ハスクバーナが、2013年TE-Rモデルをリリース

掲載日:2012年12月07日 エクストリームエンデューロ    

文/ダートライド編集部

2013 EARLY-RELEASE NEW MODELS

ハスクバーナが、2013年TE-Rモデルをリリース

ハスクバーナのインポーターを務めるMV AGUSTA JAPANは、エンデュランサー・TEシリーズ2013年モデルの発表と発売を開始した。ハスクバーナは2011年に世界選手権エンデューロのE1、E2、という2つのトップクラスでライダータイトルとコンストラクタータイトルを獲得しており、今回のモデルはそのファクトリー仕様のまま「R」の名を冠しての登場となった。よりいっそう進化した、2013年モデルの魅力を紹介しよう。

TE250R

TE250RはE1クラスのウイナー、ユハ・サルミネン選手が駆ったファクトリーマシンに準じた仕様を持ち、エンジンは2012年世界選手権エンデューロを走るファクトリーマシンと同じ、新型DOHCシリンダーヘッドを採用。扱いやすさを兼ね備えたトルク&パワー特性とする為に、強固なスチール製バルブを綿密にリファイン。燃料供給方式には新たにKEIHIN製フューエルインジェクションを採用し、優れたレスポンスと幅広いパワーバンドを実現している。従来モデルに比べてパワー、トルクともアップしているにも関わらず、この水冷4ストロークDOHCエンジンは軽量コンパクトさを維持し、単体重量は23kg。このジャンルにおいて最も軽いパワーユニットに仕上がっている。パワーアップの具体的数値は、常用回転域におけるパワー/トルクともに、従来型に比べ8%の向上。新型シリンダーヘッドと新設計インテークマニホールド、新型フューエルインジェクションによって、扱いやすさの向上も図られている。

 

この進化したエンジンを搭載するシャシーは、ハスクバーナの技術力を注ぎ込んだクロモリ素材のフレーム。ステアリングヘッドに新たに25CrMo4素材のプレートを配し、また位置によって角断面とオーバル断面のチューブを使い分ける事によって、最適な強度としなりを両立させている。

 

サスペンションは、前後ともKYB製を採用。フロントはリバウンド、コンプレッションそれぞれが調整可能なφ48mmの倒立仕様。リアは、高速側、低速側、伸側、圧側の減衰力を独立して調整可能な他、プリロードも調整できるショックユニットを、リンクシステムを介して搭載する。前後ともに細かな調整域を持つこの組み合わせによって、速度域やライダーのスキル、コースコンディションに合わせた適切なセッティングが可能になっている。

 

また、エンジンのマッピングも簡単に変えられる仕様となっている。出荷時のセッティングは公道用のレギュレーションに沿ったものだが、オプションのエンジンセットアップツールか、切り替えスイッチを使用する事で、“ジェントル”な特性と“アグレッシブ”な特性を簡単に切り替えることが出来る。他にも、新型フューエルインジェクションシステムは2011年モデルまでとは異なり、ホットスターターを廃止。ラジエーターも見直しを受け、さらに頑丈で冷却効率の高いものに変更されている。エンジンのドレンプラグにはマグネティックタイプを採用し、エンジン内の金属片を効率良く回収する仕組みとしている。

 

TE250R

TE250R

 

TE250R

TE250R

 

カム、バルブトレインのレイアウトをリニューアルした新型シリンダーヘッドを採用。さらにKEIHIN製フューエルインジェクションシステムも新採用。

カム、バルブトレインのレイアウトをリニューアルした新型シリンダーヘッドを採用。さらにKEIHIN製フューエルインジェクションシステムも新採用。

 

エンデューロレースで便利なメーターは、新たに走行時間を表示する機能を追加し、これらの変更に合わせて左側ハンドルスイッチボックスが、シンプルかつ頑丈な新デザインとなっている。

 

KYB製のフロントサスペンションは、φ48mmの倒立タイプ。ブレーキローターはウェーブタイプを採用。

KYB製のフロントサスペンションは、φ48mmの倒立タイプ。ブレーキローターはウェーブタイプを採用。

新たにアワーメーターも装備するハンドル周り。フューエルインジェクションのウォーニングランプ、スイッチ類、バーパッドも新作になった。

新たにアワーメーターも装備するハンドル周り。フューエルインジェクションのウォーニングランプ、スイッチ類、バーパッドも新作になった。

インテークマニホールドの形状変更、KEIHIN製フューエルインジェクションによってパワー、トルクともに5%のアップ。サイレンサーは、オフロードでは珍しい左出し。

インテークマニホールドの形状変更、KEIHIN製フューエルインジェクションによってパワー、トルクともに5%のアップ。サイレンサーは、オフロードでは珍しい左出し。

TE310R

TE310Rは、250と共通の車体&エンジンをベースにし、エンジンのボアとストロークを拡大する事で排気量を302.44ccとしている。こちらは、アントワン・メオ選手によって、2011年の世界選手権エンデューロE2クラスのタイトルを獲得しているマシンがベースになっているが、排気量以外はTE250Rと共通のスペックが与えられている。どちらのモデルも、エンデューロレースでのポテンシャルはもちろん、公道走行の能力もブラッシュアップが図られ、幅の広い使い方が出来るように仕上がっている。

 

TE310R

TE310R

TE310R

TE310R

エンジンは250と共通の仕様で、ボア&ストロークを拡大して排気量アップしている。

エンジンは250と共通の仕様で、ボア&ストロークを拡大して排気量アップしている。

大型でスリムなラジエーターは見直され、2011年モデルに較べより頑丈で冷却効率の高いものに変更されている。

大型でスリムなラジエーターは見直され、2011年モデルに較べより頑丈で冷却効率の高いものに変更されている。

メーターの表示機能が追加された事などにより、左側ハンドルスイッチボックスはシンプルで頑丈な新デザインとなった。

メーターの表示機能が追加された事などにより、左側ハンドルスイッチボックスはシンプルで頑丈な新デザインとなった。

オフロードコンペティションらしく、車体はとてもスリムに仕上げられている。

オフロードコンペティションらしく、車体はとてもスリムに仕上げられている。

 

価格はそれぞれ、TE250Rが1,049,000円(税込)、TE310Rが1,089,000円(税込)。TE250Rが発売中で、TE310Rは2012年12月の発売を予定している。レーシングパフォーマンスを更に高めながら乗りやすさも向上した新生TE「R」。オフロードユーザーなら誰もが気になる、期待の2台だ。

 

 

※ 【 】 内はTE310R

ENGINE
型式 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
ボア×ストローク 79mm × 50.9mm 【82mm × 57.35mm】
排気量 249.50cc 【302.44cc】
圧縮比 13.5:1 【13.1:1】
燃料供給 電子制御式フューエルインジェクション
エンジンオイル量 NA
エンジン始動 セル・キック
クラッチ 湿式多板・油圧操作式
変速ギア 常時噛合い式 ギア数:6
CHASSIS
フレーム スチール製:シングルチューブクレードル
アルミ製:リアフレーム
フロントサスペンション(ストローク) KYB製48mmΦ倒立フォーク(300mm)
リアサスペンション(ストローク) KYB製マルチアジャスタブル(296mm)
DIMENSIONS
全長×全幅×全高 NA
ホイールベース 1470mm
シート高 950mm
最低地上高 290mm
半乾燥重量(燃料含まず) 109kg
燃料タンク容量 8.5L
BRAKES
フロントブレーキ(ディスク径) ブレンボ製油圧式シングルディスク(260mm)
リアブレーキ(ディスク径) ブレンボ製油圧式シングルディスク(240mm)
WHEELS and TYRES
フロントホイール 1,60″× 21″
リアホイール 2.15 × 18″
タイヤサイズ(フロント) 90/90-21″
タイヤサイズ(リア) 120/90-18″

 

 

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