掲載日:2012年04月16日 オフロードFAQ › オフロード走行の疑問
転びそうになったときの保険的役割や
荷重移動のためなど、様々な理由があります。
モトクロスのレースなどで、ライダーがシートに座ってイン側の足を出してコーナリングするシーンを、映像や写真で見たことがある人も多いことでしょう。オフロードでのコーナリング時に、イン側の足を出すというのは、かなり定番の走法です。
さて、足を出す理由にはいくつかあります。もっとも基本となるのは、バイクが予想以上に大きくスライドしたり、フロントタイヤのグリップを失いかけたときなどに、地面に足を瞬時に着いて支えることで、転倒を避ける目的です。ちなみに、バイクは前へと走っているので、足を真下に着いたのでは、次の瞬間にはバイクに対して足が後方に持っていかれた状態になってしまいます。このためモトクロスのライディングでは、足は下ではなく前方、フロントホイールのアクスルシャフト方向に出すのがセオリーです。また、ツマ先を外側に開いていると、地面に足を強く着いたときに、本来は曲がらない方向へと、ヒザや股関節に力がかかってしまいます。そのため、ツマ先は若干内側に向けておきます。
また、オフロード走行では車体を寝かせてライダーは垂直に近い状態を保った、リーンアウトの姿勢でコーナリングすることがよくあります。極度なリーンアウトを行った場合、人間のカラダの構造上、イン側のステップから足を離さないと、かなり不自然な姿勢になってしまうため、イン側の足を出すという理由もあります。
さらに、イン側の足をステップから外したり前方へと伸ばしたりすることで、荷重を変化させる目的もあります。最近ではロードレースのモトGPでも、コーナー進入時にイン側の足を出すライダーが増えました。これが、ステップから足を外すことで荷重移動をさせているひとつのわかりやすい例です。
なお、特にハイスピードで走っている舗装路では、足を地面に着いてしまうと、路面のミューが高いためにまったく滑らず、一瞬にして足が後方へと持っていかれて、思わぬケガにつながることがあります。林道でも、路面状況によっては同じことが言えます。くれぐれも注意しながら、足出しライディングを楽しんでください。
文/田宮 徹
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