オフロードFAQ

ラリーってどんな競技?

掲載日:2014年07月01日 オフロードFAQオフロード競技の疑問    

オフロードFAQ未知なるフィールドをルートマップに従って走り、
ライディングやナビゲーション能力を競うレースです。

「ラリー」とは古いフランス語で「再び集まる」という意味があります。スタート地点で一旦参加者が全員集まり、ゴール地点で再び全員が揃うことを目指すということです。ラリーという言葉とは別に、ラリーレイド(クロスカントリーラリー)という言葉もあり、一般的に「ラリー」とだけ言った場合は4輪を指すことが多く、2輪はラリーレイドやクロスカントリーラリーに区分けされるケースが多いです(これらにも4輪はあります)。

 

内容もやや異なり、ラリーが比較的短かい区間でスプリント色が強く、開催期間も短縮化しているのに対して、ラリーレイド(クロスカントリー)は競技日程・総走行距離が長い傾向にあり、耐久競技の意味合いが強くなっています。また、走行区画も、大平原・砂漠・岩場などの道なき荒野を走破するケースが増え、ミスコースや事故・故障などに遭遇する確率が高くなり、サバイバル的要素が強くなります。有名なダカールラリーは、このラリーレイド(クロスカントリー)に区分けされると言ってよいでしょう。

 

ルートの詳細は参加者にルートブック(2輪はコマ地図)が渡されるまで、完全に秘密とされます。よって、誰もがイコールコンディションでレース実施となります。2輪は巻取り式のコマ地図という特殊な地図を使い、そこに書かれた(主に)距離を頼りにルート走行を行います。日本国内であれば、ラリーと言ってもそのほとんどが一般道が舞台になるので、看板や家屋など目印になるものが多く、コマ地図にもそれらが情報として記され、分岐などの指示の参考になります。海外の本格ラリーレイドになると、そういった目印になるものはほぼないため、距離だけが頼りになります。

 

車両にはコマ地図を装着・閲覧・巻き取っていく機械(マップホルダー)の設置と、別体の距離計を最低2つ装着することが多いです。車両の距離計を使わないのは、別体の距離計は距離の補正機能やバック機能があり、距離頼りのラリーレイドでの使い勝手が良いからです。2つ付けるのは、片方が不調になった場合のバックアップと、また10m刻みでの表示などで2種を使い分けることで、より精度の高いナビゲーションをするためです。また、この他に競技によってはコマ地図のところどころにGPSポイント(緯度・経度)が掲載され、小型のGPSナビを併用するパターンもあります。

 

その他、レース主催者が求める最大航続距離を満たすスペックが車両には必要です。国内のラリーレイドだと、だいたい新しい世代の4ストロークマシンなら標準のタンクで大丈夫ですが、2ストロークマシンの場合、増量タンクへの換装や追加が必要になることがあります。海外のほとんどは、距離がグッと延びるので、標準のタンクではまず足りません。

 

海外の本格ラリーレイド(クロスカントリーラリー)で、モンゴルラリー(SSER ORGANISATIONが開催するラリーモンゴリア)のレギュレーションブックがたいへん参考になるので、その一部を抜粋しておきます。参考にして下さい。

 

レギュレーションブックより抜粋

1-1 前文

SSER ORGANISATIONは2014年8月10日より2014年8月17日の8日間にわたり4,000kmまでの距離でRALLY MONGOLIA 2014 INTERNATIONAL CROSS COUNTRY RALLYを開催する。

 

1-2 精神

この大会に参加する全ての関係者は強い自立の精神を持つ者でなければならない。自然環境は美しいが極めて厳しく、かつ行程は困難である。真のスポーツマン精神に満ちた正しい資質を持つ者であることが強く求められる。又、参加するにあたっては相当のリスクがあることを自覚しなければならない。また要求されるのは、この大会が国際平和、友好親善を目標としていることを認識することである。ラリー開催地で生活を営む人々に最大限の敬意を持って接することは当然である。

 

4-5 燃料とエンジンオイル

燃料及びエンジンオイルは原則として行程中のガソリンスタンドなどで参加者が用意する。それが困難な地域では主催者側が用意し、そのインフォメーションは事前に行う。ガソリン及び軽油はロシア製である。
毎日のゴール地点(ビバーク地点)付近に、ガソリンスタンドが無い場合は、給油の為にタンクローリーが用意される。

 

4-6 給油地点と最大航続距離

全ての参加車両の最大航続距離は280km以上でなければならない。スタート後280km以内の地点で給油の為のレストコントロールが開設される。レストコントロールポイントは、全車の通過が確認後又はそのETAPの1番車のマキシタイムのいずれかの早い時刻で閉鎖される。

 

4-7 環境保全

大会期間を通じて主催者及び参加者はいかなる一切のゴミ投棄を行ってはならない。ランチパックのゴミはビバークまで持ち帰り、翌日のランチパックと交換する。オイル交換等で発生した廃油は大会本部の回収用ドラム缶に投缶する。この重要な規定の守れない者は失格になる。またこの件に関する抗議は受け付けない。

 

7-4 装備品規定

A)2007年(平成19年)4月1日以降に生産されたヘルメットでSNELL2000以上の規格またはJIS規格適合品*但し「用途(125cm3未満の旨)」の表示品は使用できない。また上記を満たしていても大きな損傷のあるものは使用できない。ヘルメットには競技者名・血液型を英文で記入しなければならない。モーターサイクル部門ではフルフェイスタイプのヘルメットが義務づけられる。

B)モーターサイクル部門では、充分なプロテクション効果を持った脊椎パット。肩、鎖骨、胸部、及び腹部のパットが義務づけられる。樹脂など硬質素材による保護であること。腹部は一般的にいうウエストベルトでも構わない。

C)ヘルメットリムーバー、ネックブレイスの使用が義務付けられる。

D)サングラス、帽子

E)テント、シュラフ

F)サイリウム(ケミカル発光棒)2本

G)懐中電灯 2ケ(ヘッドランプタイプ×1、マグライトタイプ×1)

H)モーターサイクル部門では充分な性能でケース状になったマップケース。

I)食器

J)メディカルキット(競技者1人に対して)
目薬、鎮痛剤、2種類の下痢止め、抗生物質(錠剤に限る)、包帯、絆創膏、リップクリーム、ビタミンC剤、塩化ナトリウム、消毒薬

K)サバイバルキット(車両1台に対して)
マグネチックコンパス、アルミシーツ(2m×1m以上)1人当たり1枚、砂漠では1人当たり3リットル、その他では1.5リットルの水、常に1人当たり2,000kcalの非常食、ラチェットタイダウン2本*ワンタッチでの固定解除と確実で簡単な張り調整が可能なラチェット式タイダウン(モーターサイクル部門)

L)通信設備
MOTO・AUTO部門共144MHz帯VHF/FMのトランシーバーの携行を強くすすめる。
緊急の通信のための衛星携帯電話(イリジウム衛星携帯電話)の所持を義務づける。

 

ART.26 環境

大会本部で配布されるペットボトルは完全に保持または、ビバークで処理されなければならない。配布時にボトルとキャップそれぞれにレースナンバーが記載される。投棄された場合は1度目は罰金200USD、2回目で失格となる。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索