

掲載日:2013年10月02日 試乗インプレ・レビュー
インプレッション/辻 健二郎 まとめ/ダートライド編集部 写真/佐藤 春道 取材協力/ウエストポイント
この大幅な変更を受けたKX85-IIの試乗は、埼玉県にあるオフロードヴィレッジをお借りして実施した。前日強く降った雨で全体的に路面は湿り気味で、各所に深いドロや1本に限定されたワダチのレールが出来た状態だが、走れるライダーにとってはそれほど難しいコンディションではなかったという。
一般走行枠だったのでホビーライダーもいる中で、車体を1日丸々借り受けてのインプレッションだったので、フリーセッションとして、テストを行った。ここからは国際A級ライダーの辻 健二郎選手にバトンタッチして、その実力に迫ってみたい。
「大きくモデルチェンジした2014年型のKX85-IIは、見た目もシャープな感じでライダーに好奇心を感じさせるものになっています。エンジンを始動させ空吹かししてみると、85ccにしては力強そうな中高回転の排気音が印象的です。走らせ始めて感じたのは、85ccにしてはアクセルを開けてからエンジンが素直に回るまでの感覚に少し違和感がありました。どういう事かというと、体重70kgの自分がこれまでに乗った事のある85ccのマシンは、エンジンが軽快に回り始めるまでに、ライダーの体重の重さから低回転での負荷が高すぎて、アクセルを開けてからエンジンの回転が上がるのと、実際にパワーを感じるまでの時間にズレが生じている事が多くありました。
しかし、この新しいKX85-IIにはその感覚とはまったく異なるパワーデリバリーがあり、アクセルに素直な反応でエンジンパワーが発揮されて、このサイズで感じた事のなかった感覚に違和感を感じた程なのです。とはいっても、私の体重ではまだ、負荷がかかり過ぎるのでエンジンは少し苦しそうですが、これは規格外の重さなので仕方ないでしょう。スピードがのり始めれば、更にマシンの進化を感じる事が出来ました。エンジンのパワーバンドが、中高回転域で従来のミニサイズのマシンより幅広く感じる程のパワーの強さと伸びを感じます。車体とのマッチングも高く、新しく取り入れたサスペンションやフレームの味付けが、エンジンの力強いゾーンと車体の踏ん張りとできれいに重なり、これまでよりもハイレベルの走行に対応出来るマシンに進化しています。
私の体重でもしっかりと踏ん張るフロントサスペンションと、それを支える事の出来るフレームは、ハイスピードで走る海外のコースでもそのまま使えそうなイメージです。少しだけ気になったのは、フロントの踏ん張りと力強いパワーのお陰でリアの沈み込みが非常に大きかったので、体重のあるライダーは、リア下がりの時間が長くなり初めは慎重になってしまうかもしれません。小柄な方や、メインターゲットとなるキッズライダーにはまったく問題なく、性能の上がった新生KX85は、レーシーなライドからエンジョイライドまで、幅広く支持されると感じました」
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