掲載日:2011年03月04日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/中村 友彦
2002年にデビューした 250TR は、1970年代にカワサキが販売した同名のトレール車を現代の技術で復刻したモデルです。とはいえ “バイソン” という愛称が与えられたかつての TR が、レース参戦を視野に入れた本気のオフロード車だったのに対し、現代の TR のメインステージはストリート。車体が軽くスリムで、純正タイヤがブロックパターンですから、オフロードを走れないことはないのですが、悪路走破性には大きな期待を抱かないほうがいいでしょう。
250TR のベースとなったのは、1992年の登場以来、国内市場で高い人気を維持してきたクラシカルなスタイルのエストレヤです。ただし、大物パーツで実際に流用されたのは空冷単気筒エンジンだけで、スチール製セミダブルクレードルフレームやかつての TR を模した外装パーツ、フロント19/リア18インチのスポークホイールなどは専用設計。前後ショックや灯火類なども、エストレヤとは意匠の異なるパーツが採用されています。なお 250TR とエストレヤは、2007年型で気化器がキャブレターからインジェクションに変更されました。それに伴い2台の価格はプラス約3万5000円となりましたが、250TR の価格は依然として30万円代に踏み止まる39万9000円(ただしライムグリーン車は40万4000円)。この数字は現在の日本製 250cc では最安値で、250TR がロングセラーを続けている背景には、こういった事情もあるのかもしれません。
発売から9年が経過した 250TR は、中古車のタマ数が豊富で、程度や走行距離を問わなければ10万円代で購入することも可能です。チョッパー風やカフェレーサー風にカスタムされた状態で販売される中古車も多く、自分好みのスタイルならそういった車両を購入するのも面白いのですが、カスタム車の場合は後のメンテナンスで予想外の支出を迫られることもあります。購入時には、ショップスタッフの知識とノーマルパーツの有無を確認しておくべきでしょう。
2000年から発売が始まったFTRは、1980年代に生まれた悲運の名車、FTR250の復刻モデル。セミダブルクレードルフレームに搭載されるのは、223ccの空冷単気筒。
スタイルのモチーフとなったのは、1970年代に大人気を博したバンバン90。エンジンはジェベル200から転用した空冷単気筒で、リアタイヤはなんと180mm幅。
2000年に登場したグラストラッカーをベースに、オフロード色を強めたのがビッグボーイ。タイヤは前後18/17→19/18インチとなり、サスも専用設計品に変更。
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