掲載日:2009年10月20日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
1980年代の終わりにゼファー400からはじまったネイキッドブームは、1990年に入り他の排気量にも伝播していきました。大半のモデルは前例にならいテイストを重視したものでしたが、カワサキが250ccクラスのネイキッドとして世に送り出した「バリオス」はそうではありませんでした。エンジンには当時の人気モデルだったZXR250用の高回転型パワーユニットを、ストリート向けにリセッティングして搭載。1991年のデビューモデルでは当時の規制値一杯の45馬力を15,000回転で発生させ、足回りにはユニトラック式のモノサスペンションと300mm径のディスクブレーキを備えるスポーティな1台となっており、若いライダーを中心に大人気モデルとなりました。
バリオスは1991年から1996年まで生産されていましたが、その間の特徴的な変更は2点。一つは、1993年に馬力の自主規制が見直されたため、最高出力が40馬力に抑えられたこと。もう一つは、1994年以降の車両に追加されたフューエルメーターです。カラーラインナップはシルバーやブラックをはじめとするソリッドな色が主流でしたが、最終型となる1996年式には個性的なツートンカラーを採用。塗り分けのパターンが独特なほかタンクロゴも変更されており、ベースとは随分違う雰囲気の仕上がりでした。このモデルを最後に後継モデルであるバリオス2へとスイッチすることになりますが、そちらは走りだけでなく利便性や快適性を重視したものとなりました。足回りやライディングポジションなど、「スポーティさ」で見るとバリオスは後継モデルよりも熱い素養を秘めています。生産終了後すでに10年以上が経過しており良質な在庫も減少していますが、突き抜けるような直4サウンドを放つバリオスはまだまだ魅力的な車種。リーズナブルで走れるネイキッドを探しているなら、覚えておいて損は無い1台と言えます。
ネイキッド=テイスト重視の雰囲気が強かった当時に、ZXRゆずりの高性能エンジンを搭載した「走りのネイキッド」と言うことで注目を集める。発売当時の同カテゴリにおいて、最も高回転まで回せるのがバリオスだった。タンクエンブレムはギリシア神話に登場する不老不死の神馬をイメージしたもので、前足を上げた「跳ね馬」スタイルとなっている。
装備などに大きな変更は無いが、馬力自主規制値の変更によってパワーダウンとなり、出力は40ps/15,000rpmに。翌年の1994年式ではメーターパネルの中央にフューエルメーターが装備され利便性が向上した。カラーラインナップは1992年に追加された個性的なパーツティールグリーンが廃止され、1991年と同じ黒・赤・青のシンプルかつソリッドな色に戻る。
バリオスの生産最終年は1996年。翌年から足回りをユニトラック式モノサスペンションからコンベンショナルなツインショックに変更したバリオス2にスイッチすることになる。最終型だけの特別仕様として、個性的な塗り分けを採用したツートンカラーを設定。タンクエンブレムも細い書体を使ったものとなり、馬をイメージしたデザインは採用されなかった。
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