掲載日:2013年09月13日 試乗インプレ・レビュー
インプレッション/辻 健二郎 まとめ/ダートライド編集部 写真/佐藤 春道
CRF450Rは、現在のモトクロスレーサーの中で最大排気量クラスになる4ストローク450ccのエンジンを持つ。現行の2013年モデルで大幅にモデルチェンジし、最も特徴的なデュアルマフラーと共に、数多くのレースでそのレッドカラーを観客に印象付けている。モデルチェンジと同時に展開された、空気を切り裂く矢のようなイメージで構成された新しいスタイリングは、戦績と共にCRFの能力値をさらに引き上げているようにも感じる。
もちろん、4ストローク450ccは誰にでも扱えるマシンではないが、その中でCRF450Rは従来から誰もが扱いやすパワー特性やシャシーの作りが際立つ車両でもあった。
2014年モデルのCRF450Rは、同時に発表された4ストローク250ccのCRF250R程の大改修は受けていない。あちらがフルモデルチェンジに比べ、こちらの変更された点はごく僅かだ。ひとつは1回のサイクルで2度の燃料噴射をする、デュアル・ステージ・フューエルインジェクションだ。バッテリーレスで駆動するPGM-FIが、燃料が必要な領域で噴射するタイミングを2回に分割する独自の方式で、より理想的なドライバビリティを目指している。吸・排気ポート形状の変更、サイレンサー分岐部の整流板形状変更と併せて、スロットルレスポンスと出力の向上も企図している。
サスペンションも見直しがされた。フロントはコイルばねの代わりに圧縮空気を使う構造は変わらずに、減衰力特性を変更し、設定エア圧も高める事で走破性をさらに追求。リアショックは同じく減衰力特性を見直し、同様に走破性の向上を狙っている。この他、クラッチのスプリングが変更され、レバー操作時の荷重変化を抑える構造となった。