使い勝手良好なプライヤーレンチ

掲載日:2011年05月17日 バイク基本整備のイロハ工具の使い方実践    

使い勝手良好なプライヤーレンチ

モンキーレンチやプライヤーというと、ソケットツールやスパナに比べて緊急的、応急的なイメージを抱いているサンデーメカニックが多いと思います。しかし日常使いでも大満足の使い勝手を見せてくれるのが、ドイツの工具メーカー、クニペックス社のプライヤーレンチとウォーターポンププライヤーです。

表面がフラットで平行に開き
加えた力を増幅するプライヤー

左から8603-250プライヤーレンチ、8501-250コブラスマートグリップ、8701-150コブラの3本です。プライヤーレンチのアゴの内側はフラット、2本のコブラのアゴにはギザギザがあるのが分かります。どれもヒンジ部分は3枚の部品を組み合わせたボックス構造で、強いトルクを加えてもねじれたりヨレたりしづらいのが特徴です。

左から8603-250プライヤーレンチ、8501-250コブラスマートグリップ、8701-150コブラの3本です。プライヤーレンチのアゴの内側はフラット、2本のコブラのアゴにはギザギザがあるのが分かります。どれもヒンジ部分は3枚の部品を組み合わせたボックス構造で、強いトルクを加えてもねじれたりヨレたりしづらいのが特徴です。

ボルトやナットを締めたり緩めたりする工具といえば、スパナやメガネレンチ、ソケットレンチが定番ツールとして挙がります。ソケットツールに類するものとしてはT型レンチもありますが、いずれにしてもそれらを使う際はボルトやナットの二面幅と同一のサイズの工具を選ぶのが大前提となります。

 

これに対してモンキーレンチやウォーターポンププライヤーといった工具は、21mmまでのメガネレンチは持っているけどアクスルナットが24mmだったとか、ミリサイズはフルセットで持っているけどインチのボルトだったとか、緩めようとするボルトの適したスパナやソケットがない時に使用するアイテムとして認識している人が多いと思います。

 

実際、モンキーレンチにしてもウォーターポンププライヤーにしても、アゴの幅を任意に変更できるものの、いまいちガタ感があったり、ハンドルを保持するのに大きな力が必要だったりして、エマージェンシーツールな雰囲気を醸すものも少なくありません。

 

上側ハンドルと下側のアゴは一体ではなく、ヒンジ部分のジョイントによって2分割となっています。また下アゴは上アゴのレールに沿って水平に動くため、開口幅にかかわらず上下のアゴの平行度は保たれていて、これがスパナ代わりに使える理由となります。アゴが平行に動くだけならモンキーレンチも同様ですが、ウォームネジで開口幅を調整するモンキーレンチは使用時にどうしても僅かなガタが出てしまうのに対して、上側ハンドルが下側のアゴを上アゴに押し続けるこのプライヤーレンチは、常にガタをゼロにする力が掛かり続けるのが大きな特徴です。

上側ハンドルと下側のアゴは一体ではなく、ヒンジ部分のジョイントによって2分割となっています。また下アゴは上アゴのレールに沿って水平に動くため、開口幅にかかわらず上下のアゴの平行度は保たれていて、これがスパナ代わりに使える理由となります。アゴが平行に動くだけならモンキーレンチも同様ですが、ウォームネジで開口幅を調整するモンキーレンチは使用時にどうしても僅かなガタが出てしまうのに対して、上側ハンドルが下側のアゴを上アゴに押し続けるこのプライヤーレンチは、常にガタをゼロにする力が掛かり続けるのが大きな特徴です。

ところが、そんなイメージを一掃する工具もあります。ニッパやラジオペンチ、ウォーターポンププライヤーやプライヤーレンチなど、「掴みもの」と称される工具全般を開発するドイツのクニペックス社では、産業界から自動車系に至るまで幅広いユーザーから絶大な支持を集めるアイテムを製造しています。

 

はじめに紹介するのはプライヤーレンチです。一般的なプライヤーはアゴの内側に刻みが入っていて相手に食い付くのだが、このレンチはアゴがツルンとしたフラット形状になっているのが特徴で、平行に開閉する口幅の調整はヒンジ部分のプッシュボタンを押すだけでワンタッチで変更可能です。一般的なプライヤーのヒンジ部分は、ハサミのように2枚の部品を重ねたものですが、クニペックス社製プライヤーレンチのヒンジは3枚の部品を組み合わせています。これによって掴み方向だけでなく、ねじりに対しての剛性を確保しています。

 

また、多くのプライヤーはハンドルを思い切り握り込んでいないとアゴが開いてしまいますが、同社のプライヤーレンチの場合はハンドル部分とアゴ部分の構造によって、上側のハンドルを押さえると下側のアゴが閉じる方向に動きます。例えばアクスルナットにプライヤーレンチをかけてハンドルを掴むと、ハンドルに加えた力を10倍にも増幅してくれるという特徴もあります。

 

プライヤーレンチには全長によって150mm、180mm、250mm、300mmの4タイプがあり、そのサイズごとに最大開口幅が決まっています。ハンドルが長い方が加えられるトルクが大きくなるので、開口幅も広くなりますが、最小の150mmサイズでも27mmまで口幅が広がるので、足周りのメンテナンスにも重宝します。

プライヤーレンチには全長によって150mm、180mm、250mm、300mmの4タイプがあり、そのサイズごとに最大開口幅が決まっています。ハンドルが長い方が加えられるトルクが大きくなるので、開口幅も広くなりますが、最小の150mmサイズでも27mmまで口幅が広がるので、足周りのメンテナンスにも重宝します。

こうした構造によって、ボルトやナットの二面幅に対してモンキーレンチやスパナを上回る密着度を実現し、ボルトやナットの角部に優しいレンチとしても重宝されているのです。

 

一方のウォーターポンププライヤーは、アゴの内側に滑り止め目的のギザギザの刻みが入っていて、一見すると他ブランドのプライヤーと似た感じになっています。しかしながらこの工具も、プライヤーレンチと同様のヒンジ構造によって高い剛性と食い付き力を実現していて、さらにこのアゴ部分のデザインは平行四辺形を採用することでパイプを掴むのにも適しています。

 

プライヤーレンチと同様に、上側のハンドルを押さえると下側のアゴが上アゴに食い込むように作用し、ガッチリ食いついたら離れない様子から「コブラ」という愛称が与えられています。上下アゴの平行四辺形部分の一部は刻みのないフラット面となっているため、ここでボルトやナットをつかめば、与えるダメージを少なく抑えることができます。

 

たくさんのレンチ類を所有していると、わざわざこうしたツールを使う気にならないかもしれませんが、クニペックス社のプライヤーレンチやコブラは、一度触れてみる価値のある工具といえるでしょう。

 

こちらはコブラのヒンジ部分です。プライヤーレンチに比べると構造はシンプルですが、平行四辺形にデザインされたアゴによって掴んだものを離さないという特徴があります。開口幅の調整はヒンジのボタンを押しながら下アゴをスライドさせて行います(プライヤーレンチも同様)。

こちらはコブラのヒンジ部分です。プライヤーレンチに比べると構造はシンプルですが、平行四辺形にデザインされたアゴによって掴んだものを離さないという特徴があります。開口幅の調整はヒンジのボタンを押しながら下アゴをスライドさせて行います(プライヤーレンチも同様)。

コブラの中でもスマートグリップと呼ばれる製品があり、これは対象物のサイズに応じて自動的に最適の口幅に調整されます。そのため、使用前は常にアゴが全開となっています。閉じた状態で固定できるので、収納時に場所を取りすぎることはありません。

コブラの中でもスマートグリップと呼ばれる製品があり、これは対象物のサイズに応じて自動的に最適の口幅に調整されます。そのため、使用前は常にアゴが全開となっています。閉じた状態で固定できるので、収納時に場所を取りすぎることはありません。

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