掲載日:2018年07月24日 トピックス
まとめ/宮崎正行 写真/柴田直行、関野温、富樫秀明、徳永 茂、野岸“ねぎ”泰之、長谷川徹、渕本智信、真弓悟史、山家健一
記事提供/BikeBros.2018編集部
※この記事は『BikeBros.平成三十年上期編』に掲載された内容を再編集したものです。
※個々に記された車両スペックは、ベースグレード(最低価格)のもので表記統一しております(車重についてもメーカー表記に準じます)。生産終了車につきまして市中の新車在庫が確認できたものに関しては掲載しております。また、掲載されている車種は一部に旧年式モデルを含みます。
テストライダー:青木タカオ/小川浩康/小松男/佐川健太郎/櫻井伸樹/鈴木大五郎/田宮徹/中村友彦/成田恒一/野岸“ねぎ”泰之/堀田修/松井勉/宮崎正行/吉友寿夫/和歌山利宏/渡辺学
ニューモデルラッシュが続きにわかに活況を呈してきた2018年の国内モーターシーン。インプレをまとめて読んで、次の新車購入の参考にしたい!」そんな読者の声に直球で応え、国内外のニューモデルを取り揃えて「気になるアイツはこんなヤツ!」と言い切る試乗インプレ記事をズラリ掲載!
ひさしぶりにフルモデルチェンジが行われたホンダ・ゴールドウイングはじめ、いまやすっかり少数派となってしまったクルーザー部門からは新型レブルがエントリー。あのカブは生産拠点を日本国内に戻して心機一転再スタートを切り、大人気PCXはフレームから完全新設計された。ホンダがやたら元気な部門に要注目!
最初に感心するのは軽さとコンパクトさだ。先代からの軽量化は約40kgにもおよび、カウル自体も小ぶりになっているから、大排気量クルーザーだからといって構える必要はほとんどない。威風堂々としたルックスは、すこし離れて見るのがちょうどいいようだ。
防風効果が完全無欠だった先代に比して、新型は乗り手に適度な走行風があたりそれが心地いい。峠での走りは、1台のスポーツバイクとして成立してしまうほどレベルが高かった。主観で言えば、ムチャクチャ楽しかったのである。
ハンドリングに関しては、新型は常に後輪主導の感があるので、タイトで荒れた路面の道も難なくこなしてしまうだろう。その一点で、日本の道路事情に合っているのは新型と言い切れる。
SPEC/1,833cc 383kg 331万5,600円
高く感じる着座位置は、シートが長時間走行に対応した厚手の造りになっているからで、スーパーカブ110より49mm高い784mmの設定だ。身長172cmテスターであれば両足がベッタリと着くことができ、広い視界と余裕のあるライポジを両立できる。
エンジン回転の上昇もスムーズゆえ、ストレスのない加速をいつでも引き出せるから、幹線道路の交通の流れにも不安なく乗っていけるだろう。また市街地での乗りやすさは、フラットダートでも味わうことができる。
低速トルクが太いので、アイドリング付近をキープしたままトコトコと走破してしまえるのもうれしい。いにしえのハンターカブを彷彿させる何かがある新生クロスカブ110、その走りは現代のレベルまでに達している。
SPEC/109cc 106kg 33万4,800円
グロムゆずりのエンジンは4500~6,000回転でのトルクが太くなるように低中速寄りに味付けされ、トコトコ言わせながらノンビリ走ることができる。前後サスペンションとシートのクッションは柔らかく、走っているだけで幸せな気分になれるのがいい。
ニーグリップできるゆったりとしたライディングポジションで走り出すと、ハンドリングは軽快で自在に操れる感覚がすぐに得られた。小径12インチの足まわりを活かしてクルクル面白いように曲がるから、タイトコーナーの続く峠道でも楽しそうだ。
車体を深く寝かし込んでもタイヤのグリップ感はしっかり落ち着いているし、減速させつつスパンと旋回を決めるライディングもバイクを操る楽しみに満ちあふれている。
SPEC/124cc 107kg 43万2,000円
丈夫で頑丈……。そんな当たり前のことはさておき、こんなにも乗って楽しいバイクがカブなのである。そこにはバイクを操る面白さが凝縮されている。
ライダー、燃料タンク、エンジンといった重量物が車体の中心に集まっている“マスの集中化”による取り回しやすさと、前後17インチの大径ホイールによって安心感のあるハンドリングを体感できるのだ。
下り坂で両手を離してもハンドルは振られず車体は直進するし、大きな段差に乗り上げても車体全体で衝撃をいなす。破綻は見られない。LEDヘッドライトなどの先進技術を盛り込みつつも、車体デザインは昔ながらの丸目ライトに戻って懐かしく親しみやすい。カブは原点回帰したのだ。
SPEC/124cc 107kg 43万2,000円
跨って感じるのは、先代スカイウェイブ400に対して明らかにコンパクトなボディサイズだ。シート高は755mmと45mmもアップしているものの、シートの前側がスリムで、足許の左右が大きくえぐられたカットフロアボードを採用しているので、シート前端に座れば意外と足着きはよい。
身長167cmの筆者でも両足の裏がほぼ接地する。好印象のまま走りだすと、まずはその加速性能に驚かされる。またライダーの着座位置が高くなり、車重が軽減されたことで、スカイウェイブ400よりもはるかにキビキビと操れる。大幅にスポーツ性が増したところが最大のアピールポイントだ。ABSも標準装備され日常ユースやツーリングでの安全性も高い。
SPEC/399cc 215kg 79万9,200円
フルモデルチェンジしたPCXの新型は、従来のアンダーボーンフレームを改め、スポーツバイクのようなダブルクレードル構造のフレームを採用。車重はそのままにシャシー剛性を高め、より強力となった動力性能を余すことなく引き出している。
ライポジはよりゆったりとしたものになり、スクリーンによる防風効果も高められた。走らせれば旋回中のハンドリングに安定感が増し、車体を深く寝かせてもしっとりとした接地感が得られる。これは前後タイヤのサイズをワイド化したことが功を奏しているのだろう。
首都高でクルマの流れをリードするのは容易、湾岸線でも非力さは感じなかった。新型PCXには、すべてにおいて“ゆとり”を感じる。
SPEC/149cc 131kg 39万5,280円
新型レブルは500cc 2気筒車と250cc単気筒車がラインナップされているが、いずもシャシーは共有している点がたいへん珍しい。
試乗して感じるのは、ハンドリングの実直さと乗り味の面白さだ。個性的なルックスとは裏腹ともいえる、ベーシックなスポーツバイクとしての資質が備わっているのである。特に感心したのはフォーク角30度、キャスター角28度という数値を採用して、トレールを110mmに設定したことによる、フロントまわりの挙動の分かりやすさ。
乗り手の尻にダイレクトに伝わるトラクションや、バンキング中に感じる手応えとスムーズさ、クルーザーとしてはかなり深めのバンク角、目線の低さがもたらすスピード感、すべて魅力的だ。
SPEC/471cc 190kg 78万5,160円
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