スズキ グラストラッカー ビッグボーイ

掲載日:2011年03月09日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/髙野 英治

スズキ グラストラッカー ビッグボーイの画像
SUZUKI Grasstracker BIGBOY

前輪19、後輪18インチを採用
ちょっと大柄なのがビッグボーイ

グラストラッカー、その名の由来は『1970年代にアメリカで流行した、保安部品を外して草原を走り回るレースから』だそうです。'90年代の半ばに、ヤマハ TW200 を中心としたいわゆる “ストリート系カスタム” のブームが発生しましたが、これを受けてスズキも、空冷単気筒のボルティーをベースに、ストリートトラッカー戦線に参入したのです。2000年4月に発売された最初のグラストラッカーは、前輪18、後輪17インチのスポークホイールやアップハンドル、リア2本ショックを備えたごくオーソドックスな車体構成ですが、そのシンプルさゆえにカスタムベースとしては好適で、アフターマーケット製パーツも多く販売され、低価格も手伝って市場に受け入れられました。翌2001年には前輪19、後輪18インチにホイール径を拡大し、スイングアームを延長、よりワイドなハンドルバーも装着してひと回り大柄な車格とし、リアフェンダーまわりのデザインもアレンジされたバリエーションモデル、グラストラッカー “ビッグボーイ” が追加されたのです。2004年にはエンジンを ST250 と同系の SCEM (メッキシリンダー)採用、2バルブの新エンジンに換装(ボルティー系は4バルブ)してモデルチェンジ。さらに2008年9月には新騒音・排ガス規制に対応してフューエルインジェクションを採用し、この時両車とも始動はセルのみとなりました。さらに燃料タンク容量を2.4L増加させ、燃料警告灯も備えられ、これが2011年の現行モデルとなります。

グラストラッカーならびにビッグボーイの両モデルとも、これまで、それほど大がかりな改良や、装備の追加は行われてきませんでした。シンプルさが身上のモデルだけに抜本的に変わる必要はなく、キープコンセプトのまま、いつしかロングセラーとなったわけです。2009年末には専用カラーリングを施され、燃料タンクに記念エンブレムを装着した10周年記念モデルも発売されました。

中古車はグラストラッカー、ビッグボーイとも豊富なタマ数を誇り、人気を伺わせます。もともとの価格が安いので求めやすい相場を形成してもいますが、程度は千差万別。改造車も多いのが特徴で、初めてバイクを買う人にはできるだけノーマルに近く、走行距離も少ないものが無難と言えるでしょう。

スズキ グラストラッカー ビッグボーイのここがポイント!
  • ● グラストラッカーよりもひと回り大きな車格
  • ● カスタムパーツが豊富でいじりやすい
  • ● 初心者からベテランまで気負わず付き合える

スズキ グラストラッカー ビッグボーイのライバルはこれだ!

  • スズキ
    グラストラッカー

    前輪18、後輪17インチホイールを採用した「素」のグラストラッカー。車格はひと回り小さく、シート高もビッグボーイより40mm低い。よりコンパクトなのが欲しければこっちだ。

  • ヤマハ
    トリッカー

    コンセプトが異なるので直接のライバルとは言いがたいが、かなり小回りが利き、街乗りバイクとしての比較検討も一興だろう。ホイールは前輪19、後輪16インチ。

  • カワサキ
    250TR

    '70年代のオフロード車をイメージしてデザインされたモデルで、エンジンは空冷単気筒にリア2本ショックを備えるなど、ライバル要素は多い。中古も含めて価格も拮抗。

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