたウインドスクリーンは角度とともに高さも調節可能。横に大きく広がったアッパーカウルとともに、風だけではなく雨に対しても非常に有効に機能する。ライダーの膝や足元をカバーするサイドカウルの形状も、ロングツアラーとして相当念入りに設計されている証だと言えよう。また、時刻・気温などを表示する液晶表示やアナログ式の燃料計を備えるメーターパネル、独特の形状で適度な固さにセッティングされたシート、2段階に温度調節可能なグリップヒーター、軽く掛けることができるセンタースタンドなど、ツーリングモデルとしての武装は文句のつけようが無いレベルに達している。

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完璧なプロテクションを発揮するカウル

シリンダーヘッドを残し、車体はほぼフルカバーするサイドカウル。複雑な形状の凝った構造で、ライダーの足元まで完全なプロテクション効果を発揮する。悪天候時の雨や風に対して非常に有効な装備だ。

モトグッツィ ノルジェ1200GTの画像

大型スクリーンをもつアッパーカウル

大型スクリーンとともにライダーを保護するワイドなアッパーカウル。スクリーンは角度と高さが調節可能だ。内側には多機能メーターのほかABSのキャンセルスイッチなどがある。

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専用設計の大型パニアケース

スタイリッシュなパニアケースは標準装備。メインキーで施錠や取り外しが可能で、片側36リットルの大容量を誇る。オプションのトップケースによりラゲッジスペースをさらに拡大することも可能。

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Ca.R.Cを装備するスイングアーム

シャフトドライブ特有のテールリフトを抑制するサブアーム、「Ca.R.C」を装備するスイングアーム。140mmのストロークを確保しており、荷物を満載したタンデムツーリングにも対応している。

モトグッツィ ノルジェ1200GTの試乗インプレッションは次ページにて

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