ホンダが、2013年CRFモデルをリリース

掲載日:2012年09月24日 特集記事    

文/ダートライド編集部

2013 EARLY-RELEASE NEW MODELS

ホンダが、2013年CRFモデルをリリース

ホンダは、モトクロッサー・CRFシリーズの2013年モデル発売を発表した。注目は、ほぼフルモデルチェンジを果たしたと言っていいCRF450R。国内のレースシーンで今シーズン、成田亮(あきら)選手が快進撃中だが、その彼が駆るマシンも同じモデル名で、今回発表の市販車はそのマシンを彷彿とさせるグラフィックや仕様を与えられている。小変更にとどまったCRF250Rと共に、変更点を中心にその内容を紹介しよう。

CRF450R

CRF450R

CRF450R

 

CRF450R ストリップ写真

CRF450R ストリップ写真

 

CRF450Rでまず目を引くのは、左右に均等に振り分けるようにレイアウトされたデュアルマフラー。ホンダは過去に250ccクラスで採用した例があるが、今回は450ccに投入してきた。今シーズン、ホンダに移籍した成田選手も同仕様のマシンに乗っており、開幕時にはファクトリー専用かと思われていたが、市販モデルにも投入された。マフラーをデュアル化するメリットは、2つに分ける事で1本の長さを短縮し、重量物をなるべく車体の中央に寄せる事で運動性能が上げられる点。同時に、片側に寄っていた質量を左右均等に振り分け、車体バランスを適正化する狙いも考えられる。ホンダでは「消音効果とマスの集中化に寄与する」と謳っている。

 

シャシーに目を向けると、デュアルマフラー化に合わせたリア(サブ)フレームの新設計に加え、アルミツインチューブのメインフレームも新設計となっている。スイングアームも形状が見直され、「しなやかさと剛性感を両立した事により、トータルで前輪の接地感と後輪のトラクションを向上させた」という。

 

その接地感に関連し、フロントサスペンションにエアサスペンションを新規採用。「フロントフォーク内のスプリングを従来のコイルスプリングから圧縮空気に変更し、コイルスプリングとスライドパイプ内壁との摺動により発生するフリクションを無くすことで、作動性の向上に寄与。また、フロントフォーク全体で800gの軽量化も実現。」という事だ。リアショックは、従来モデルに対して全長を14.5mm短縮し、より車体の低い位置に取り付ける事で低重心化を図っている。先のスイングアームと合わせて「乗り心地と軽快感を向上させた」という。

 

ユニカムバルブトレインが特徴のエンジンについては、ピストンの頭部形状を変更し、圧縮比を従来モデルの12.0から12.5に高め、出力を向上。吸・排気ポートの形状変更と、エキゾーストバルブ径を従来モデルの30mmから31mmに拡大。バルブタイミングの変更および電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)のセッティングを最適化する事で、「高速域はそのままに低・中速域でのトルクを向上している」という。

 

外装もファクトリーに近いエッジの効いたデザインになり、シュラウドからタンク、シート、リアフェンダーまで、各パーツが連続したスムースなスタイリングとなり、より洗練さが増した。

 

CRF450R ショートデュアルマフラー

CRF450R ショートデュアルマフラー

 

CRF450R アルミツインチューブフレーム

CRF450R アルミツインチューブフレーム

 

CRF450R スイングアーム

CRF450R スイングアーム

CRF450R フロントサスペンションカットモデル(左:従来モデルのコイルスプリング、右:新規採用されたエアスプリング)

CRF450R フロントサスペンションカットモデル(左:従来モデルのコイルスプリング、右:新規採用されたエアスプリング)

 

CRF450R エア圧調整バルブ

CRF450R エア圧調整バルブ

 

CRF450R 新形状ピストン

CRF450R 新形状ピストン

CRF450R フレーム形状比較

CRF450R フレーム形状比較

 

CRF450R リアフレーム形状比較

CRF450R リアフレーム形状比較

 

CRF450R ヘッドパイプまわり

CRF450R ヘッドパイプまわり

CRF250R

CRF250R

CRF250R

 

CRF250R

CRF250R

 

CRF250Rは、2012年モデルからのブラッシュアップがメインの変更点。

 

足回りでは、フロントサスペンションのダンパー部のピストン径を、従来モデル比で2mm拡大した37mmに変更。受圧面積を拡大する事で、減衰力特性の最適化を図っている。バネレートは従来モデルの4.4N/mmから4.6N/mmに変更し、走破性の向上を目指している。

 

タイヤにも変更を加えているのが、2013年モデルの特徴。フロントタイヤは新パターンの採用で接地性能を向上させ、リアタイヤは内部構造を見直し軽量化を図ることで、高い路面追従性を実現しているという。

 

他には、マフラーインナーパイプを、従来モデルのプレス打ち抜きからプレス切り起こし形状に変更する事で、排気ガスを積極的にグラスウールに導き、パワーを落とさず消音化を目指している。スロットルコントロール性とトラクション特性の向上を狙い、PGM-FIのセッティングも変更している。

 

その他、大きな変更点は発表されていない。

 

 

価格はそれぞれ、CRF450Rが871,500円(税込)、CRF250Rが724,500円(税込)で、ともに2012年10月2日の発売を予定している(受注期間限定:2012年12月10日まで)。

 

 

新機軸を多く盛り込んだCRF450Rと、年々厳しくなる騒音規制とパワー維持を高レベルでバランスさせたCRF250R。2013年、エクストリームレッドはどのような活躍を魅せてくれるだろうか。

 

通称名 CRF450R CRF250R
車名・型式 ホンダ・PE05 ホンダ・ME10
全長×全幅×全高 2,191mm×827mm×1,271mm 2,181mm×827mm×1,271mm
軸距 1,492mm 1,489mm
最低地上高 330mm 322mm
シート高 953mm 951mm
車両重量 111.0kg 104.7kg
エンジン種類 水冷 4ストローク OHC 4バルブ 単気筒
総排気量 449.7cm3 249.4cm3
内径×行程 96.0mm×62.1mm 76.8mm×53.8mm
圧縮比 12.5 13.2
燃料供給装置形式 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
始動方式 プライマリーキック式
点火装置形式 フルトランジスタ式デジタル点火
燃料タンク容量 6.3L 5.7L
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1  速 1.800 2.357
2  速 1.470 1.888
3  速 1.235 1.555
4  速 1.050 1.333
5  速 0.909 1.136
減速比(1次/2次) 2.739/3.692 3.166/3.769
キャスター角/トレール量 27°04´/116.0mm 27°23´/118.0mm
タイヤ 80/100-21 51M 80/100-21 51M
120/80-19 63M 100/90-19 57M
ブレーキ形式 油圧式ディスク
油圧式ディスク
懸架方式 テレスコピック式(倒立サス)
クッションストローク310mm
テレスコピック式(倒立サス)
クッションストローク310mm
スイングアーム式(プロリンク)
アクスルトラベル315mm
スイングアーム式(プロリンク)
アクスルトラベル313mm
フレーム形式 アルミツインチューブ

 

 

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