掲載日:2011年03月14日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
「エンジョイ・ライト級 マイ・ファースト オフロード」をコンセプトに開発。ビギナーや小柄なライダーでも楽しめるオフロード走行性能が追求されているのが、05年3月にデビューしたXR230だ。エンジンは、同じようなコンセプトで97年に登場したSL230に搭載され、その後にFTRなどでも使われている223cc空冷単気筒。軽量コンパクトで、低中回転域で粘り強く、コントロール性にも優れたパワーユニットだ。これを、シンプルなスチール製フレームに搭載。アルミ製スイングアームやプロリンク式リヤサスペンションなどを採用するが、基本的に装備はシンプルにまとめられている。スタイリングは、モトクロッサーイメージに仕上げられ、空冷なのでラジエターはないが、タンクシュラウドも備えている。
オフロードモデルとしては一般的な、前後21/18インチ径のフルサイズホイールを採用するが、車体はとてもコンパクト。245mmの最低地上高を確保しながらも、シート高は805mmに抑えられている。シートもスリムなので足つき性はかなり良く、車重は軽めとあって、悪路でも安心感が高い。さらに、ハンドル切れ角は左右各51度もあり、オフロード走行でもシティライディングでも、とても小回りが利く。ちなみにハンドルバーは、レンサル社製のアルミタイプだ。
08年2月に、燃料供給がキャブレター方式のまま、平成18年排出ガス規制に適合化された。とはいえスペック上では、18馬力の最高出力には変わりがなく、最大トルクの発生回転数がより低回転域となり、車両重量が2kgほど増えて122kgとなった程度。極低速域で粘るというXR230の魅力は、まったくスポイルされておらず、むしろ強化されたイメージすらある。06年12月にはフロントバイザーの形状変更や車体色の変更、08年12月にもカラーリングチェンジを受けているが、どの年式でも、XR230ならではのイージー・オフロード・ライディングを楽しめることには変わりがない。もちろん、シティコミューターとしても使うのにも、この扱いやすさは魅力だ。