カワサキ ニンジャ400R

掲載日:2011年03月08日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/中村 友彦

カワサキ ニンジャ400Rの画像
KAWASAKI Ninja 400R

日本独自の普通免許市場を活性化した
400ccクラス唯一のフルカウル車

数年前までのカワサキは、ゼファーχ、ZRX、ZRX-Ⅱ、ZZR400、W400 と、5機種の 400cc を販売していましたが、排出ガス規制の強化によってこれらは徐々に姿を消していき、2010年になると、同社の 400cc は一時的に皆無になりました。こうした状況を打破するべく、2010年8月に登場したのが ER-4n とニンジャ400Rです。兄弟車として生まれたこの2台は、カウルとメーター(ニンジャ400Rがすべての情報を液晶パネルに表示するのに対して、ER-4nは速度計がアナログ式)以外のパーツがすべて共通で、スチール製トレリスフレームを筆頭とする車体は、海外向けの ER-6n /ニンジャ650R (欧州では ER-6f )とほぼ共通。この事実を知ると、“あまりコストをかけてないお下がりモデル”という印象を持つ人がいるかもしれませんが…。

1970年代の Z1/2 や1980年代の GPZ900R/750R、1990年代以降の ZZR600/400 といった例を見ればわかるように、輸出車をベースに日本仕様を製作するのは昔からカワサキの王道で、こういった経緯で生まれた弟分たちは、多くのライダーから支持を集めてきました。そして歴代日本仕様のキモとなったのが、エンジンのボア×ストロークの設定です。単に排気量を縮小するなら、ボアかストロークのどちらかを縮めるだけでいいのですが、その手法では理想の特性が得られないと考えるカワサキは、ボアとストロークの両方を短縮するという手間のかかる改善作業を行ってきました。その思想は現代にも受け継がれ、ER-6n/ニンジャ650R の 83×60mm に対して、ER-4n/ニンジャ400Rは 68.4×54.3mm という数値を採用しているのです。

DOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジンを搭載する ER-4n とニンジャ400Rが、冒頭で述べた5機種の代わりになるかと言うと、それは人によって判断が異なるでしょう。とはいえ、斬新なルックスとネイキッドならではの軽快感を持つ ER-4n と、クラス唯一のフルカウルを装備するニンジャ400Rが、縮小傾向にあった日本の 400cc 市場を活性化してくれたのは事実です。

カワサキ ニンジャ400Rのここがポイント!
  • ● ひと目でカワサキとわかる個性的なフロントマスク
  • ● 日本市場を考慮して、ややロングストロークとなったエンジン
  • ● 現状の400ccクラスでは唯一無二の液晶パネル式メーター

カワサキ ニンジャ400Rのライバルはこれだ!

  • ホンダ
    CB400SB

    2005年に登場したCB400SFのハーフカウル仕様。ハイパーVテックが投入された水冷並列4気筒やスチール製ダブルクレードルフレームは、標準モデルと共通。

  • カワサキ
    EX-4

    1994~98年に販売されたEX-4は、欧米で好セールスを記録したEX-5の日本仕様で、ニンジャ400Rのご先祖様。エンジンはGPZ900Rの設計を転用した並列2気筒。

  • カワサキ
    二ンジャ650R

    逆輸入車として購入できる400Rの兄貴分。400R+28psとなる72psの最高出力は魅力的だが、車体とのバランスは、パワーが控え目な400Rのほうが上かもしれない。

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